同僚のロシア留学の背景が分かったもんざです。
キューバ人の同僚と雑談していた時に、彼はロシアの大学で勉強したのでロシア語が話せるし、配偶者がベトナム人なのでベトナム語も話せると知り、多才さに驚きました。
近現代史に弱い私は、なぜキューバからロシアへ留学するのか、同じ社会主義国家だから、遠くても特別なサポートが存在するのかな?とぼんやり考えていました。
しかし、そこには米国によるキューバへの経済制裁とラテンアメリカ諸国から孤立せざるを得なかったキューバの歴史があったことを今日の読書で知りました。
進捗報告
わたしが今月みなさんと共有するのは、こちらです。
「ラテンアメリカ500年」岩波現代文庫 清水透著 https://amzn.to/3KEhRg9
今回は「第16話 大弾圧の時代から民主化へ」から印象に残ったところを共有します。
ここでは、キューバ、グアテマラ、ペルー、チリ、メキシコなど、ラテンアメリカ各国が、米国による内政干渉で発生する内戦に苦しんだ1960年代から、その後の民主化への流れが解説されています。
実際に、1960年代にラテンアメリカ諸国を旅した経験を持つ著者は、米国が持つ「幻想領域」という発想が、ラテンアメリカ諸国に対する干渉を正当化していたことを指摘します。
著者は、そこに先住民社会があろうと、そこが他国の領土であろうと関係なく、本来そこはわれわれの領土だとする発想を「幻想領域」と命名しています。
米国はラテンアメリカ全域を自国の『裏庭』として扱い、社会主義政権の樹立を許さない姿勢を取り続けました。
特にキューバに対する経済制裁は厳しいものでした。
1959年に20年近く米国に支援されてきたバティスタ独裁がカストロによる革命勢力に倒されます。
すると米国は、1961年国交断絶、1962年全面禁輸措置、1964年にキューバ制裁決議を採択し、米国が自分たちの利権を守り続けようとしたため、ソビエト連邦がキューバ革命の支援に乗り出したわけです。
また、表面上は三権分立の制度があっても、必ずしも正常に機能しない問題についても読者に注意を促します。
引用「三権分立を基本とするはずの近代社会における法の裁きとは、権力から自律した司法による裁きであるはずです。しかし権力と癒着し官僚化した司法当局により、最終的に権力を擁護する裁定が下されることは、かならずしもラテンアメリカに限られたことではありません。三権分立ならぬ、三権癒着という現実の問題です」
章のまとめとして、日本がラテンアメリカ各国や米国と、どのような外交政策を行ってきたのか、読者の考えと意見を求めています。
引用「長期にわたる軍事独裁政権を支え、民主化の動きに事あるたびに介入してきた米国に対し、日本はどのような関係を維持してきたか。ラテンアメリカの民主化と米国の孤立化の動きを念頭に置いて、是非考えてみてください」
各国にそれぞれの思惑があり、自国あるいは自分個人の利益を最大化しようとした結果が連鎖して、歴史が動いていることが見えました。
同僚がロシアに留学したのも、こうした国際関係の中での選択だったのだと理解できました。
それぞれの国が持つ歴史的な背景を正しく理解したうえで、できるだけ敵を作らず、味方を増やす戦略が外交には求められる——多国籍な職場で働く中で、そのことをあらためて実感しています。
今日も読んでくださってありがとうございます。
明日もどうぞよろしくお願いします。
参加者(3名)
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共有予定の本
ヨーロッパによる「発見」以来,約500年にわたるラテンアメリカの歴史は,私たちに何を問いかけるのか.征服,植民地化,独立闘争,アメリカの「裏庭化」……,さながら「近代」そのものを象徴する歴史過程の中で,人々はいかに生きてきたのか.メキシコを主なフィールドとし,長年にわたり「発見」される側に寄り添う視点から考察を重ねてきた著者が,既成の歴史観に根底的な問い直しを促す講義録.
「ラテンアメリカ500年」岩波現代文庫 清水透著
20年間で10万人超に「自分らしく成功する方法」を教えながら、日本とマレーシアで8社を経営し、世界中で一流の知識を学び、楽しみながら累計100億円以上を売り上げ、600名以上の経営者が参加するコミュニティを主宰している著者が、無理せず、自然とモチベーションが上がり、周囲に応援されながら人生がうまくいく方法を、科学的なエビデンスと自身の事例をもって伝える1冊。
「1つの習慣」すばる舎 横山直宏著
◎陽転思考とは……物事が起こったときに、良いことも悪いことも一つの事実として受け入れ、その中から良い面を見つけ出す考え方。
◎悪いことがあってもそれを無視したり忘れようとするのではなく、事実を受け入れ、その中からポジティブな側面を探し出します。
著者は、ポジティブシンキングがうまくいかないと感じた経験から、この方法を提唱しています。
◎具体的には、ネガティブな感情を認識し、それを受け入れた上で「でも良かった」と思えることを探し出します。
例えば、失敗したときに「この経験から学べることがあった」と考えるようにします。
◎営業やビジネスの場面だけでなく、日常生活や人間関係にも応用できます。
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