うわー、日本にいるみたい!と思ったもんざです。
マニラ日本人医師会のお医者様と感染症専門医が講演するセミナーに参加する機会がありました。定員80名で90分のセミナーでしたが、受講者は、ほぼ全員日本人で、会場に向かうエレベーターも日本人だけで、日本語しか聞こえてきません。11月に日本に一時帰国して以来、こういう環境は久々だったので、まるで日本にいるみたいだな、と思ったわけです。
特にエレベーターのような密室だと、だいたい何を話しているのか分からない言語がいくつか聞こえてるなかにいるのが当たり前になっているので、他の人の会話が瞬時にすべて理解できる環境に入ると逆に情報量が多くなりすぎて、脳が混乱するのかもしれません。
英語や、タガログ語だと、ちょっとでも聞き取れて意味が分かると、どんな内容を話しているにしろ、なんか嬉しいんだけど、日本語だと、ちょっとしたノイズだと感じてしまうっていうのは、いったい、いまの私の脳のしくみって、どうなってるんでしょうか。。。
そっか!分からないほうが、考えなくていいから、脳力の消費量を抑えられるのかも!
さて、課題です。
わたしは、こちらを読んでいます。
(1)は22日のZOOM読書会用で、(2)は29日の純文学読書会用です。
(1)「やさしいダンテ 神曲」阿刀田高 (著)
「前にも説明したが、ダンテが冥界めぐりをした時期と<神曲>の実際の執筆時期にはずれがあり、この間の数年の出来事については、史実を知ったうえで日時をさかのぼり予言的に記すことができる。(中略)キリスト教徒にしてみれば、マホメットの召命このかたダンテの時代まで(その後も同じだが)イスラムとの抗争はヨーロッパとその周辺でとみに際立つ悩みの種だった。(中略)<神曲>はまちがいなくキリスト教的な世界観を貫く著述であり、このあたりが往時のヨーロッパ人の良識であったろう。」
「やさしいダンテ 神曲」阿刀田高 (著) (第五話 予言のからくり)
そういえばダンテの神曲は、イスラム圏では発禁書らしいのですが、イスラム教の聖職者を地獄で責め苦にあわせているような、この内容じゃ、仕方ないですね。個人的な恨みつらみとか、主義主張なども含めて、作家は自分の作品のなかで自由に表現することが可能です。そしてそれが高く評価され、何世紀にもわたって読み継がれ、世界各国に伝わると古典とよばれて、敷居が高く取っつきにくそうイメージになります。でも、実際に読んでみると、びっくりするほど過激な内容だったり、エロティックだったり、グロテスクだったりして、イメージとのギャップに驚かされるんですよね。
(2)Thinking, Fast and Slow (English Edition) Kindle版Daniel Kahneman (著)
” Speaking of Cognitive Ease <Let’s not dismiss their business plan just because the font makes it hard to read.><We must be inclined to believe it because it has been repeated so often, but let’s think it through again.>”
Thinking, Fast and Slow (English Edition) Kindle版Daniel Kahneman (著) (Part1. Two Systems Ch5. Cognitive Ease )
私たちの脳は、どうしてもラクをしたがる傾向があるようで、難しいこと複雑なことを避けようとします。そして何度も繰り返し同じ情報に触れるとそれが正しいかどうかは別として信じやすくなる傾向もあります。そういうしくみを理解しておくと、自分の失敗を予防することもできるし、その知識を悪用しようとする人の策略を見抜くこともできそう。
今日も読んでくださってありがとうございます。
また明日もよろしくお願いします。