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バギオ2泊3日バス旅行 その六:電車を諦めた帰り道 

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3月4日(月)AM5:30 起床

帰りのバスは朝7時半の発車予定。2回の朝食バイキング付きの宿泊だったのだが、日曜は花祭りパレードを見学するためにAM6時半~10時の指定時間にレストランへ行けなかった。使わないのももったいないし、どんなメニューなのか、気になるので6時半に行って、軽く食べることに。それまでに荷物を整えて出発準備は万端。

パンケーキが美味しかった。コーヒーは予想どおりNG(笑)

屋上のレストランは、周囲の街並みを眺めつつ、ゆったりと朝食を楽しむ人たちがすでに何組もいたので、6時半からじゃなくてもOKだったのかも。ラインナップを見て、パンケーキ1枚とサラダ、スクランブルエッグとコーヒーを少々というメニューする。ほかにも美味しそうなものはあったが、帰り道も6時間はバスに乗る覚悟が必要だし、山道を揺られるから満腹にするのは危険なのでおとなしく我慢する 。朝の風がひんやり爽やかで朝焼けを楽しみながらも10分で朝食は完了。

AM6:45 保証金500ペソ

フロントでチェックアウト。忘れずにチェックイン時に預けた保証金の500ペソを受け取る。室内やエレベーターホールに「ホテルからのおねがい」をいくつか見かけた。室内のものは、タオルやシーツに洗濯しても落ちない汚れをつけると買取ですよ、という内容だったので、おそらくチェックアウト時に保証金から代金を差っ引かれる人もいるのかもしれない。

AM7:10 朝からズンバ!

ホテルからバスターミナルまでは徒歩10分ほど距離だ。でもホテルからは、いったん道を上ってから、また下りていく経路になるから、体感だと、もっと遠くに感じる。重い荷物を持っていると、なおさらだ。バギオは坂の街だ。道は上っているか、下っているか。平らなところは、あんまりない。昨日、観光しているとき、歩道を歩いている目や足の不自由な人を何人か見かけて、危なくないのかな?と少し心配になった。障害を持っている人やお年寄りが散策するには、負荷がかかりそうな街である。ここで暮らす人たちは足腰が鍛えられて健康になるのかもしれない。お祭りのため、バスターミナルへ続く道の途中が封鎖され中央に仮設ステージが作られていた。歩いている途中、ものすごい大音量で音楽が鳴っている、なんだろう、と思ったら、このステージ前でズンバレッスン中だった。黒髪で小柄な女性トレーナーさんはステージ上で満面の笑みで軽々と踊っている。ステージのしたでは、恰幅のよい女性たち30人くらいが真剣な面持ちで彼女の動きをトレースしている。時間があったら、私も一緒に踊りたかった。残念。

AM7:20 朝のバスターミナル

AM7:20 朝のバスターミナルに到着し、無事に乗車してホッと一安心。帰りの車内で本を読んだり、旅行記をまとめたり、4時間を有効に使うぞ!と思っていたのも束の間、耐えがたい睡魔に襲われ、2時間ほど爆睡。しかし尿意を催して目を覚ます。休憩で停車したら、トイレに行こう、と思っていたのに、帰りのバスもノンストップだった。前方に座っている年配のお姉様たちが何度か車内の後方に行く様子が見られたので車内にトイレがあるようだったが、面倒なのでいいや、と我慢していたら、クバオのバスターミナルに到着していた。帰りもやっぱり4時間程度。ジェネシスバスの利用方法は、これでバッチリ。

