もうすぐ実現するのかもな、と思うもんざです。
一家に一台は家政婦ロボットとAFみたいな時代です。
いま、2022年に出版されたカズオ・イシグロのSF「クララとおひさま」を読んでいます。
主人公はAF(アーティフィシャル・フレンド)、人工知能をもった人型ロボットです。
ジョージィという女の子の最良の友として購入されるのがソーラー充電のAFクララ。
フランス人の少女のような容貌でとても可愛く、しかし脳はAIなので言語能力が高く、人間の感情もかなり精度が高く読みとることができます。
ジョージィの家はお金持ちで、メラニアという家政婦型のAIロボットもいて、このロボット間の上下関係を感じさせる会話もなかなか面白いのです。
そういえば、人型ではありませんが、私の家にも日本語で話しながら動き回るお掃除ロボさんがいるのでした。いや、これ、人型だったら、私は怖すぎて買えないぞ。
進捗報告
今月みなさんと共有するのは、こちらです。
「体はゆく できるを科学する〈テクノロジー×身体〉」 文藝春秋 伊藤 亜紗 (著) https://amzn.to/3GRF38p
今回は第4章「意識をオーバーライドするBMI バーチャルしっぽの脳科学」から印象に残ったところを共有します。
本章で脳卒中の患者へのリハビリに関わる研究を行っている牛場さんの研究にフォーカスされます。
大学の理工学部に所属し脳のメカニズムそのものを解明する研究も行っている牛場さんは、医学と工学を結びつけています。
副題のバーチャルしっぽは、脳梗塞で動かなくなった腕を動かしたりするテクノロジーへと応用されるもの。
頭で考えるだけで、実際には存在しないしっぽを動かす、という脳科学の実験は、冗談みたいですが、かなり有望な実験らしいです。
引用「からくりみたいなものをちゃんと理解しないで、表層的な現象論だけでやるとすごくミスリードする可能性があるなっていうのが計算論的な視点で、脳の視点で運動の学習をとらえようとしているのがぼくの研究のモチベーションだと思います」
引用「テクノロジーはあくまで「患者の脳が機能を修復していく過程をお手伝い」するものであって、「人間の機能を安易に機械に置き換えるべきではない」と。」
しかし、「学習が環境依存してしまう」ということが、リハビリにおいて問題になります。
実験器具をつけてできても、外すとできなくなってしまっては、ダメなのです。
ここで重要なのが「汎化」という概念です。
引用「汎化とはそれを身につけた環境によらずに、能力を発揮できるようになることをいいます」
また、脳は間違った学習をすると、それをリセットして元に戻ることができにくい、という特徴もあるのです。(可塑性)
朱に交われば赤くなる、ということわざがありますが、脳が学習するというのは、まさに環境依存なのでした。
今日も読んでくださってありがとうございます。
明日もどうぞよろしくお願いします。
参加者(2名)
- もんざ「体はゆく できるを科学する〈テクノロジー×身体〉」 文藝春秋 伊藤 亜紗 (著) https://amzn.to/3GRF38p
- じょあんなさん「Evil Eye/Etaf Rum」Harper Perennial https://amzn.asia/d/bqTsrWG
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共有予定の本
「できなかったことができる」って何だろう?技能習得のメカニズムからリハビリへの応用まで――
古屋晋一(ソニーコンピュータサイエンス研究所)、柏野牧夫(NTTコミュニケーション科学基礎研究所)、小池英樹(東京工業大学)、牛場潤一(慶應義塾大学)、暦本純一(東京大学大学院)ら、5人の科学者/エンジニアの先端研究を通して、「できる」をめぐる体の“奔放な”可能性を追う。
日々、未知へとジャンプする“体の冒険”がここに。
「体はゆく できるを科学する〈テクノロジー×身体〉」 文藝春秋 伊藤 亜紗 (著) https://amzn.to/3GRF38p
“Rum’s sensitive portrayal of Yara’s inner monologue paints a clear picture of the traditional gendered expectations that are placed on many modern Palestinian American women, and the ways an unsettled past can affect the present.” — Washington Post, “10 Noteworthy Books for September”
「Evil Eye/Etaf Rum」Harper Perennial https://amzn.asia/d/bqTsrWG
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