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「未完の資本主義」第4章 セドラチェクは楽観的な感じ

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9. 読書会(勉強会)
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4月の読書会(第117回ZOOMで読書会)で、私はこちらの本を共有する予定です。今回は、第4章トーマス・セドラチェク氏のお話から気になったところを共有します。

「未完の資本主義 テクノロジーが変える経済の形と未来」 (PHP新書) ポール・クルーグマン ほか(著))
[音声DL付]「英語で理解する 未完の資本主義」(アルク)大野 和基 (著)

もう一度ゲームをしたいと思う社会

セドラチェク氏はチェコ共和国の経済学者です。かれの主張によると、問題は、資本主義というシステムにあるのではないそうです。人間の本性や精神を無視し、数字的なものばかりにフォーカスしているため、経済学は机上の空論になってしまうのだとか。

医学や心理学の要素を含めた例えは少し難しかったのですが、セドラチェク氏の英語は聴き取りやすく、論旨はシンプルです。インタビュアー大野氏の「理想的な資本主義とは?」という質問に対するセドラチェク氏の答えが印象的でした。

最も理想的な資本主義とは、購入して、とても気に入り、苦情を言ったり返品したりしない製品のようなものでしょう。(中略)あらゆる空想の世界で、私たちはこれまでに完ぺきな天国を、空想上ですら作れていないのです。私が思うに、最も理想的な資本主義とは、人々がもう一度ゲームをしたいと思うような社会でしょう。(中略)理想的な社会とは、人々が自分が望み、生きがいを見出すことができる仕事をしている社会でしょう。そしてそのような社会はますます実現可能になっていると思います 
A most ideal capitalism would be like a product that you buy, but you’re so happy with it that you don’t complain of returning it back…..And in all our fantasy, we’ve never managed to create even a fantasy of a perfect heaven. But to me, it would be a society where people want to play the game again……An ideal society would be people working the jobs that they like, that they find purpose in, and a society…And I think the society is becoming more and more possible.

[音声DL付]「英語で理解する 未完の資本主義」(アルク)大野 和基 (著) 第4章トーマス・セドラチェク

けっこう楽観的な感じです。私たちは、最良のものをずっと模索しているけど、たぶん公平な社会であることが最も望まれていることではないか、ってことですね。東洋経済オンラインに、セドラチェク氏のコラム記事もあるので、そちらも読んでみます。

次回は、第5章を共有します。

今日も読んでくださってありがとうございます。
明日もどうぞよろしくお願いします。

もくじ

  • 第1章 ポール・クルーグマン(ノーベル賞経済学者)――我々は大きな分岐点の前に立っている 
  • 第2章 トーマス・フリードマン(『フラット化する世界』著者・NYタイムズコラムニスト)――「雇用の完新世」が終わり「人新世」がはじまる
  • 第3章 デヴィッド・グレーバー(文化人類学者・ウォール街占拠運動の理論的指導者)――職業の半分がなくなり、「どうでもいい仕事」が急増する 
  • 第4章 トーマス・セドラチェク(『善と悪の経済学』著者・チェコ共和国経済学者)――成長を追い求める経済学が世界を破壊する←いまココ
  • 第5章 タイラー・コーエン(ジョージメイソン大学教授・経済学者)――テクノロジーは働く人の格差をますます広げていく
  • 第6章 ルトガー・ブレグマン(ジャーナリスト・歴史家)――ベーシックインカムと1日3時間労働が社会を救う
  • 第7章 V・M=ショーンベルガ―(オックスフォード大学教授・ビッグデータの第一人者)――「データ資本主義」が激変させる未来

トーマス・セドラチェク 1977年生まれ。チェコ共和国の経済学者。同国が運営する最大の商業銀行の一つであるCSOBで、マクロ経済担当のチーフストラテジストを務める。チェコ共和国国家経済会議の前メンバー。「ドイツ語圏最古の大学」と言われるプラハ・カレル大学在学中の24歳のときに、初代大統領ヴァーツラフ・ハヴェルの経済アドバイザーとなる。2006年には、イェール大学の学生らが発行している「イェール・エコノミック・レビュー」で注目株の経済学者5人のうちのひとりに選ばれた。『善と悪の経済学』はチェコでベストセラーとなり、刊行後すぐに15の言語に翻訳された。2012年にはドイツのベスト経済書賞(フランクフルト・ブックフェア)を受賞。

出典: トーマス・セドラチェク 東洋経済オンライン 著者ページ (参照 2021-04-14)
https://amzn.to/3tgMYRj

読書会の参加予定(3名)

  1. もんざ (主催者)「未完の資本主義 テクノロジーが変える経済の形と未来」 (PHP新書) ポール・クルーグマン ほか(著) 
  2. にしやまさん「英語独習法」 (岩波新書) 今井 むつみ  (著)  
  3. Cai Linさん「 Atomic Habits 」 James Clear 著  (ジェームズ・クリアー式 複利で伸びる1つの習慣 ジェームズ・クリアー (著)  ) 

共有予定の本

未完の資本主義 テクノロジーが変える経済の形と未来 (PHP新書) | ポール・クルーグマン, トーマス・フリードマン, デヴィッド・グレーバー, トーマス・セドラチェク, タイラー・コーエン, ルトガー・ブレグマン, ビクター・マイヤー=ショーンベルガー, 大野和基 | 国際ビジネス | Kindleストア | Amazon
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