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「21 LESSONS」第17章 信頼できる情報を得る二つの方法

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読書感想
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次回のABD読書会は、ハラリの「21LESSONS」です。私の担当パートは8章(宗教)、15章(無知)、17章(ポスト・トゥルース)なので、この3つについて、内容のまとめと感想を記録しておきます。まず、今回は第17章(ポスト・トゥルース)について整理しました。(8章(宗教)はこちらに書きました)(15章(無知)はこちらに書きました)

「21Lessons 21世紀の人類のための21の思考」ユヴァル・ノア・ハラリ (著)

ウソのない時代は存在しない

第17章では、「ポスト真実」という現象の具体的な事例と、対策として私たちができることの具体歴が示されています。フェイク・ニュースが話題になるけれど、そんなものは紀元前からあるし、人類がウソをつかなかった時代は存在しないのだから、その前提のもとで、私たちはどうすべきか、を考える必要がある、というのが著者の主張です。

In fact, humans have always lived in the age of post-truth. Homo sapiens is a post-truth species, whose power depends on creating and believing fictions. 実際、人間は常に「ポスト真実」の時代に生きてきた。ホモ・サピエンスは、フィクションを作成し、信じることに依存する「ポスト真実」の種族なのだ。

第15章 無知 「21Lessons 21世紀の人類のための21の思考」ユヴァル・ノア・ハラリ (著)

人類がついてきたウソ

歴史を見ると、人類がどんなウソをついて、何を行ってきたのかを知ることができます。

A cursory look at history reveals that propaganda and disinformation are nothing new, and even the habit of denying entire nations and creating fake countries has a long pedigree. In 1931 the Japanese army staged mock attacks on itself to justify its invasion of China, and then created the fake country of Manchukuo to legitimize its conquests. China itself has long denied that Tibet ever existed as an independent country. British settlement in Australia was justified by the legal doctrine of terra nullius (“nobody’s land” in Latin), which effectively erased fifty thousand years of Aboriginal history. 歴史をざっと見てみると、宣伝や偽情報は目新しいものではなく、国全体を否定し、偽の国を作る習慣でさえ長い歴史がある。 1931年、日本軍は中国への侵略を正当化するために模擬攻撃を行い、征服を正当化するために偽国の満州国を作った。中国は、チベットが独立国として存在していたことを長い間否定してきた。オーストラリアでのイギリス人の入植は、テラルヌリウス(ラテン語では「誰もいない土地」)の法理によって正当化され、5万年のアボリジニの歴史を事実上消滅させた。

第17章 ポスト・トゥルース 「21Lessons 21世紀の人類のための21の思考」ユヴァル・ノア・ハラリ (著)

宗教・企業もウソをつく

歴史上の事実だけでなく、宗教や営利企業についても、問題があることを指摘しています。例えばコカ・コーラは、どう考えても健康的な飲み物とは思えないのに、コマーシャルでは、健康な若い男女がスポーツで飲む健康に良さそうなジュースのイメージを拡散しています。そして私たちは、コカ・コーラのウソを知りつつも、受け入れているのです。

If you are a fundamentalist Christian, you are more likely to insist that every word of the Bible is literally true. あなたが原理主義のクリスチャンである場合、聖書のすべての言葉が文字通り真実であると主張する可能性が高くなる。

第17章 ポスト・トゥルース 「21Lessons 21世紀の人類のための21の思考」ユヴァル・ノア・ハラリ (著)

In addition to religions and ideologies, commercial firms also rely on fiction and fake news. 宗教やイデオロギーに加えて、営利企業はフィクションや偽のニュースにも依存している。

第17章 ポスト・トゥルース 「21Lessons 21世紀の人類のための21の思考」ユヴァル・ノア・ハラリ (著)

