私の幸福って、オートノミーを手に入れることなんだと分かったもんざです。
日経ビジネスオンラインで、ダン・アリエリーと富永朋信の対談を読みました。
(もとは日経クロストレンドで2月に5週にわたり連載されていたものを日経ビジネスオンラインに転載したもの)
これは、新刊の内容にからめた連載なのですが、お二人の対談内容に、かなり心惹かれたので、とりあえずkindleのサンプルをダウンロードしたところです。なぜ、オンラインではなく、書店で本を買うのか、ものを買う意味とは何か、なぜ長年使用した物には愛着が湧くのに、結婚した夫婦はそうならないのか、など面白い切り口で、行動経済学の考え方を示してもらえます。
個人的にもっとも響いたのは、「自分の意思で決定し、行動することが幸福感につながる」という話でした。
数年前に何かで読んだけど、すっかり忘れていた調査結果が引用されていて、その研究結果をオンラインで見つけられたのも良かったです。
『幸福感と自己決定―日本における実証研究』(西村和雄、八木匡)
PDFで32頁とコンパクトにまとまっていて、調査方法や具体的な結果部分は少し難しいものの、結論部分は読みやすいのです。2000人に調査した結果から導き出される幸福感についての日本人の傾向、面白いですよ。
自分の意思で決定することを、英語ではAutonomy(オートノミー/自主性)というのだ、とアリエリーは説明しているのですが、どうやら人の幸福感は、そこに強く左右されるらしいのです。
そういえば、子どものころ、親の言うことを聞かなければならず、自分に決定権がないことを不自由だと感じ、大学生になって、自分で好きな授業が選べる自由に感動し、社会人になったら、自由にお金が使える解放感に幸福を感じたことを思い出しました。
とはいえ、どの程度のレベルまで自分で意思決定をしたいのかは、個人差が大きいかも。
例えば、会社員で満足する人もいれば、経営者レベルで意思決定できないと満足できない人もいますよね。
私が残念だと感じるのは、自分で意思決定権を持っているのに、それを使おうとせず、思考停止してしまっている人がいること。
動物園に連れてこられた小象は、逃げ出さないように、最初は鎖に繋がれているのだけれど、そのうち、鎖を引きちぎることを諦めてしまう。
そうすると、鎖を外されても、もう逃げようとはしないのだとか。
思考停止している人は、どのような経緯で自分の意思決定権を放棄してしまったのか、そして、それがどれほど自分の幸福感に影響を及ぼしているのか、気づいていないのかもしれないなぁ。
Autonomyを育てる
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