読書会(勉強会)カウントダウンコラムZoom読書会

ウォールデンは詩集のように読む

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読書会(勉強会)
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純文学読書会は無事に終了しました。昨日、純文学読書会にご参加いただいた皆様、ありがとうございました。参加者は私を含めて5名でした。それぞれ、最も心に残った文章を選んで共有していただきました。せっかくなので、こちらでも共有しますね。

心に残った文章

皆さんが読まれた本は、岩波やグーテンベルク21とバラバラでしたが、ここには今泉吉晴の訳文をあげます。

もんざ:人は、ただ旅をするだけでは、他の人から聞きかじってものを知るだけに終わり、生半可な知識しか持てず、真の理解者にはなれません。私たちは、猟師のように実際的、かつ本能的に知ったことを、科学の言葉を上手に使って自分で理解する時に、心の底から歓びを感じます。なぜなら、そのような知識こそが、人の経験を本当に説明する、真に人間的な知識だからです。

(第11章 法の上の法)ウォールデン 森の生活 下 (小学館文庫) ヘンリーD・ソロー (著), 今泉吉晴 (翻訳)  

りんさん:ホドイモ(Apios tuberosa)を味わいながら私は、このイモは、自然が自分の子を、この大地でいずれふたたび養うことになると、準備している証拠ではないかと思いました。

(第13章 新築祝い)ウォールデン 森の生活 下 (小学館文庫) ヘンリーD・ソロー (著), 今泉吉晴 (翻訳)  

さんぽ屋さん:朝ごとに、この画廊の主人である自然は、森という壁にかけた絵を改め、いっそうきらびやかで、いっそう調和の取れた彩りの新しい絵にかけ替えました。

(第13章 新築祝い)ウォールデン 森の生活 下 (小学館文庫) ヘンリーD・ソロー (著), 今泉吉晴 (翻訳)  

ishikawaさん:あなたももし、体を伸ばして腹這いになるなら、水面に浮くアメンボウのように、厚さわずか一インチの氷に乗ることができます。氷を通して池の中を見ましょう。額縁のガラス板を通して素晴らしい絵を見るように、ほんの二、三インチ下の美しい水底をあざやかに観察できます。

(第13章 新築祝い)ウォールデン 森の生活 下 (小学館文庫) ヘンリーD・ソロー (著), 今泉吉晴 (翻訳)  

Koichiさん:私は、新聞のニュースでも、注目に値する記事は読んだことがない、と断言できます。

(第2章 どこで、なんのために生きたか)ウォールデン 森の生活 上 (小学館文庫) ヘンリーD・ソロー (著), 今泉吉晴 (翻訳) 

Koichiさん:私は、愛より、お金より、名誉より、真実が欲しいのです。

(第18章 結論)ウォールデン 森の生活 下 (小学館文庫) ヘンリーD・ソロー (著), 今泉吉晴 (翻訳)  

Koichiさん:同じように私も、人の虫であって、私の小さな考えゆえに、偉大なる英知が近くにそびえ立っていても、わかっていないのではないか、と。

(第18章 結論)ウォールデン 森の生活 下 (小学館文庫) ヘンリーD・ソロー (著), 今泉吉晴 (翻訳)  

最初から、最後まで通して読むことは、もうないかもしれないけれど、折に触れて、パッと開いたところを詩集のように読む本になると思う、とishikawaさんが語ってくださった言葉が、この作品が古典として国境を越えて、読み継がれてきた理由のひとつなんだろうな。

08:00~08:03 集合写真(本の表紙を見せてください)
08:03~08:15 (2分×5名)近況報告(感動したこと)
08:15~08:20 (5分)最も心に残った場面を選ぶ
08:20~08:50 (6分×5名)選んだ場面を共有
08:50~09:15  質問・意見交換
09:15~09:30 フリートーク

進捗報告

ZOOM読書会までは残り5日です!第132回ZOOM読書会用に読んでいるのは、こちらです。
山椒魚戦争」グーテンベルク21 Kindle版 カレル・チャペック (著), 樹下節 (翻訳) 

Project Gutenberg Australia Title: The War with the Newts Author: Karel Capek

大金持ちの事業家ボンディ氏の執事だったポウォンドラ氏は、孫を持つ老人となり、自分がトッホ船長(山椒魚を真珠取りとして調教した)をボンディ氏に取り次いだことが、山椒魚を繁栄させ、人類を滅亡の道へ追い込んだのだと、息子に苦しい胸の内を打ち明けます。

