コミュニティ検疫の期間が延長されました。
6月30日(火)まで、延長されるのですが、とりあえず、レストランやカフェ、電車やバスも座席を半分以下して運用することになっているようです。
感染者数、死者数とも、まだ減少傾向が見られないため、検疫延長を決定したのでしょう。私が居住している地域に限ってですが、体感としては、MECQに移行してから(5/16以降)、徐々に人や車が増え、いまは以前の半分程度ほどの交通量になっている気がします。
検疫体制の推移
こうして表にして、日本人的な思考から見ると、予定がコロコロ変わったりする見積もりの甘さや、行き当たりばったり感が可視化される気がします。
でも悪く言えば、行き当たりばったりですが、よく言えば、状況を見ながら柔軟に対応しているとも考えられます。
他国の状況と比べても感染者や死者が飛びぬけて多くなっているわけではないし、イタリアのような医療崩壊も起きていません。これだけ貧富の差が激しい発展途上国でありながら、未知のウイルスに対して善戦しているのではないでしょうか。
告知 | 検疫体制 | 開始 | 終予定 | 実際の終了 | |
3/6 | ECQ[1] | 3/17 | 4/12 | 5/15 | 原則外出不可/各地で移動制限 |
4/7 | ECQ | 4/30 | |||
4/24 | ECQ | 5/15 | |||
5/13 | MECQ[2] | 5/16 | 5/31 | 5/31 | |
5/16 | 一部規制緩和 | ショッピングモールの営業が開始 | |||
5/16 | GCQ[3] | 6/1 | 6/15 | ||
6/16 | 店内の飲食許可(30%以下で) | ||||
6/16 | GCQ | 6/30 |
今後の予測
ウイルスがいつ収束に向かうのかは、誰にも分かりません。
マニラ新聞の社説に、一家から一人でも感染者がでたら、保険に入っていてもカバーしきれない高額な医療費が請求され破産する、と書かれていました。
日本では国民皆保険や高額療養費制度、生活保護制度が機能しており、すべての国民が平等に人間らしい生活を営む権利が保障されています。
医療機関に安心して受診できること、その権利が貧富の差に関わらず保証されている社会であることが、結局のところ、公衆衛生上で中長期的なメリットがあるといえるのではないかと思います。
先進国であるはずのアメリカで、感染拡大が収まらないのは、結局のところ、貧富の差が激しい低福祉国家であることも一因ではないかと疑っています。
それはさておき、マニラでは、このパンデミックを契機にして、自転車の利用者が増えたようです。これは非常に喜ぶべきことでしょう。自動車優先の道路に自転車専用レーンも作られることが決まりました。
またオンライン診療のしくみも、活発化しているようです。
現在の状況を見る限り、今後もこの国の人口動態に大きな変化はないでしょう。
今回のことが、脆弱なインフラを見直して整備し、車中心の社会から脱皮して、貧富の差を解消するための取り組みを進めるための強力な契機になっていくことを望みます。
参考
[1]^ECQ: Enhanced Community Quarantine 強化されたコミュニティ隔離措置
[2]^MECQ: Modified Enhanced Community Quarantine 修正版コミュニティ隔離措置
[3]^GCQ: General Community Quarantine 一般的なコミュニティ隔離措置
雑談
6/16(火)近所のラーメン屋さんが、ついに店内で飲食できるようになっていた。二組の地元のお客さんがすでに食事中で会話を楽しんでいる様子が微笑ましい。私は、チャーシュー麺をたのんで、ちゃちゃっと食べてお店を後にしたけれど、ふつうに外食できるってことは、全然ふつうじゃなくて、とてもありがたいことだったんだな、って思いました。