クバオのバスターミナルから、首都圏鉄道MRTクバオ駅まで10分程度歩いて、それから電車に乗ろうと考えていた。電車に乗れば2駅5分の距離で、自宅の最寄駅Ortigasに着く。そこから自宅まで徒歩15分。私の予定では、スムーズにいけば30分程度で自宅に到着してるはずだった。しかし、なぜかMRTクバオ駅で入場制限に引っかかってしまったのだ。巨大なバックパックを背負っていたのがまずかったのかもしれない。警備員らしき女性が、ここへ並んで待てというような指示をタガログ語で出したと思う。私の前にいた数名の乗客から、そこに並ばせられ、私もそのあとに続いた。順番に手荷物検査をするんだろうな、と思ったら、並ばせるだけで、ぜんぜん何もしようとしない。なんだ、これ?行列はどんどん伸びていく。何人かの人は手荷物検査を受けて、駅構内に入っていくけれど、入ってOKの人と並ばされる人の基準が全く不明。10分くらい待っていたけれど、重い荷物を持って暑い場所に訳も分からず立っている状態に痺れが切れた。こりゃ、だめだと諦めて、grabでタクシーをつかまえることにした。分かりやすいように、駅の近くのホテル前の日陰でgrabアプリを使ってタクシーを探したけれど、なかなか捕まらない。平日のお昼なのに?場所が悪いのかな?と思っていたら、ようやく一台反応があり、ほっと安心したのもつかの間で、待てども来ない。アプリの地図上でタクシーは同じ場所を行ったり来たりして、まったく近づいてくる様子がない。この場所では、つかまらないんだ、と諦めてそのタクシーをキャンセルした。もう一駅分くらい歩いて、そこでgrabを使えばいけるんじゃないか?と思って、自宅方向に向けて歩き始めた。しかし、マニラの13時は暑かった。バックパックが重い。きついなー、と思っていると、一台のタクシーが寄ってきて、乗れ、という。本当はこういう流しのタクシーは絶対に乗っちゃだめ、といわれていたのに、運転手さんの親切そうな言葉と笑顔と自分の疲労に負けて乗ってしまった。

そして交渉

運転手「どこに行ってきたの?」
わたし「バギオの花祭りに行ってきました。友達が住んでるんで」
運転手「あなたは何人?」
わたし「何人だと思います?」
運転手「チャイナ?コリア?」
わたし「ジャパニーズです」
など、中国系と思われる50~60代の運転手さんとお決まりの世間話をしつつ、車内を見回すと、だんだんと不安が募ってくる。エアコンは効かないし、メーターは変な数字で止まっているし、ほころびて薄汚れているシートは、この車の持ち主が明らかに金銭にゆとりがないことを示している。Googleマップで自分の位置を確認しつつ、ショッピングモールなど自宅以外の場所で降ろしてもらう作戦に変更した。
わたし「あの、メーターが700で止まってるみたいだけど?」
運転手「だいじょうぶ。これが上限ってことだから」
わたし「え?よく分からない。わたしは700じゃないでしょ」
運転手「だいじょうぶ」
わたし「この先のショッピングモール近くで降ろしてください」
運転手「OK。500phpです」
わたし「冗談でしょ?相場よりずいぶん高い。わたしは乗る前にレートを確認してる。200phpでも多すぎるでしょ」
そう言って200php札を1枚運転手さんに渡し、何とか無事に車から降りることができた。そこから歩いて10分ようやく自宅に到着し、キア先生に自宅到着の連絡をして、私はバギオ2泊3日バス旅行を無事に達成したのだった。

反省&学習

一番の反省点は、最後に白タクに乗っちゃったこと。運転手さんが悪い人じゃなかったから良かったが、もっと注意をしなければ。今後、同様の失敗をしないためには、休息をとることを忘れないようにする。疲れると判断力が鈍る。あれ、当初の作戦どおりに行かないぞ、と思ったら状況を甘く見ずに、カフェやファーストフードに入るなりして、水分補給と休養をとって、作戦を立て直すようにする。ちょっとの時間とお金を惜しんで、痛い目をみることのないように。せっかくの楽しかった旅の思い出が、最後に台無しにならないようにしよう。
とはいえ、白タクでちゃんと交渉できたことは、かなりの自信がついた。一人旅の醍醐味は、この達成感とレベルアップ感なんだ。たいして難しいことやってるわけじゃなくても、めちゃくちゃ疲れるし、面倒なんだけど、だから、止められない。

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