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読書会まで9日/黒いユーモア派

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9. 読書会(勉強会)
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なにが理由だったかな、と思うもんざです。

フィリピンに初めて来たのが2018年11月。

いつの間にか、7年目になりました。

私がフィリピンに来ることに決めた理由をふりかえると、結論としては複合要因なのです。

あのときは変化を求めていて、なんとなく時期が来た感じだったのだと思います。

自分で決めて行動したつもりですが、いま振り返ると、なぜか他人事みたいに感じますね。

進捗報告

わたしが今月みなさんと共有するのは、こちらです。

「スローターハウス5 」(ハヤカワ文庫 SF 302)カート・ヴォネガット・ジュニア (著), 和田 誠 (イラスト), 伊藤典夫 (翻訳) https://amzn.to/3JG7590

この作品は1969年に出版されていますが、60年代に米国で活躍した作家たちには「黒いユーモア派」というラベルが貼られていたそうです。

60年代の米国といえば、ベトナム戦争の長期化や人種問題の深刻化が問題になっていたころです。

訳者の伊藤氏は、そうした社会構造も、ヴォネガットの創作活動を条件づけ、また多くの読者を獲得する流れを生み出したと見ています。

引用「現代社会を動かす巨大な力への反発、しかし自分もその手中にあるという恐怖、心のうちに残された自由の可能性の模索、その果てしない努力がつむぎだす絶望的な笑いーーー彼らの作品に共通して流れるものは、現代人が多かれ少なかれ抱いているそうした感情の反映にほかならないのだ」(訳者あとがき)

ヴォネガット自身は、1945年2月13日から14日にかけて、ドイツのドレスデン大爆撃を被害者として体験しています。

長らくその体験を書き記したいと願いながらも、それが形になるまで23年の月日が必要だったのです。

この作品を著者自身は失敗作だと言っています。

引用「人はふりかえってはいけないとされている。わたしも、二度とふりかえらないつもりだ。とにかく、わたしはこの戦争小説を書きあげた。つぎは楽しい小説を書こう。これは失敗作である。そうなることは最初からわかっていたのだ、なぜなら作者は塩の柱なのだから。」

塩の柱とは、旧約聖書の創世記ソドムとゴモラの物語からの引用です。

神の裁きを受け天から硫黄の火が降るソドムとゴモラから、神の恩寵を受け逃げるロト一家。

妻だけが神のアドバイスを忘れて、炎に焼かれる街を振り返って、塩の柱になってしまう、というもの。

著者はキリスト教徒ではなかったはずなので、このあたりも黒いユーモアを感じさせるところですね。

今日も読んでくださってありがとうございます。
明日もどうぞよろしくお願いします。

参加者(2名)

  1. もんざ「スローターハウス5 」(ハヤカワ文庫 SF 302)カート・ヴォネガット・ジュニア (著), 和田 誠 (イラスト), 伊藤典夫 (翻訳) https://amzn.to/3JG7590
  2. さんぽ屋さん「GO WILD 野生の体を取り戻せ!」NHK出版 ジョンJ.レイティ (著), リチャード・マニング (著), 野中 香方子 (翻訳) https://amzn.to/4oKTFrz

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共有予定の本

主人公ビリーが経験する、けいれん的時間旅行! ドレスデン一九四五年、トラルファマドール星動物園、ニューヨーク一九五五年、ニュー・シカゴ一九七六年……断片的人生を発作的に繰り返しつつ明らかにされる歴史のアイロニー。鬼才がSFの持つ特色をあますところなく使って、活写する不条理な世界の鳥瞰図!

「スローターハウス5 」(ハヤカワ文庫 SF 302)カート・ヴォネガット・ジュニア (著), 和田 誠 (イラスト), 伊藤典夫 (翻訳) 

ロングセラー『脳を鍛えるには運動しかない!―最新科学でわかった脳細胞の増やし方』の著者による最新作。近年話題となっている糖質制限やパレオダイエット、山や自然を走るトレイルランニング、そして注目の瞑想法マインドフルネスなどを、人類の進化の観点から科学的かつ包括的にとらえた注目の一冊。

「GO WILD 野生の体を取り戻せ!」NHK出版 ジョンJ.レイティ (著), リチャード・マニング (著), 野中 香方子 (翻訳) 

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