第128回のZOOM読書会まで、あと12日。屈託がなくて、強い彼らを見習いたいなと思ったもんざです。週末に、時々行くベーカリーカフェで、出入り口の脇にある窓際の席に座っていました。
突然、入り口のガラス戸からにゅっと子どもの手が差し出されて、ギョッとして外を見ると小学2-3年生くらいの男の子が食べ物か水をくれ、という仕草をします。どうしたもんかな、と思って店員さんに尋ねたら、首を横に振って「この子達、毎日来るのよ」と。
よく見ると、靴も履いてるし身なりはそこまで悪くない。店員さんが「あんたたちいい加減にしなさいよ」(たぶんそんな感じだと思う)と話したら、男の子たちは私からたかるのを諦めてくれました。立ち去る時に、私を見てニッコリ笑って手を振っていく姿が可愛くて、思わず私も手を振り返してしまいました。なんだかグダグダと細かいことを考えて悩む自分がバカみたいに思えた出来事です。
強力な「枠」
さて、今月、私がご紹介する予定の「タテ社会の人間関係」ですが、著者の中根さんは「資格」と「場」のどちらを優先しているかをチェックすることで、社会構造を分析できるといいます。
- 日本人=場(会社や学校という枠)
- インド人=資格
- 中国・ヨーロッパ=中間(でもインドに近い)
具体的には、日本人は個人の資格よりも会社や学校という枠が大きな役割を持つ社会と言えます。一方、インドはカースト制なので、個人の資格(身分)が重要視されます。どちらが良い、悪いという話ではなくて、そういう状態を中根さんは観察した、ということです。
エコノミストで「会社、それともカルト?」という面白い記事がありました。カルト宗教っぽい企業ってあるよね?あなたの会社は大丈夫?みたいな冗談めかした内容で笑えました。でも「場」を優先する社会構造を持つ日本人からすると、記事が「やばいよ」と指摘する意味が分かんなかったりもします。だって日本だと「ウチ」と「ソト」を区別するために工夫をするのが当たり前だから。
同質性を有せざる者が場によって集団を構成する場合は、その原初形態は単なる群れであり、寄り合い世帯で、それ自体社会集団校正の要件をもたないものである。これが社会集団となるためには、強力な恒久的な枠を必要とする。(中略)一つはこの枠内の成員に一体感をもたせる働きかけであり、もう一つは集団内の個々人を結ぶ内部組織を生成させ、それを強化することである
2.「場」による集団の特性 「タテ社会の人間関係 単一社会の理論」(講談社現代新書) 中根千枝 (著)
これは、会社みたいな狭い枠を想定した議論になってるけど、国という枠まで広げるとナショナリズムの話にも繋がっていきそう。面白いですね。
今日も読んでくださってありがとうございます。
明日もどうぞよろしくお願いします。
参加者(3名)
- もんざ (主催者) 「タテ社会の人間関係 単一社会の理論」(講談社現代新書) 中根千枝 (著)
- Yoko3さん(紹介本を検討中)
- にしやまさん「おいしいニッポン 投資のプロが読む2040年のビジネス」 (日本経済新聞出版) 藤野英人 (著)
共有予定の本
日本社会の人間関係は、個人主義・契約精神の根づいた欧米とは、大きな相違をみせている。「場」を強調し「ウチ」「ソト」を強く意識する日本的社会構造にはどのような条件が考えられるか。「単一社会の理論」によりその本質をとらえロングセラーを続ける。(講談社現代新書)
<内容:アマゾン商品説明より> 「タテ社会の人間関係 単一社会の理論」(講談社現代新書) 中根千枝 (著)
問題山積だからこそ、日本にはチャンスがいっぱい!さらば悲観論。20年後に明るい未来を迎えるための必読書。ロングセラー『投資家が「お金」より大切にしていること』の著者であり、「ひふみ投信」で有名なカリスマ投資家が説く、2040年のメガトレンドと成長ビジネス。
<内容:アマゾン商品説明より> 「おいしいニッポン 投資のプロが読む2040年のビジネス」 (日本経済新聞出版) 藤野英人 (著)