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怪談牡丹灯篭 連続公演第3話 ふつうは絶対に聞けない裏話が聞けた

ふりかえり
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先月5月に初めてみたオンライン落語での柳家喬太郎師匠の怪談牡丹灯籠。今月第3話も見ちゃいました。私は臆病なので、ホラーとか怪談とか、怖い話はダメなんです。でも、今回は見て良かったな。というのも、最後の質問コーナーで制作秘話というか、ふつうは絶対に聞けない裏話が聞けたから。

文春落語オンライン 柳家喬太郎独演会Vol.16 怪談牡丹灯籠 連続口演第3話

6月5日(土)演題

演題
1.午後の保健室
仲入り(10分)
1.お露新三郎(お札はがし)
1.質問コーナー

「午後の保健室」は、短いけれど印象的な新作落語です。もう何年も前に、知り合いが落語を練習しているというので、聞かせてもらったら、めちゃくちゃ面白かったんですけど、それが「午後の保健室」でした。その時は、これが柳家喬太郎さんの作品だって知らなかったんですが、一度聞いたら忘れられない内容です。無意識のうちに自分が持っている固定観念に気づいてアハ体験ができるお話ですが、老若男女をひとりで演じ分けるという落語ならではの独特の面白さがありますね。

牡丹灯篭(お札はがし)

今回、私が視聴したのは、「お札はがし」の部分です。原作でいうと、6~14章にあたる部分かな。喬太郎さんの落語では、原作とは細かいところで設定を変えている部分もあるとのことですが、Wikipediaの解説を読むと大きな流れは忠実に再現されています。こちらの現代語解説(牡丹灯籠のあらすじー現代語で解説ー古典怪談❘怪談NEWS)も読みやすかったです。

圓朝の「怪談牡丹灯籠」の速記本は22個の章に分かれている。各章の概要は以下のとおり。

5.飯島平左衞門の妾・お国、平左衞門の留守中に隣家の息子・宮邊源次郎と密通。黒川孝助が見咎め、喧嘩になる。
6.死んだと聞いたお露が萩原新三郎の前に現れる。
7.相川新五兵衞が飯島平左衞門宅を訪れ、自分の娘・お徳と黒川孝助との養子縁組を持ちかける。
8.人相見の白翁堂勇斎が萩原新三郎宅を訪ね、死相が出ていると告げる。お露が幽霊であることがわかり、仏像とお札で幽霊封じをする。
9.宮邊源次郎とお国、邪魔な黒川孝助を消すため、一計を案じるが、失敗に終わる。
10.伴蔵と妻のお峰、百両で萩原新三郎の幽霊封じの仏像とお札を取り外してやる、と幽霊のお露に持ちかける。
11.飯島平左衞門の金百両が何者かに盗まれる。お国はこれを利用し、黒川孝助が疑われるように工作する。
12.伴蔵と妻のお峰、幽霊から百両を受け取り、萩原新三郎の身辺から仏像とお札を取り去る。(「お札はがし」)
13.飯島平左衞門の機転と計らいで黒川孝助の濡れ衣は晴れたが、孝助は平左衞門を間男の宮邊源次郎と間違えて刺してしまう。平左衞門は、自分が孝助の父の仇であることを告げ、孝助を相川家へ逃がす。(「孝助の槍」)
14.萩原新三郎死亡。

牡丹灯籠 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

来月7月は主人公が萩原新三郎から、伴蔵と妻のお峰に変わって物語が進みます。楽しみ!

いつから一人前?

今回の質問コーナーは濃かったなぁ。特に、心に響いたのは、IT業界で下積みをしている方からの「師匠は下積みが終わり、ご自身のことを一人前だと感じたことはありますか?」というご質問への喬太郎師匠の回答です。

ご自身が、前座から二つ目に昇段した直後に、ようやく一人前になったと高座で話して師匠に激怒されたエピソードから、落語家になって32年経った今でも自分に自信が持てないという告白まで。

今回の牡丹灯籠でも、浪人である萩原新三郎のセリフが、町人みたいになって、「失敗した!」と思ったけど、すぐに気を取り直してリカバリーした、という裏話を語ってくださって、ええっ?そうだったの?と驚きました。(後から、その部分を見直したら、確かにそう言われたらヘンかな?と思ったけど、1回目に見たときは、スルーしてました)

いつまでが下積みか分かんないけど、でも自分はもう下積みではないよな、一人前と名人は違うから、一人前って言ってもいいのかもしれないけど。。。という独り言のようなお話があった後に、質問された方への励ましがあり、うわわわ、ってなりました。

「一人前と感じる瞬間があるうちは、まだ一人前じゃないんじゃないですか。一緒にがんばりましょう」喬太郎師匠のこの言葉を聞いたとき、質問コーナーにお手紙を書く人の気持ちが初めて分かりました。プロフェッショナルとして、最善を尽くして努力する人の姿をみるのは、こんなに清々しい気持ちになるものなんですね。

参考

「文春落語」(2020年1月から文藝春秋がはじめた月例落語会)

“牡丹灯籠(ぼだんどうろう)” 三遊亭円朝 (えんちょう) 作の人情噺 (ばなし) 。怪談噺の代表作で、正称は『怪談牡丹灯籠』。1861年(文久1)から64年(元治1)、円朝23歳から26歳ごろの作。84年(明治17)速記本刊行。

“牡丹灯籠”, 日本大百科全書(ニッポニカ), JapanKnowledge, https://japanknowledge.com , (参照 2021-05-01)

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