1年間有効なワーキングビザを発行してもらうことができたので、ようやく銀行口座を作ることができるようになった。これでお給料を現金でもらうこともなくなるのかと思うと少し寂しい気もする。
でも、フィリピンでは一ヶ月に2回お給料日を設定しなきゃいけない仕組みになっているので、いちいち現金を用意していたら経理担当者の業務が煩雑だ。
日本も、確か昭和初期はお給料は現金払いだったはず。いつ頃から日本ではお給料が振込になったのか、今度すこし調べてみよう。お給料日は一ヶ月に1回、すべて銀行振り込みというにしてしまえば合理的なのに、というのは簡単だけれど、そうできない土台がこの国にはあるらしい。ここでも問題になるのはネット環境などのインフラ整備の遅れなのかも。「宵越しの金は持たねぇ」という江戸っ子みたいな気性のせいで、支払を2回に分けていると聞いたが、本当かどうかは自分で体感していないので不明だ。自分自身の将来についてもビジョンが描けず、国や自治体など公的な枠組みにも不安感を持っている場合は、刹那的な考え方をしやすくなる気がする。でも、おそらくあと5年もしないうちに、日本が変わったようにフィリピンも変わるだろう。
一人で口座開設の手続きに行くのが不安だったので、先輩に付き添ってもらい、とりあえず申請書類をもらいに行った。 申請書類を作成し、上司にもその書類にサインしてもらって、 パスポートとACRカード、証明写真(2.5×2.5 cm、 one by oneサイズというらしい)を用意して再度銀行の窓口へ行ったら、なんと窓口のお姉さんがスナック菓子を食べながらデータ入力をしている様子。ああ、こういうのもOKなんだな、と不思議な気持ちになる。絶対に日本の銀行では見ることのできない風景だ。もしも日本で銀行員のお姉さんが同じことをやっていたら、あっという間にクビになるか、裏方に回されるだろうなぁ。このあたりは文化の違いなのか、個人の差なのか、イマイチ分からなかったんだけれど、付き添ってくれた先輩も、銀行のほかの人たちも「スナック菓子を食べながら銀行の窓口で働く彼女」に対して全く違和感なく、何事もないかのように平然としているので、たぶん文化として許容されているのだと思う。
こういう機会があると、文化を比較しやすいのでとても面白い。どれくらいの暗黙のルールが日本の社会に潜んでいるのか。マニラにいると、これからも、どんどん見つけられそうな気がする。