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読書会までラスト5日–移民とデジタルノマド

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さて、今月、私がみなさんと共有したいのは、こちらです。 「帝国主義論」 (光文社古典新訳文庫) Kindle版 レーニン (著), 角田 安正 (翻訳) 

今回は第八章「資本主義に見られる寄生と腐敗」から、世界的な人口移動が発生した歴史的な事実をおさらいできる部分を共有します。

帝国主義の特徴は(中略)帝国主義諸国から流出する人間の減少と、低賃金に嫌気がさして遅れた国々から流入してくる人間(短期労働者と移民)の増大である。(中略)ドイツに流入してくる労働者の数は増加した。労働者の出身国は、オーストリア、イタリア、ロシアなどである。(中略)フランスでは、鉱業労働者のかなりの部分は、ポーランド人、イタリア人、スペイン人などの外国人労働者である。合衆国の場合、はなはだしく賃金水準の低い職は、東欧や南欧出身の移民が占めている。管理職に昇進して高給を取るような労働者の中では、アメリカ人労働者の比率が最も高い

第八章「資本主義に見られる寄生と腐敗」「帝国主義論」 (光文社古典新訳文庫) Kindle版 レーニン (著), 角田 安正 (翻訳) 

私が現在暮らしているフィリピンは、OFWs(Overseas Filipino Worker)と呼ばれるフィリピン人海外出稼ぎ労働者が2019年には216万人いました。(コロナ禍で2020年には約55万に減少)[1]

一方で、日本は外国人労働者を受け入れる側ですよね。2019年に日本政府は2024年までの5年間で最大34.5万人の外国人労働者を呼び込む政策方針を掲げています。
(ちなみに2017年の海外在留邦人は約135万人で日本の人口1.27憶人の1.06%)[2]

労働力の需要と供給バランスが帝国主義的な感じで発生する人口移動とは別に、デジタルノマドビザを発行して、お金を持っている人材を誘致しようという流れは、非常に現代的なもので面白いと感じました。[3]これは私の偏見かもしれませんが、日本政府や企業は、海外からの労働力を安価に確保するという意識が強そうですが、安全保障のためにデジタルノマドビザを発行する、という考え方も、今後は世界中で広がっていく気がします。[4]現在の日本では実施するには、地方の受け入れ態勢と、ワーケーション定着がカギになる、という意見もありました。[5]

今日も読んでくださってありがとうございます。
明日もどうぞよろしくお願いします。

(注)デジタルノマド:デジタル機器を利用して、住みたい場所へ移動しながら働く人たち。

参考

[1]20年の海外出稼ぎ労働者、30年ぶり低水準(NNA ASIA)

[2]外国人労働者の送出し国比較〜日本が魅力的でなくなる3つの理由と2つの対策(GLOBAL HR MAGAZINE)

[3]「デジタルノマドビザ」を新設、10月から申請受け付け開始(JETRO)これは2022年10月から南米コロンビアがデジタルノマドビザの申請を受け付ける、という情報。申請には、直近3カ月の収入が最低賃金3カ月分以上であることを示す銀行口座の残高証明が求められる。この記事によれば、コロンビアの2022年法定最低賃金は月額100万ペソ(約3万2,000円、1ペソ=約0.032円)。つまり日本人なら約10万円ほど預金残高が必要。コロンビアは危険な国という負のイメージが強かったが、徐々に改善が進んでいるのかもしれない。南米でのただ、Global Remote Work Indexのランキングを見る限り、コロンビアは発見できなかった。このインデックスを作っている民間企業の国が中欧リトアニアだからかな?

[4]日本の安全保障のためデジタルノマド・ビザの発給を(WirelessWire News)

[5]日本のデジタルノマドビザ導入の可能性は?(ソトグラシ)

もくじ

序文
フランス語版およびドイツ語版の序文
序章
第一章 生産の集中化と独占の出現
第二章 銀行とその新しい役割
第三章 金融資本と金融寡占制
第四章 資本輸出
第五章 世界の分割 独占団体相互間で
第六章 世界の分割 列強の間で
第七章 資本主義の特殊な段階としての帝国主義 
第八章 資本主義に見られる寄生と腐敗 ←今回はココ
第九章 帝国主義批判
第十章 帝国主義の歴史的位置
解説 角田安正 
年譜
訳者あとがき

用語解説

カウツキー【Karl Johann Kautsky】
[1854~1938]ドイツの社会主義者。社会民主党の「エルフルト綱領」を起草。マルクス主義理論を受け継いで修正主義者を批判したが、第一次大戦参戦支持などで徐々に中間派に移行し、ロシア革命に際してはこれを批判。ナチス政権後、亡命。著「農業問題」「エルフルト綱領解説」など。

“カウツキー【Karl Johann Kautsky】”, デジタル大辞泉, JapanKnowledge, (参照 2022-10-23)

レーニン【Vladimir Il’ich Lenin】
[1870~1924]ロシアの革命家・政治家。学生時代から革命運動に参加、流刑・亡命生活を経て、1917年、二月革命後帰国。ボリシェビキを率いて十月革命を成功させ、史上初の社会主義政権を樹立。人民委員会議長としてソビエト連邦の建設を指導した。また、マルクス主義を理論的に発展させ、その後の国際的革命運動に大きな影響を与えた。著「帝国主義論」「国家と革命」など。

