スマホとPCを買い替えたいけどスペック比較の項目に抜け漏れがある気がしてならないもんざです。
日本に帰国する機会に新しいのを買おうと思っているのですが、比べていると、どれも同じように見えてきて目眩がしてきます。
以前、迷ったら一番高いのを買うんだよ、というアドバイスを受けて、それができれば苦労しないんだよな、と苦笑しました。
なんか値段が高くても、自分の好み的にイマイチだったりすると、もうイヤになっちゃうし。
いまは、スマホ(Huawei)とノートパソコン(HP)、タブレット(iPad)を使っていて、特に不自由を感じないのも、買い替えに気が乗らない理由のひとつです。
でも、不自由を感じてからだと遅すぎることを学習したので、2年周期で買い替えると決めていたんですが、センスがなくて残念ながら楽しめていません。 これでもずいぶん苦手意識はなくなったつもりだったんですけどね。
さて、課題です。
わたしは、こちらを読みました。
■「強く生きるために読む古典」 (集英社新書) 岡敦 (著)
第8章はカフカ「城」のレビューです。
岡さんのレビューを読んでから、この作品だけは新たに何とか読み終えることができましたが、読んでいる途中ずっと、物語の結末が全く予測できず、読み終わった瞬間の衝撃も予想外で目眩がするような作品でした。
「安定した幸福な日常が送れるようになることは、普通、「挫折」とは呼ばない。しかし、そのために自分が絶対的に価値を認める事柄と手を切ってしまうならば、それは(他人の目には「成功」に見えたとしても)やはり本人にとっては「挫折」であり、避けるべき事態なのである」
引用「強く生きるために読む古典」 (集英社新書) 岡敦 (著)
「城」は一般的に官僚主義とか、全体主義に対する批判が描かれた作品として評価されているようですが、岡さんは、その視点とは異なるところに価値を見出してレビューしており、それは主人公「K」が「不屈のチャレンジャー」である、というものです。
自分が絶対的に価値を認めるものを求めて葛藤する主人公をカフカは描いたのだ、そういう岡さんの目線で、私も作品をとらえようとしてみたのです。
でも、どうも私は主人公の測量技師「K」に馴染めなかったんですよ。
たぶん複数登場する女性たち、酒場の女中たちや、不運に苦しむ姉妹に、無意識に感情移入してしまったせいかもしれません。
Kは確かに不屈のチャレンジャーかもしれないけれど、明らかに「城」の世界では別世界からやってきた異物なんです。
価値観の異なるもの同士の葛藤が何重にも積み重なっていくので、それを読者は俯瞰して「なぜ彼らは理解しあえないのか」と首を傾げている感じ。
この作品は、奇妙な感じで恋愛小説の要素も入っていて、読み手によって様々な解釈ができる気がします。
SFミステリー小説みたいなんですよね。カフカが執筆を途中で断念して焼却処分を依頼していたものを、友人が出版した作品だということを知ると、カフカが断念せずに完成させていたら、どんな結末になっていたんだろう、と気になって仕方がありません。
今日も読んでくださって、ありがとうございます。
明日もよろしくお願いします。