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ガリア戦記 書かれた理由と戦う理由

やってみよう
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平凡社のガリア戦記を読んでます。今回は、なぜガリア戦記が執筆される必要があったのか、という点と、他の方のブログ記事が興味深いものだったので、備忘記録として残しておきます。

真逆の評価

ガリア戦記の評価が、人によっては真逆になるんですね。驚きました。岩波を読んだ方は、全く楽しめなかったと言い、講談社を読んだ方は、手に汗を握って読んだそうです。

岩波

カエサルが書いた、ガリア遠征の記録です。何がつらいって、固有名詞が多すぎて何がどうなっているのかちんぷんかんぷんなのです。本の最初に地図がついていたのですが、それでも理解が追いつきませんでした。

僕が今後二度と読みたくない小説5選

岩波版を読んだ、こちらの方。。。かわいそうに。。。講談社版か、平凡社版を読んでいたら、印象は変わっていたかも。。。でも、私も同じようにちんぷんかんぷんだって感じたし、第1巻はムリヤリ読んでたから気持ちは痛いほど分かりました。

講談社

カエサルもかっこいいけど、ウェルキンゲトリクスもかっこいいです。ふと気付くと、どちらも応援しながら読んでいました。手に汗を握る展開です。第7巻だけは、続けて二度読んでしまいました。ウェルキンゲトリクスはwikipediaにも載っています。有名なんですね。ほかにも、百人隊長ペトロニウスの最期、敵将カムロゲヌスの最期、敵陣におけるクリトグナトゥスの演説など、第7巻は読みどころ満載です。

ガリア戦記 文庫で読む文学全集

講談社版を読んだこちらの方は大絶賛。カエサルの生の声を聴ける。7巻は2回も読んだと。このブログを先に読んでたら、私もきっと講談社版を買っちゃってたな。

ガリア戦記はなぜ作られた?

たぶん、ガリア戦記は、いきなり読み始めるんじゃなくて、少し当時の歴史を学んでからの方が十分に楽しめる感じです。私はあんまり予備知識なしに読み出して、第2巻まで読んだあとに、平凡社の巻末にある解説に書かれた視点を読んだのですが、これ、最初っから読めば良かったんだよな。

「ガリア戦記」には出てこないこれらの目的は、ガリア戦争自体を帝国主義的戦争とみなすか、それとも祖国の安全確保のための戦争とみなすかの分岐点である。

解説-『ガリア戦記』の歴史的背景 青柳正規(国立西洋美術館館長) ガリア戦記 (平凡社ライブラリー664) Kindle版 カエサル (著), 石垣 憲一 (翻訳)

あと、世界史の窓も、分かりやすくて理解の助けになりました。

カエサルは戦いの状況を元老院ローマの支持者に報告するため常に行動記録を口述して手紙にしていたので、それらを材料にしたのであろう。それを公刊した意図は、この遠征を不当なものだと非難する声が元老院などにあったのに対して、戦闘の困難さを訴え、勝利にはたした将軍としての働きを明らかにするという、いってしまえばカエサルの自己宣伝と自己弁護のためであった。そのため、カエサルにとって不都合なこと(例えばガリアの神殿の奉納物を略奪したとか、遠征で巨大な富を築いたとか)にはふれていない。しかし、その記述は正確で、戦闘の悲惨なありさまもかくさず記述している。客観性を持たせるためか、文章は一人称ではなく、“カエサルは…”という三人称で書かれている。そこにこの書の単なる自己宣伝にとどまらない、歴史の記述としての価値が認められている。

ガリア戦記(世界史の窓)

統治形態のちがい

なぜカエサルは戦う必要があったのか。当時のイタリア国内にどのような政治的な問題があって、近隣諸国との関係にどんな問題があったのか。多数の共同体を征服しながら、帝国としての統治ではなく、氏族社会の互酬原理が残る社会を存続させたのか。

このへん、個人的に気になってるところなんで、注意しながら読み進めたいと思ってます。

ギリシア・ローマの都市国家では、支配共同体(市民)の間に、集権的な国家に抗する氏族社会の互酬原理が強く残ったからである。そのため集権的な官僚的体制が作られなかった。また国家が管理しない市場経済が発展した。しかし、そのことはまた、彼らが、征服した共同体を農業共同体として再編するような専制国家の統治、あるいは、征服した多数の国家・共同体を組み込む帝国の統治ができなかったこととつながっている。

世界史の構造 (岩波現代文庫) 柄谷 行人 (著) 第二部 世界=帝国 第一章 国家

参考

  1. ガリア戦記 (岩波文庫) Kindle版 カエサル (著), 近山 金次 (著)
  2. ガリア戦記 Gaius Julius Caesar (講談社学術文庫) Kindle版 カエサル (著), 國原吉之助 (翻訳)
  3. ガリア戦記 (平凡社ライブラリー664) Kindle版 カエサル (著), 石垣 憲一 (翻訳)
金額出版年解説kindleサンプルで読める部分
岩波文庫946円1942年本文前に解説あり(専門的で難解)本文前の解説のみ(目次も読めない)
講談社学術文庫1001円1994年サンプルの範囲では解説が読めない(巻末に専門語略解と地図が入っているらしい)目次と1巻42節まで読める
平凡社ライブラリー1650円2015年各節の末尾、本文中の注釈あり(非常に親切)目次と1巻35節まで読める

ガリア戦記 がりあせんき De Bello Gallico
ローマの政治家カエサルの作品。紀元前58年から前50年までの、地方長官としてカエサルが遂行したガリア戦争の記録。全8巻。カエサル自身の筆は第1巻~第7巻(ウェルキンゲトリクスを破る前52年のアレシアの決戦まで)であり、第8巻は彼の部将ヒルティウスの手になる。ガリアでの戦いを客観的で冷静な筆で描くことによりローマの戦争の正当性を示し、政治家、将軍としての自らの立場、功業を明らかにしたもの。前1世紀のガリア人社会を知るための史料として重要。第一級の歴史書であるとともにラテン文学の傑作。

“ガリア戦記”, 日本大百科全書(ニッポニカ), JapanKnowledge, https://japanknowledge.com , (参照 2021-03-30)
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