「A Fortunate Man」(幸運な男)というデンマーク映画を見たので、その感想を記録します。
DIRECTER | TITLE | YEAR | GENRE | TIME | SCORE(IMDb) |
Bille August | A Fortunate Man | 2018 | Drama | 2:42 | 7.2 |
こちらはデンマークのノーベル文学賞受賞作家ヘンリク・ポントピダンが19世紀末から20世紀初頭に執筆した長編小説が原作です。
風力発電システムの構築を目指す若く貧しく超ハンサムなエンジニアである主人公シデニウスの野望と恋愛、経験なキリスト教徒である両親との確執などが描かれていました。
キリスト教(クリスチャン)とユダヤ教の対比、首都コペンハーゲンとデンマーク西部地方ユトランドの対比、貧富の差などを描きながら、幸運と幸福の違いを見るものに考えさせる物語です。
個人的に印象に残ったのは、作品のなかで使われた「幸運は愚か者を好む」(“Fortune favours the foolish.”)ということわざでした。この映画が描こうとしたところを集約すると、この一言になるのかもしれません。
この諺は、古代アテネの劇作家エウリピデスの言葉(“Fortune truly helps those who are of good judgment.”)が変化したのではないか、という説があるようです。実際は、諸説あるようで、誰の言葉なのか由来は明らかになっていないようですが、一度聴いたら忘れられないインパクトがありますね。
一般的な常識から考えるとハッピーエンドとは受け取れない終わり方でしょうが、観客に深く考えることを迫るラストシーンは余韻があるため、私は、この映画を観て良かったと自然に思うことができました。
イマイチだったところ
- 老年期の主人公の特殊メイクが雑(アップになる手が若い)
- 恋愛シーンの描き方が日本人からすると唐突な気がするが、文化が違うとそんなものか?
- 主人公が宗教的に葛藤しているのがイマイチ理解できない
良かったところ
- 主演俳優がハンサムなので、女性の観客は目の保養になるだろう
- 俳優の演技力は素晴らしい
- 建物や街並みなど時代を反映した演出に見ごたえがある(貧富の差)
- 話に深みがあり、いろいろと考えさせられる
Lykke-Per (2018) ⭐ 7.2 | Drama, Romance
2h 42m | TV-14