お父さん、変なこと考えるのはおよしなさいよ。みんなのせいですよ。各国の政府や資本ってものが、やったことなんですよ。だれもかれも、できるだけたくさん山椒魚をもって、かせごうとしたんだものね。われわれだって、山椒魚に兵器だとかなんだとか送ったんだから。われわれ全部の責任なんです

(第三部 山椒魚戦争)「山椒魚戦争」グーテンベルク21 Kindle版 カレル・チャペック (著), 樹下節 (翻訳) 

このあたりの描写って、チャペックの人間観察力が良く現れています。良いことにしろ、悪いことにしろ、何かが起こったら、人は、それと自分の行動を関連づけて考えがち。社会事象って、複合的な要因で発生するもの。だから息子さんが正しいですよね。でも、ぜんぶ自分じゃなくて誰かのせい、って考えるタイプの人よりは、ポウォンドラ氏のほうが誠実そうだから、個人的に好きです。

今日も読んでくださってありがとうございます。
また明日もよろしくお願いします。

第132回ZOOMで読書会7/30の参加者(2名)

  1. もんざ (主催者) 「山椒魚戦争」グーテンベルク21 Kindle版 カレル・チャペック  (著), 樹下節 (翻訳)
  2. けいいちさん「定年1年目の教科書」高橋伸典著 日本能率協会マネジメントセンター

第12回 純文学読書会7/24(参加5名)終了

森の生活――ウォールデン――ソーロー著 神吉三郎訳(青空文庫)
森の生活(ウォールデン) ヘンリー・D・ソロー (著), 神原栄一 (翻訳)  グーテンベルク21
ウォールデン 森の生活 上 (小学館文庫) ヘンリーD・ソロー (著), 今泉吉晴 (翻訳)  
ウォールデン 森の生活 下 (小学館文庫) ヘンリーD・ソロー (著), 今泉吉晴 (翻訳)  

  1. もんざ (主催者) 
  2. りんさん
  3. さんぽ屋さん
  4. Koichiさん(Meetupから)
  5. ishikawaさん(Meetupからお申込み)

本の要約サイトFlyer(フライヤー)でこの本の要点も読めます。

https://amzn.to/3xlFVKi

わかりやすく、見やすく蘇った『森の生活』。ヘンリー・D・ソローは、1800年代中期、ウォールデンの森の家で自然と共に2年2か月過ごし、内なる自然と外界の自然、そして人間社会を見つめて膨大な日記を記しました。その日記をもとに一冊に編み上げたのが本書です。邦訳は、古典の引用などから難解な書籍と言われていましたが、2004年に小学館から発売になった動物学者の今泉吉晴氏の訳本は、今泉氏自身が山小屋に30年暮らして、自然の側からの視点でソローの翻訳を続け、若々しく、読みやすく、示唆に富む内容になっています。今回の文庫では、さらに豊富な注釈を加筆。深く読み込みたい読者に対しても魅力ある内容となっています。新たに収録された写真と地図は、ソローの足跡(そくせき)をたどったH.グリーソンによるもの。ソローの文章と一緒に見ることで、ソローが感じていた自然を少しでも感じてほしいという訳者の意図によります。社会の産業化が進み始めた時代に、どのようにソローが自然の中を歩き、何を感じていたか。現代に生きる私たちも少しでも感じることができるのではないでしょうか。

<内容:アマゾン商品説明より>   「ウォールデン 森の生活 」小学館 ヘンリーD・ソロー (著) 今泉吉晴 (翻訳)

共有予定の本

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一商船の船長が、インドネシア方面の海中で、山椒魚に似た奇妙な動物を発見する。彼は、この動物が人になれるうえに利口なことを知って、真珠採取に利用することを思いつく。そして、この仕事の企業化を、ある実業家にもちかける。山椒魚は、まず単純な海中作業に利用されるが、やがて、人間はさまざまな技術を教え、言葉までさずけて、彼らを高度な仕事につけはじめる。知識と技術を獲得した山椒魚はいろいろな権利を主張しはじめる。そして……。痛烈なSF的諷刺によって、政治的・経済的・技術的・文化的な激動の時代を皮肉ってみせたチェコの奇才チャペックの代表作。

<内容:アマゾン商品説明より>   「山椒魚戦争」グーテンベルク21 Kindle版 カレル・チャペック  (著), 樹下節 (翻訳)
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