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「未完の資本主義」第5章 コーエンは現代の民主主義に疑問を感じている

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4月の読書会(第117回ZOOMで読書会)で、私はこちらの本を共有する予定です。今回は、第5章タイラー・コーエン氏のお話から気になったところを共有します。

「未完の資本主義 テクノロジーが変える経済の形と未来」 (PHP新書) ポール・クルーグマン ほか(著))
[音声DL付]「英語で理解する 未完の資本主義」(アルク)大野 和基 (著)

反民主主義じゃないから民主主義

日本での知名度は高くありませんが、エコノミストが実施したアンケートで過去10年間で最も影響力のある経済学者の1人であるコーエン氏。彼も第1章で登場したクルーグマン氏と同様に、資本主義に変わるシステムはない、といいます。そして日本の最大問題は少子化で、それがイノベーションの誕生を阻害しているのだと。

彼の話で一番面白かったのは、民主主義についての部分ですね。

民主主義はかつてないほど強固だが、人々が単に愚かなことを求めているだけだと言うことはできます。つまり、人々がブレグジットに賛成票を投じたわけでしょう。それが民主主義だったのです。私はそう思いたくありませんが。しかし、それを反民主主義と呼ぶことはできません。
But one way to put it is: Democracy has never been stronger, it’s just that the people want to stupid things. I mean, Brexit, people coted for it, right? That was democracy. I disagree. But you can’t call it antidemocratic.

[音声DL付]「英語で理解する 未完の資本主義」(アルク)大野 和基 (著) 第5章タイラー・コーエン

この部分を聴いて、オルテガの「大衆の反逆」を思い出しちゃいました。

次回は、第6章を共有します。

今日も読んでくださってありがとうございます。
明日もどうぞよろしくお願いします。

もくじ

  • 第1章 ポール・クルーグマン(ノーベル賞経済学者)――我々は大きな分岐点の前に立っている 
  • 第2章 トーマス・フリードマン(『フラット化する世界』著者・NYタイムズコラムニスト)――「雇用の完新世」が終わり「人新世」がはじまる
  • 第3章 デヴィッド・グレーバー(文化人類学者・ウォール街占拠運動の理論的指導者)――職業の半分がなくなり、「どうでもいい仕事」が急増する 
  • 第4章 トーマス・セドラチェク(『善と悪の経済学』著者・チェコ共和国経済学者)――成長を追い求める経済学が世界を破壊する
  • 第5章 タイラー・コーエン(ジョージメイソン大学教授・経済学者)――テクノロジーは働く人の格差をますます広げていく ←いまココ
  • 第6章 ルトガー・ブレグマン(ジャーナリスト・歴史家)――ベーシックインカムと1日3時間労働が社会を救う
  • 第7章 V・M=ショーンベルガ―(オックスフォード大学教授・ビッグデータの第一人者)――「データ資本主義」が激変させる未来

Tyler Cowen is Holbert L. Harris Professor of Economics at George Mason University and also Director of the Mercatus Center. He received his Ph.d. in economics from Harvard University in 1987. His book The Great Stagnation: How America Ate the Low-Hanging Fruit of Modern History, Got Sick, and Will (Eventually) Feel Better was a New York Times best-seller. He was recently named in an Economist poll as one of the most influential economists of the last decade and several years ago Bloomberg BusinessWeek dubbed him “America’s Hottest Economist.” Foreign Policy magazine named him as one of its “Top 100 Global Thinkers” of 2011. His next book, about American business, is due out in 2019. He has blogged at Marginal Revolution every day for almost fifteen years.
タイラー・コーエンは、ジョージ・メイソン大学のホルバート・L・ハリス経済学教授であり、メルカトゥス・センターの所長。 彼は博士号を取得しました。 1987年にハーバード大学で経済学を専攻。彼の著書「大停滞」は、ニューヨークタイムズのベストセラーでした。 彼は最近、エコノミストの世論調査で、過去10年間で最も影響力のあるエコノミストの一人として指名され、数年前、ブルームバーグビジネスウィークは彼を「アメリカで最もホットなエコノミスト」と呼んだ。 フォーリンポリシー誌は彼を2011年の「トップ100グローバルシンカー」の1人に指名しました。彼の次のアメリカのビジネスに関する本は2019年に出版される予定です。彼はほぼ15年間毎日マージナルレボリューションでブログを書いています。

出典: タイラー・コーエンTyler Cowen公式サイト (参照 2021-04-15)

tyler cowen Twitter

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読書会の参加予定(3名)

  1. もんざ (主催者)「未完の資本主義 テクノロジーが変える経済の形と未来」 (PHP新書) ポール・クルーグマン ほか(著) 
  2. にしやまさん「英語独習法」 (岩波新書) 今井 むつみ  (著)  
  3. Cai Linさん「 Atomic Habits 」 James Clear 著  (ジェームズ・クリアー式 複利で伸びる1つの習慣 ジェームズ・クリアー (著)  ) 

共有予定の本

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