分割してみると、思ったほどは難しくないように思われたもんざです。
今月の純文学読書会ではユルスナールの「ハドリアヌス帝の回想」を取り上げました。
先月の池袋読書会で「無人島に持って行くなら、この一冊!」と出口治明さんが著書に記されており、それはぜひ読んでみたいな、ということで、ピックアップしています。
◎ハドリアヌス帝の回想
マルグリット・ユルスナール (著), 多田 智満子 (翻訳)
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ローマ五賢帝の一人と称される皇帝ハドリアヌスが日記のように書き記した体裁ですが、フランスを代表する女性作家マルグリット・ユルスナールが史実を丹念に調べ、二十代の頃から推敲を繰り返し、四十代後半で完成させた作品です。
私は、まず漫画「テルマエ・ロマエ」を読むところからスタートしました(笑)
偉人の伝記のような本は、説教くさいイメージがあり、あまり食指が動かないのです。
この本は全く、そのような心配は不要でしたが、でも、紀元二世紀の雰囲気や、皇帝を取り巻く人々の名前を予備知識として楽しくインプットする戦略は大成功でした。
◎(副読本)テルマエ・ロマエ (6 冊) Kindle版
ヤマザキ マリ (Author)
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それでも、やはり、何か工夫が必要だな、と考えて、Googleスプレッドシートに、気になる一文を抜き出してみました。
こうして書き出してみると、この作品の奥深さがリアルに実感できました。
分かった気になんて、全然させてもらえないのに、なんだか共感できるところがあり、同じ文章を何度読んでも、自分の状況によって異なる側面を見つけることになる不思議な作品です。
さて、課題です。
皇帝ハドリアヌスは、心臓水腫という病気で52歳で亡くなるのですが、病が進行している状態を描写する一文があります。
「これまで一生を通じてわたしは自分のからだと仲よくしてきた。からだの従順さと力とを暗々裡に当てにしてきた。この緊密な同盟が解体しはじめたのだ。わたしの肉体は、わたしの意志、精神、そして無器用にも魂とよばざるをえないあのものと、一体であることをやめつつあった。かつてのものわかりのいい仲間が、もはやしぶしぶ仕事をする奴隷にすぎなくなったのだ」(P.260)
これを読んだときに、「ああ、私もそう思ったことがある!」と共感しました。
私の場合は病気じゃなくて、たんなる風邪とか睡眠不足ですけれど、頭と身体って、繋がっているようで、繋がっていなかったりするんですよね。だから、ちゃんと身体の声も聴かなきゃいけない。
課題図書にも、死に至る病を発症していなくても、ストレス、不安、うつ、ホルモンバランスの変化、加齢など、さまざまな理由でハドリアヌスと同様な感覚に囚われる人々がいることが描かれています。
自分の肉体が、何らかの理由でコントロールを失いつつある、と早い段階で気づいたら、もちろん医師の診断を受けるべきですが、何かしら心拍数を上げる運動を継続的に行ってみる、というのも、一案のようです。まぁ、そうなる前に日常的に運動する習慣を作り上げておくことが健康への一番の近道でしょうけれど。
■参加者■2018/02/07現在
1.もんざ
2.りんさん
3.にしやまさん
4.けえわんDオビワンKさん
5.たぬたぬさん☆
6.小林さん☆
7.たろうさん
8.よしざきさん
(☆は初参加)
今日も読んでくださってありがとうございます。
また明日もよろしくお願いいたします。