今月、私は「大衆の反逆」にチャレンジ中。今回は、第一部:大衆の反逆 1:密集の事実(1)から、気になったところについてメモしておきます。
人間を最も根本的に分類すると、次の二種類に分けられることが明らかだからである。すなわち一方は、自分に多くのことを課して困難や義務を負う人びとであり、他方は、自分にはなんら特別なことを課すことなく、生きるということがすでにある自己をたえず保持することで、自己完成の努力をせずに風のまにまに浮かぶブイのように暮らす人びとである。(中略)
現代の特徴は、凡俗な人間が、自己が凡俗であるのを知りながら、敢然と凡俗であることの権利を主張し、それをあらゆる所で押し通そうとするところにある。北アメリカで言われているように、他人と違っているのは下品だという考え方だ。
(第一部:大衆の反逆 1:密集の事実(1)「大衆の反逆」オルテガ著 )
「大衆の反逆」ホセ・オルテガ・イ・ガセット (著), 桑名一博 (翻訳)
1930年のスペインと2020年の日本
ここでオルテガが示している「現代」とは1930年頃のスペインです。
でも、2020年の「現代日本」のことだ、と言われても、ほとんど違和感を感じません。
オルテガが指摘した20世紀当時の問題は、21世紀になっても解決しておらず、通信技術の発達とSNSなどのツールにより、さらに未知の方向へ拡大しつづけているように思われます。
参加者(5名)
- もんざ (主催者)「大衆の反逆」オルテガ (著)
- たろうさん 「アフターデジタル2 UXと自由」藤井 保文 (著)
- あさはらさん「こころ」夏目漱石 (著)
- にしやまさん「グイン・サーガ」五代ゆう(著)
- maru(まる)さん「世界はシステムで動く」ドネラ・H・メドウズ(著)
共有予定の本

大衆の反逆 (白水Uブックス)
オルテガは、現代が歴史上の一大転換期であることを見抜き、その危機の克服をめざして警鐘を鳴らし続けた。本書は、現代を大衆の時代と断定し、20世紀の本質を衝いた名著である。
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こころ
明治期の文学者、夏目漱石の長編小説。「東京朝日新聞」「大阪朝日新聞」[1914(大正3)年]。「先生と私」「両親と私」「先生と遺書」の3部からなる晩年の傑作。親友Kを裏切って好きな女性と結婚した罪を負う先生の行く末には絶望と死しかない。「こ...

闇中(あんちゆう)の星 グイン・サーガ147 (ハヤカワ文庫JA)
〔グイン・サーガ147〕アルド・ナリスの妖しい力を前に、グイン一行はいったんクリスタルを離れることにする。しかしそこに新たな闇の脅威が襲いかかる! 一方、ヴァラキアでは、ボルゴ・ヴァレンがクリスタルへの派兵を画策し、モンゴールでは、イシュト...
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