①なぜ規定(ルール)外のことをする人がいるのか、②その人たちの思考はどのようになっているのか、③それをどのように防止する方法があるのか、この3点について、具体的な事例から考えてみたいと思います。
なぜこれを考えるのか
この3点について考えたいと思ったのは、実際に困惑した事件があったことと、恐らく、今後も同じような事態は発生すると容易に想像できるため、対応策を自分のなかで決めておきたいからです。
実例としては、業務用プリンターの廃トナーカートリッジをどのように交換するか、という点で、私の想像を超える対応をされたので、「うーん。そうか。。。」と悩むことになったのでした。
問題のサンプル
私の理解では、廃トナーは、カートリッジを購入し、廃トナーが満タンになったら、カートリッジ交換を行う(空の新しいカートリッジをセットする)、これが通常の作業でした。
ところが、実際には、満タンになった廃トナーを取り出して、カートリッジを自分で空にして、再度プリンターにセットする、という作業が行われていました。
ご存じない方のために説明すると、業務用プリンターは、印刷する紙(A)と、トナー(紙に文字や絵を焼き付けるために必要な粉)(B)を何本か入れ、また使用したトナーを収納する箱(C)が内部に設置されています。
例えるなら、(B)は鉛筆、(C)は鉛筆削り器みたいなものかな。たくさん印刷すると(C)に、カスが残るので、定期的に捨てる必要があります。
ただし鉛筆の削りカスと違って、トナーには、廃棄規定があり、環境保護や人体への影響、廃棄処理時の安全性などの問題があるため、企業が正しくリサイクルを行う必要があるはずです。少なくとも日本では、各プリンターメーカーが回収をしています。
規定(ルール)外のことをする人
規定外のことができる人は、ある意味では、想像力と応用力がある人でしょう。決められた枠を超えて、異なる方法で、問題を解決しようとします。それは、一面では良い結果をもたらすかもしれません。しかし、中長期的の視点で考えた場合、あるいは視野を広げて、影響の範囲を俯瞰した場合に、どのような結果をもたらすのか、という点まで考えられたうえでの、行動でしょうか。
その人たちの思考
話を分かりやすくするために、実例で考えてみます。(直接本人にインタビューしたわけではなく、あくまで、私の想像です)
自分たちで満タンになった廃トナーの中身を捨て、空にしたボックスをセットすれば大丈夫だと考えた人たちは、廃トナーを、鉛筆削りの中にたまった、鉛筆の削りカスと同じだと考えたのでしょう。
ゴミ箱の中身がゴミでいっぱいで、ゴミが入らなくなったのだから、そのゴミを取り除けば、また使えるようになる。非常にシンプルですね。
問題はなにか
現代の私たちが暮らしている世界は、思うほどシンプルじゃない、ということが問題なのです。私たちは、さまざまなテクノロジーを使って、より快適な暮らしができるようになっていますが、地球上の資源を消費しています。
いろいろな場所で、たくさんの人たちが、見えない糸でつながって存在しています。私たちが自家用車や飛行機などをたくさん使うほど、二酸化炭素の排出量がふえ、温暖化が加速し、海面が上昇して、どこかの島が海に沈んだり、気候の変動で、多くの動植物が生存の危機にさらされる、というように。
でも、ほとんどの場合、私も含めて多くの個人は、そんなことを日常的に考えたりはしません。
防止する方法はあるか
だからこそ、企業や政府などが、ルールを作って運用する必要があるのではないでしょうか。でも、そうして作られたルールも、守られないと意味がないんですよね。
だから、防止するには守られるルールを作ることが大事になると思うのですが、そこは、ものすごく、設計が難しい気がします。罰金を科したり、罰則を厳しくするだけでは、人は抜け道を見つけます。それをしないことが、メリットにつながる方法を見つけられたら一番いいんですけど。
ゴミの回収とリサイクルに関する問題は、公衆衛生の問題も関わるし、社会全体の暮らしやすさ(安全性、環境保全、永続性など)にも、非常に大きな影響を持つため、発展途上の国では、もっとも優先的に取り組むべき課題じゃないかな、と改めて思いました。
このシステムを効果的に作り上げられたら、派生するさまざまな問題も、解決しやすくなるのだろうなって気がします。
個人的には、シンプルな思考で行動する人に、どのように対応すべきかについては、答えが出ていません。理解と共感を得るために相手を説得する能力がない人が、表面上の言葉だけで何かを訴えても、相手の行動変容を引き出せないでしょう。
あるいは、そんなに複雑な話じゃなくて、単純にお金で解決する問題だったりするのかもしれません。
**2020年3月16日にフィリピン政府からアナウンスがあって、マニラは3月17日(火)から4月12日(日)までEnhanced Community Quarantine (ECQ)を実施中だったが、4月7日(火)に4月30日(木)まで延長が決定。
マニラのECQあけまで、のこり5日!のはずだったが、5月15日(金)まで延長が決定した。(4月24日発表)
マニラのECQあけまで、のこり16日。