4月の読書会(第117回ZOOMで読書会)で、私はこちらの本を共有する予定です。今回は、第6章ルトガー・ブレグマン氏のお話から気になったところを共有します。
(「未完の資本主義 テクノロジーが変える経済の形と未来」 (PHP新書) ポール・クルーグマン ほか(著))
[音声DL付]「英語で理解する 未完の資本主義」(アルク)大野 和基 (著)
資本主義がずっと努力して求めてきたもの
オランダの歴史家、ジャーナリスト、作家であるブレグマン氏は2014年に出版されたUtopia for Realist(邦訳2017年「隷属なき道」)で一躍有名になります。15分間のTED講演も300万回以上再生されていました。
彼の哲学は「人生の意義」を考えることであり、そこから「ベーシックインカム」を肯定する論理が展開されます。インタビュアー大野さんは例によって「資本主義に代わるモデルはあると思うか」という質問をします。
事実、私はユニバーサル・ベーシックインカムは、つまり無条件のベーシックインカムは、資本主義のこの上ない成果になるだろうと考えています。自分の人生で何をするかを自ら決めるということこそ、資本主義がずっと努力して求めてきたもののはずです。そして私たちは今、そうすることができる状態にあります。Actually, I see the universal basic income or an unconditional basic income, it would be the crowning achievement of capitalism. It should have been what capitalism would have been striving for all along, because we can now afford to do it, you know.
[音声DL付]「英語で理解する 未完の資本主義」(アルク)大野 和基 (著) 第6章ルトガー・ブレグマン
ブレグマン氏は、既存のモデルを暴力的に覆すのは違う。でも、現在の資本主義モデルを超える必要はある、と答えています。それがユニバーサル・ベーシックインカムだ、ってことなんでしょうね。
次回は、第7章を共有します。
今日も読んでくださってありがとうございます。
明日もどうぞよろしくお願いします。
もくじ
- 第1章 ポール・クルーグマン(ノーベル賞経済学者)――我々は大きな分岐点の前に立っている
- 第2章 トーマス・フリードマン(『フラット化する世界』著者・NYタイムズコラムニスト)――「雇用の完新世」が終わり「人新世」がはじまる
- 第3章 デヴィッド・グレーバー(文化人類学者・ウォール街占拠運動の理論的指導者)――職業の半分がなくなり、「どうでもいい仕事」が急増する
- 第4章 トーマス・セドラチェク(『善と悪の経済学』著者・チェコ共和国経済学者)――成長を追い求める経済学が世界を破壊する
- 第5章 タイラー・コーエン(ジョージメイソン大学教授・経済学者)――テクノロジーは働く人の格差をますます広げていく
- 第6章 ルトガー・ブレグマン(ジャーナリスト・歴史家)――ベーシックインカムと1日3時間労働が社会を救う ←いまココ
- 第7章 V・M=ショーンベルガ―(オックスフォード大学教授・ビッグデータの第一人者)――「データ資本主義」が激変させる未来
Rutger C. Bregman (born 26 April 1988) is a Dutch popular historian and author. He has published four books on history, philosophy, and economics, including Utopia for Realists: How We Can Build the Ideal World, which has been translated into thirty-two languages. His work has been featured in The Washington Post, The Guardian and the BBC. He has been described by The Guardian as the “Dutch wunderkind of new ideas” and by TED Talks as “one of Europe’s most prominent young thinkers”. His TED Talk, “Poverty Isn’t a Lack of Character; It’s a Lack of Cash”, was chosen by TED curator Chris Anderson as one of the top ten of 2017.
出典: Rutger Bregman Wikipedia, the free encyclopedia (参照 2021-04-16)
ルトガー・ブレグマン(1988年4月26日生まれ)は、オランダの歴史研究家、作家です。 彼は、歴史、哲学、経済学に関する4冊の本を出版しています。その中には「隷属なき道」があり、32の言語に翻訳されています。 彼の作品は、ワシントンポスト、ガーディアン、BBCで取り上げられました。 彼はガーディアンによって「新しいアイデアのオランダの驚異」として、TEDトークによって「ヨーロッパで最も著名な若い思想家の1人」として説明されています。彼のTEDトーク「貧困は性格の欠如ではなく、現金の欠如」は、TEDのキュレーターであるクリスアンダーソンによって2017年のトップ10の1つに選ばれました。
「隷属なき道」 AIとの競争に勝つ ベーシックインカムと一日三時間労働 (文春e-book) ルトガー・ブレグマン (著), 野中香方子 (翻訳)
読書会の参加予定(4名)
- もんざ (主催者)「未完の資本主義 テクノロジーが変える経済の形と未来」 (PHP新書) ポール・クルーグマン ほか(著)
- にしやまさん「英語独習法」 (岩波新書) 今井 むつみ (著)
- Cai Linさん「 Atomic Habits 」 James Clear 著 (ジェームズ・クリアー式 複利で伸びる1つの習慣 ジェームズ・クリアー (著) )
- 小林さん「メンタルの強化書 」佐藤優 (著) クロスメディア・パブリッシング(インプレス)