美しさって何だろうな、と思ったもんざです。
日本に一時帰国したとき、妹に会ったのですが、おでこが異様にピカピカで驚きました。
一緒にいた母が気づいて、妹に質問したら「しわが気になったからボトックスした」とのこと。
たしかに、おでこという部分だけをみれば美しかったです。
本当に一本もシワがなかった。
でも顔全体と、全身のバランスを見ると、なんだか不自然にみえました。
美の基準って、誰が作っているんだろう、それを信じることにどんな意味があるんだろう、そんなことを考えさせられました。
進捗報告
わたしが今月みなさんと共有するのは、こちらです。
「スローターハウス5 」(ハヤカワ文庫 SF 302)カート・ヴォネガット・ジュニア (著), 和田 誠 (イラスト), 伊藤典夫 (翻訳) https://amzn.to/3JG7590
今回は主人公ビリーのキャラクターについて、印象に残ったところを共有します。
著者は彼の風貌や性格をヒーローのようにはまったく描いていません。
引用「実際ビリーはぶかっこうだったーーー身長六フィート三インチ、キッチン・マッチの箱のような胸と肩。まだ二十一だというのに、すでにひげには白いものがまじっている。ひたいもそろそろ禿げだしていた。風と寒さと激しい運動が、彼の顔をまっ赤にほてらせていた。どこから見ても兵士ではなかった。まるで、みにくいフラミンゴだった。」(6’3=190.5センチ)
ビリーに限らず、この作品に登場する人物は、多かれ少なかれ、どこかに不完全さを持っているように描かれています。
それでも著者は、それを否定的に扱うのではなく、「そういうものだ」と淡々と描くのです。
引用「ビリーの体つきや顔が美しくないという事実は、ほとんどのトラルファマドール星人には知るよしもない。彼はすばらしい標本だと思われていた。これはビリーによい効果を及ぼし、彼は生まれてはじめて自分の体に満足をおぼえはじめた。」
トラルファマドール星の動物園で見世物にされているのに、主人公ビリーは「地球にいたころと同じくらい幸福です」というのです。
結局のところ、古代ギリシアの哲学者がいったように「幸福とは自己に満足する人のもの」なのでしょう。
そこに美という価値観を入れるかどうかは、本人次第なのだと思います。
今日も読んでくださってありがとうございます。
明日もどうぞよろしくお願いします。
参加者(2名)
- もんざ「スローターハウス5 」(ハヤカワ文庫 SF 302)カート・ヴォネガット・ジュニア (著), 和田 誠 (イラスト), 伊藤典夫 (翻訳) https://amzn.to/3JG7590
- さんぽ屋さん「GO WILD 野生の体を取り戻せ!」NHK出版 ジョンJ.レイティ (著), リチャード・マニング (著), 野中 香方子 (翻訳) https://amzn.to/4oKTFrz
お申込みURL
お申込みはこちらからどうぞ。
共有予定の本
主人公ビリーが経験する、けいれん的時間旅行! ドレスデン一九四五年、トラルファマドール星動物園、ニューヨーク一九五五年、ニュー・シカゴ一九七六年……断片的人生を発作的に繰り返しつつ明らかにされる歴史のアイロニー。鬼才がSFの持つ特色をあますところなく使って、活写する不条理な世界の鳥瞰図!
「スローターハウス5 」(ハヤカワ文庫 SF 302)カート・ヴォネガット・ジュニア (著), 和田 誠 (イラスト), 伊藤典夫 (翻訳)
ロングセラー『脳を鍛えるには運動しかない!―最新科学でわかった脳細胞の増やし方』の著者による最新作。近年話題となっている糖質制限やパレオダイエット、山や自然を走るトレイルランニング、そして注目の瞑想法マインドフルネスなどを、人類の進化の観点から科学的かつ包括的にとらえた注目の一冊。
「GO WILD 野生の体を取り戻せ!」NHK出版 ジョンJ.レイティ (著), リチャード・マニング (著), 野中 香方子 (翻訳)
コメント