“レーニン【Vladimir Il’ich Lenin】”, デジタル大辞泉, JapanKnowledge, (参照 2022-10-16)

マルクス‐しゅぎ【マルクス主義】
マルクスおよびエンゲルスによって確立された思想体系。弁証法的唯物論・史的唯物論・マルクス経済学・階級闘争論・社会主義の理論などからなる。資本主義の発展法則を解明して、生産力と生産関係の矛盾から社会主義へ移行するのは必然的な結果であるとし、その社会変革は労働者階級によって実現されると説く。マルキシズム。→科学的社会主義

“マルクス‐しゅぎ【マルクス主義】, デジタル大辞泉, JapanKnowledge, (参照 2022-10-16)

“かがくてき‐しゃかいしゅぎ【科学的社会主義】歴史・社会構造の科学的分析に基づいて、社会主義社会への移行は歴史的必然であると主張する、マルクス・エンゲルスの社会主義思想。→空想的社会主義

“かがくてき‐しゃかいしゅぎ【科学的社会主義】, デジタル大辞泉, JapanKnowledge, (参照 2022-10-16)

“くうそうてき‐しゃかいしゅぎ【空想的社会主義】《ドイツ utopischer Sozialismus》オーエン・サン=シモン・フーリエらの社会主義に、エンゲルスが与えた名称。科学的社会主義としてのマルクス主義に対するもので、資本主義のはらむ矛盾を直観的に指摘し未来社会の理想像を描いたが、歴史法則の科学的把握が足りず、その実現の方法を欠いた。ユートピア社会主義。→科学的社会主義

“くうそうてき‐しゃかいしゅぎ【空想的社会主義】, デジタル大辞泉, JapanKnowledge, (参照 2022-10-16)

ホブソンは,富の再配分をくふうすれば帝国主義を回避できると考えたが,ホブソンの資本輸出論とR.ヒルファディングの〈金融資本〉概念を採用したV.I.レーニンは《帝国主義論》(1916)において,帝国主義を資本主義経済の到達した最高の発展段階(独占段階)であるとし,社会主義に道を譲るほかないものと主張した。レーニンによれば,帝国主義の特徴は商品生産が少数の巨大独占企業に集中化され,あわせて銀行の集中も進行する点にあり,これは資本主義経済の生産の無政府性を薄めてその組織化を導くかにみえるが,この組織化傾向は一時的なものにとどまり,帝国主義列強は世界市場の再分割を武力に訴えて強行せざるをえず,これが資本主義経済の崩壊の必然性を示しているというのである。

“帝国主義論”, 世界大百科事典, JapanKnowledge (参照 2022-10-16)より、レーニンに関する部分を一部抜粋

帝国主義 imperialism 英語、impérialisme フランス語、Imperialismus ドイツ語

帝国主義ということばはきわめて多義的に用いられる。広義かつ一般的には、その語源がローマ皇帝の支配する皇帝国家(インペリウムimperium)に由来することからも明らかなように、政治的、経済的、軍事的、さらには文化的な権力・権威をもってする他民族の領土や国家への侵略と支配、を意味する。近代では19世紀初めナポレオンによる皇帝国家実現の企てに関連して用いられ、ついで1870年代後半イギリスの植民地帝国の拡大強化をめぐる論争のなかで、領土膨張主義ないし植民地主義をさす政治上の用語として普及した。しかし、その後、20世紀への転換期を挟んで帝国主義は、近代資本主義の自由競争段階から独占と金融資本が支配的となる独占段階への移行転化を背景に、列強資本主義諸国による世界市場支配と植民地獲得をめぐる経済上の対立と紛争に関連して用いられるのが一般的な傾向となった。

“帝国主義”, 日本大百科全書(ニッポニカ),JapanKnowledge (参照 2022-10-16)より一部抜粋

参加予定(3名)

  1. もんざ 「帝国主義論」 (光文社古典新訳文庫) Kindle版 レーニン (著), 角田 安正 (翻訳) 
  2. にしやまさん「ファンに愛され、売れ続ける秘訣」和田 裕美  (著), 佐藤 尚之 (監修) かんき出版
  3. よしざきさん「報道されない近現代史」元谷 外志雄 (著)産経新聞出版

共有予定の本

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自由主義から集中、独占へ、そして世界再分割としての列強間戦争の勃発――急速な発達を遂げ、帝国主義という新しい段階に到達した資本主義の実態を、産業界、金融界の動向から徹底的に分析。20世紀初頭の世界情勢を正確に描くことで、結果として今日のグローバル経済の矛盾、資本主義に忍び寄る危機を浮き彫りにした、レーニンの代表的論文。変貌を続ける資本主義をいまいちど理解するための必読書

<内容:アマゾン商品説明より>   「帝国主義論」 (光文社古典新訳文庫) Kindle版 レーニン (著), 角田 安正 (翻訳) 
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本書は、誰も報じなかった近現代史の闇の部分を、ソ連の崩壊により公表された資料と一九九〇年代後半になってアメリカが公開した当時のソ連の暗号を解読した情報「ベノナファイル」と、筆者が独自のアンテナ(海外友人情報ネットワーク)で知り得た情報をもとに、冷静かつ大胆に解析して白日のもとにさらしたもので、北朝鮮、中国、ロシア、アメリカと核保有国に包囲された今日の日本の国家的危機に際し、自ら守る力がなくては真の独立国とは言えないと、「憂国」の想いを込め執筆したものである。

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