落語を見たので、内容について復習しておきます。知識がなくても、笑えるけど、少し知識があるともっと楽しめます。(文春落語オンライン 柳家喬太郎落語会「落語のらりくらり」Vol.3)
「文春落語」(2020年1月から文藝春秋がはじめた月例落語会)
5月2日(日)演題
1.家見舞 柳家喬太郎
1.紙切り 林家二楽、八楽
仲入り(10分)
1.野ざらし 柳家喬太郎
1.トーク 喬太郎・二楽
今回の見た二つの落語「家見舞」「野ざらし」ともに、サゲの意味が良く分からなかったので調べて、納得しました。古典芸能だけあって、百科事典にしっかり項目があって、解説されているのがうれしいです!また「東西落語散歩」のサイトでは50音順演目表があり、検索してすぐにお目当ての情報が見つけられたので助かりました。
家見舞
魚のコイがなんで面白いの?と思ったら江戸時代は糞尿(コエ)をコイとも呼んでいたということを初めて知って、ようやく納得。
竹さん 「おい、待ちな。あの瓶の水がどうかしたのか。おゃ、こりゃひでえ澱(おり)だ。今度(こんだ)遊びに来る時、鮒(フナ)、五、六匹持って来てくんねぇか。鮒は澱を食うというから瓶に入れるんだ」
東西落語散歩「家見舞い」(落語散歩253)
二人組 「なに、それにゃあ及ばねえ。今まで肥(鯉)が入ってました」
古典落語の演目のひとつ。「祝いの瓶」「家見舞」「新宅祝い」とも。
“こいがめ”, デジタル大辞泉プラス, JapanKnowledge, (参照 2021-05-09)
新築したり転居したりした家へ、縁者、知人などが祝いに行くこと。また、その時の贈り物。
*人情本・春色雪の梅〔1838~42頃か〕二・九回「ほんの庵見舞(イヘミメエ)の印といふばかりさ」
“いえ‐みまい[いへみまひ]【家見舞】”, 日本国語大辞典, JapanKnowledge, (参照 2021-05-09)
*落語・出刃包丁〔1898〕〈四代目柳亭左楽〉「此方へ世帯持って、陰ながら嬉しいから、家見舞(イヘミマヒ)に来た、と繰込んで行くのだ」
「こえ(肥)」の変化した語。
“こい【肥】”, 日本国語大辞典, JapanKnowledge, (参照 2021-05-09)
*随筆・金曾木〔1810〕「新吉原ては糞(コヒ)をとるといはず、恋をとるといふ言葉に通ふを忌みて、糞をあぐるといふもおかし」
*滑稽本・七偏人〔1857~63〕二・下「桶は揺れてドンブラコと翻(こぼ)れる糞(コヒ)を虚呂松は半身あびて」
日本語は、めちゃくちゃ変化していると思うのですが、それでも、まだ古典落語を現代の私たちが江戸時代の人たちと同じように楽しめるっていうのは面白いことですね。
野ざらし
こちらのサゲは、素性の分からないものを蔑んで「馬の骨」が登場したのかと思ったら、太鼓に馬の皮を張っていたところからきたものだとか。
落語。別名『手向 (たむけ) の酒』。上方 (かみがた) 落語では『骨 (こつ) 釣り』という。長屋に住む八五郎が、夜明けに隣に住む浪人尾形清十郎を訪れ、昨夜きた美女はだれかと尋ねるので、清十郎は向島 (むこうじま) へ釣りに行き、野ざらしの髑髏 (どくろ) に酒をかけて回向 (えこう) したため幽霊がお礼にきたのだと答える。それを聞いた八五郎は、美人の幽霊にきてもらいたいと向島へ行き、餌 (えさ) もつけない釣り竿 (ざお) を振り回して浮かれて騒ぎ、人骨があったので酒をかけ、自分の家を教えて帰る。これを傍らの屋形船の中で聞いた幇間 (ほうかん) が、夜、八五郎の家にやってきた。「おまえは何者だ」「新朝というたいこ(幇間 (たいこもち) )でげす」「なに、新町の太鼓? しまった、昼間のは馬の骨 (こつ) だった」。落ち(サゲ)の「馬の骨」は、太鼓に馬の皮を使ったところからきたもの。2代目林屋正蔵 (はやしやしょうぞう) の作というが、現行の演出は初代(実際は3代目)三遊亭円遊 (えんゆう) が改作した。2代目正蔵は禅僧あがりであるため、仏教色が濃い演目である。
“野ざらし”, 日本大百科全書(ニッポニカ), JapanKnowledge, (参照 2021-05-09)
こちらの解説(東西落語散歩)では、上方落語の「骨つり」の方が後半が愉快と書かれていました。そのうち「骨つり」も聴いてみたいです。
(1)素姓のわからない下賤の者をあざけっていう語。
“うま の 骨(ほね)”, 日本国語大辞典, JapanKnowledge, , (参照 2021-05-09)
(2)馬の骨の膏(あぶら)から製した粗悪品の蝋燭をいう。
古典落語の定義
古典落語って、いつのものを指すんだろう?と思ったら、江戸時代に作られたものを意味するんですね。いったい、どのくらいの数があるんだろう?落語東西散歩のサイトをみると700席紹介されているんで、それ以上あるってことですよね。
主に江戸時代に作られ、現代まで伝えられている落語。「時そば」「寿限無」「目黒のさんま」など。⇔新作落語。
“こてん‐らくご【古典落語】”, デジタル大辞泉, JapanKnowledge, (参照 2021-05-09)