信頼できる情報を得る2つの方法

基本的に私たちの周囲にあふれている無料の情報は、私たちを知らないうちに洗脳しているのです。何を買うべきか、食べるべきか、飲むべきか。政治や娯楽も、すべての情報に様々なバイアスがかかっています。著者は、一人一人が意識的に情報源を検証する責任がある、と書いていますが、まったくその通りだと思いました。

信頼できる情報を得るためには、以下の2つの方法が有効になります。

1.有益な情報はお金で買う・・・高品質な食事と同じ
2.科学的な文献を読む・・・査読されたものは信頼できる

It is the responsibility of all of us to invest time and effort in uncovering our biases and in verifying our sources of information…Here I would like to offer two simple rules of thumb.
First, if you want reliable information, pay good money for it. 私たちの偏見を明らかにし、情報源を検証するために時間と労力を費やすことは、私たち全員の責任だ…ここで私は二つの簡単な経験則を提供したい。まず第一に、信頼できる情報が必要な場合は、それに対して対価を払おう。

第17章 ポスト・トゥルース 「21Lessons 21世紀の人類のための21の思考」ユヴァル・ノア・ハラリ (著)

もっとも意見です。でも、無料になれてしまっている人びとは、情報にお金を払いたがらないのです。実際のところ、私もそうでした。このハードルを越えるためには、何かしらのきっかけが必要になると思われます。

私は、尊敬する人の勧めで、ようやく今年からジャパンナレッジという有料オンライン辞書を使い始めました。キャンペーン価格だし、半年だけ試そう、という気持ちだったのですが、あまりの便利さに手放せなくなりそうなほど気に入っています。でも、この価値を万人が実感できるかは微妙だと思うんです。

In today’s world, information and attention are critical assets. It is crazy to give up your attention for free, and to get in exchange only low-quality information. If you are willing to pay for high-quality food, clothes, and cars—why aren’t you willing to pay for high- quality information? 今日の世界では、情報と注意が重要な資産だ。 あなたの注意を無料で放棄し、低品質の情報だけを交換するのはクレイジーだ。 質の高い食べ物、衣服、車にお金を払う気があるなら、なぜ質の高い情報にお金を払う気がないのか。

The second rule of thumb is that if some issue seems exceptionally important to you, make the effort to read the relevant scientific literature. 第二の経験則は、ある問題があなたにとって非常に重要であると思われる場合は、関連する科学文献を読む努力をすること

第17章 ポスト・トゥルース 「21Lessons 21世紀の人類のための21の思考」ユヴァル・ノア・ハラリ (著)

この例え(食べ物、衣服、車)は、直感に訴えてくるので秀逸です。一瞬、そうだよね、と思ってしまいます。でも、例えば古典文学のように、著作権が切れて無料で読めるけれど、高品質が保障されている情報もあります。見極めができれば、安かろう悪かろう、ばかりでもないよな、と。

でも、目利きじゃないと、食べ物も、服も、車も、安くて良いものを手に入れるのは難しいですよね。

用語

「ポスト真実」とは、「客観的事実より、感情や個人的信条へのアピールが世論の形成に影響力をもつ状況」(オックスフォード英語辞典)と定義される。2016年のイギリスのEU離脱決定やアメリカ大統領選挙の過程で、「ポスト真実の時代」「ポスト真実の政治」などの用語が頻繁に使われるようになり、一躍注目を集めた。16年のアメリカ大統領選挙で、根拠不明の主張を次々と展開して支持層を結集させたトランプ現象を分析する用語として使用頻度が急増し、定着したという。トランプ大統領がCNNなど大手メディアをフェイクニュース(偽ニュース)と罵倒し、根拠のない自らの主張を「もう一つの事実(オルタナ・ファクト)」という新造語で正当化したのも同じ文脈にある。

ポスト真実【2019】[世界政治【2019】]”, 現代用語の基礎知識, JapanKnowledge, https://japanknowledge.com , (参照 2020-09-11)

注意:英語版を読んでいるため、ここに書いた日本語訳はGoogle翻訳を私が手直ししたものです。日本語版の内容とは異なります。ご注意ください。

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