2冊目のブックカバー・チャレンジのための準備です。
個人が国と戦うとき
2冊目は、佐藤優さんの「獄中記」です。
この本は、外交官だった著者が、東京拘置所の中で書き記した62冊のノートが基になっています。日記であり、読書記録であり、弁護団や友人や後輩に宛てた手紙の内容を読者は知ることができます。
著者が、政治的な闘争に巻き込まれ、背任容疑で逮捕されたのは、いまから18年前の2002年5月14日(火)のことでした。512日を拘置所で過ごすなかで、学術書を含む250冊を読み、思索を深め、非日常の環境でバランスを保ち続ける佐藤さんの姿勢から、強靭な精神力を感じます。
国策捜査の標的になった個人は、国と裁判で戦うのです。ふつうの人は、あっという間に心と身体のバランスが崩れていくところを、なぜ佐藤さんは乗り越えられたのか。もしも自分が同じように、予期せぬ罠に落ちたら、どうしたらよいのか。国家とは何か。人間の幸福とは何か。働くとは何か。組織とは何か。宗教とは何か。人間は何のために生きているのか。読んだときに、いろいろなことを考えさせられました。
手元におく意味
私は、政治・経済も、歴史も、数学も、残念ながら悲しいほど不得意なまま、年齢を重ねましたが、それで生活していけるし、まったく問題ないでしょ、とある時期までは思っていました。
でも、より良く生きたい、精神的な強さが欲しい、という欲求はあって、その欲求をどう満たしたらいいのかを考えても、まったく答えが見つからなかったんです。
でも、佐藤さんの本を読んで、ああ、そうかと気づいたんです。
私には、教養レベルの系統だった基礎知識が身についていないから、しっかりと自分の頭で考えることも難しいと感じるし、疑問への答えも見つけられないのです。
そんなわけで、この本を読んでから、自分の苦手分野についても、少しづつ勉強する努力をするようになり、その気持ちを忘れないようにするため、手元に置いています。
7日分のリスト
1日目 内澤旬子「身体のいいなり」
2日目 佐藤優「獄中記」
3日目 梨木果歩
4日目 プラトン
5日目 ドネラ・H・メドウズ
6日目 森達也
7日目 アーシュラ・K・ルグィン
明日は、3日目の本について書きます。
**2020年3月16日にフィリピン政府からアナウンスがあって、マニラは3月17日(火)から4月12日(日)までEnhanced Community Quarantine (ECQ)を実施中だったが、4月7日(火)に4月30日(木)まで延長が決定。
マニラのECQあけまで、のこり5日!のはずだったが、5月15日(金)まで延長が決定した。(4月24日発表)
5月13日現在ECQ58日目。のこり3日。