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失敗の事例研究 望ましい組織とは

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Zoom読書会
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今月の読書会で、私は「失敗の本質」を参加者と共有したいので読み進めています。今回は、3章「失敗の教訓」から、どのような組織が望ましいのか、という結論を共有します。

1章 失敗の事例研究—6つの事例
 1 ノモンハン事件—作戦目的があいまい
 2 ミッドウェー作戦—不測の事態に瞬時に有効かつ適切な判断ができず
 3 ガダルカナル作戦—情報の貧困
 4 インパール作戦—しなくてもよかった作戦 
 5 レイテ海戦—自己認識の失敗 
 6 沖縄戦—認識のズレと意思の不統一 
2章 失敗の本質—6つの失敗に共通する組織的な欠陥(日本軍と米軍を比較) 
3章 失敗の教訓—現代の組織に活かす ←ここ

この章では、日本軍と米軍の組織がどのように異なっていたのかを比較しつつ、問題点が指摘され、私たちが組織づくりを考える場合に、考慮すべきポイントが提示されています。

学習棄却

組織のパフォーマンスは、戦略と結果が一致する場合に生まれ、その成果は組織文化を強化します。しかし、戦略と結果が一致しない場合には、新しい知識や行動様式に変革される必要があります。

そのためには、それまで持っていた知識や、行動様式を捨てる必要があります。これを学習棄却(unlearning)といいます。

結論から言えば、米軍は学習棄却ができたけれど、日本軍はそれができず失敗したのです。

自己革新

なぜ、日本軍という組織は、硬直化してしまったのでしょうか。その一因として、年功序列型で、米軍のような能力主義による人事昇進システムではなかったことがあります。

変化が少なく安定した状況であれば問題がなかったしくみも、状況が激しく変化し臨機応変な対応が求められる戦時下においては、有効に機能することができませんでした。

一つの組織が、環境に継続的に適応していくためには、組織は環境の変化に合わせて自らの戦略や組織を主体的に変革することができなければならない。こうした能力を持つ組織を「自己改革組織」という。日本軍という一つの巨大組織が失敗したのは、このような自己改革に失敗したからなのである。

「失敗の本質」戸部 良一 ほか (著) ダイアモンド社 3章 失敗の教訓

組織として適応力を失っていたことが、失敗要因のひとつです。

異端者を嫌った

また同調圧力が強く、異端や異論を排除する組織であったことも、失敗要因になります。米軍がもっていた以下の3つのシステムも日本軍には欠けていました。

  1. 人事教育システム(エリートの柔軟な思考を確保)
  2. 分権システム(すぐれた者の思い切った行動を可能にする)
  3. 強力な統合システム

およそイノベーション(革新)は、異質なヒト、情報、偶然を取り込むところに始まる。官僚制とは、あらゆる異端・偶然の要素を徹底的に排除した組織構造である。日本軍は異端者を嫌った。

「失敗の本質」戸部 良一 ほか (著) ダイアモンド社 3章 失敗の教訓

日本型組織の長所と短所

最後に書かれていた、日本型組織の長所と短所は、現代の企業でも見られる問題である、と指摘されています。日本軍と同様に、過去の成功体験を学習棄却(unlearning)することができず、イノベーションから取り残されている可能性があります。

長所戦略的短所組織的短所
下位組織の自律的な環境適応明確な戦略概念に乏しい集団間の統合の負荷が大きい
あいまい情報を上手に伝達急激な構造変化に適応できない意思決定に時間がかかる
組織末端の学習を活性化ブレイクスルーを生まない集団思考による異端の排除
組織の価値観で人々を動機づけ

非常に学びが多く、読みごたえのある本でした。学習棄却(unlearning)という概念は、これまで意識したことがなかったので、この学びを実生活でどのように取り入れていくのか工夫します。

今日も読んでくださってありがとうございます。
明日もどうぞよろしくお願いします。

参加者(4名)

3月読書会の参加者は4名の予定です。

  1. もんざ (主催者)「失敗の本質」戸部 良一 ほか (著) ダイアモンド社
  2. maruさん「クララとお日さま」カズオ イシグロ (著), 土屋 政雄 (翻訳)
  3. にしやまさん「コロナ後を生き抜く 通説に惑わされない投資と思考法」馬渕治好(著)金融財政事情研究会(刊)
  4. 小林さん「エッセンシャル思考 最少の時間で成果を最大にする」グレッグ・マキューン(著)かんき出版

共有予定の本

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