ふとした気づきふりかえりTrial&Error

経験値が引き継がれない悲しさ

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ふとした瞬間に自分の性格の特性が分かって、ハッとする。 私は「怒り」よりも「不安」を感じるタイプなんだなぁと。金曜の朝には、確かにそこにあった紙袋がなくなっていた。

夕方、帰宅してお手洗いに行ったとき、何か視界に違和感があるな、何だろう?と思ったら、あるべきものがなくなっていたからだ。 洗面化粧台の近くの壁面に衛生用品を入れて床の上に置いていたものだ。一瞬、自分がどこかに移動させたことを忘れたのかと不安になった。 でも自分は絶対に動かしていない。

お掃除のスタッフがゴミと勘違いして捨てた可能性が高いと気づくまでに少し時間がかかったが、結論としては、それしかないのだ。現在の住居は、清掃とゴミ捨て、ベッドメイキングなどが部屋代に含まれているので、助かる反面、こういうビックリすることも起こるのか、というのが正直な感想だ。

金曜の夜は、もう遅かったので、そのまま寝て、土曜の朝8時過ぎにルームサービスに電話をして、対応をお願いした。 「わかりました。でもお部屋に伺うのは10時になります」という返事だったので、「10時までなら待ちますよ」といって電話をおいた。 若そうな(しかも眠そうな)声のお兄さんだったな、私の英語で意味が通じてるかな、と不安を感じたが、実際に10時を過ぎても、ルームサービスの人は誰もこない。

やはりダメだったか、と思って、玄関を開けて廊下にでると、ちょうど、いつものルームサービスのお兄さんがいたので、助かった。「昨日、私の部屋のゴミを回収してくれた人って誰か分かるかな。実は、置いておいた紙袋が無くなってるの。たぶんゴミと間違えて持ってっちゃったんだと思う。あれ、ゴミじゃないから探して欲しいんだけど」 「分かりました。探してみます」

土曜は11時半に書店で待ち合わせしてランチに行く予定と、15時からはライティングのイベントだったから、そのお兄さんに依頼をして、すぐに外出し、晩御飯を食べて帰宅したのは21時近くになっていた。すると、ちゃんと紙袋が元の位置に戻っていたのである。 良かった、私の英語が通じていたわ、と安心した。

もしかしたら、これが問題じゃないかな、と思っていた点が、この事件で確信に変わった。

・業務の引継ぎがおろそか
・人材教育の不足
・トレーニング不足
・マニュアルがない(あるは担当者が実際にできるまで理解していない)

私の紙袋は、何か月も同じ場所に置いていたのだけれど、捨てられちゃったのは今回が初めてだったから、まさか、とは思ったけど、作業をする人によって品質がバラバラなのだ。ベッドメイキング、清掃、電話対応、フロント業務も全てサービス品質に個人差がある。

私は、日本のような快適さを求めてマニラに住んでいないので、むしろそういう日本では考えられないような違いが面白いと思うのだ。けれども、比較してみて初めて、日本が目に見えないサービスだったり、商品の品質に対するバラつきを厳しく管理して均質化することに注力して、顧客サービスの質を向上させていることが良く分かった。

その背景に、人が変わっても品質を落とさないようにするための工夫と努力をしていて、そのためのマニュアル作成だったり、引継ぎだったり、トレーニングがあったりするんだなと。

何のためにその仕事をしているのか、という自分で考えるための思考をしてもらうことも重要なんだろうなと思う。だって、今回、私の紙袋をゴミと間違えて捨てちゃった人は、申し訳ないけれど、何も考えてないと思われる。だって、あれ?ゴミかな?と思っても、中を見れば違うって分かるはずだし、迷ったならば、ほかのベテランスタッフに「これは捨てちゃってもいいのか」と確認をとるべきだろう。

そういうことができない仕組みが通常になっていること、ここに問題がある。
半年だけ契約して労働者をどんどん使い捨てできるしくみが根本原因だとも思う。目先の利益だけにとらわれず、本質を見極める努力をして中長期の視点を持つことがいかに重要か、この想定外の出来事から学べて良かった。

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