読書会(勉強会)課題図書

11月ABD読書会の課題本「時間は存在しない」文学的な例えに惹き込まれる

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読書会(勉強会)
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11月20日(土)ABD読書会の課題本は 「時間は存在しない」カルロ・ロヴェッリ (著), 冨永 星 (翻訳) NHK出版です。(ABD(アクティブ・ブック・ダイアローグ)という読書形式について詳しく知りたい方はこちら

読書会当日までに担当するパートを読み、当日参加者同士で各パートの内容をシェアすることで本1冊の内容を短時間で学び、それを元に話をすることで、学びを深めます。

「時間は存在しない」カルロ・ロヴェッリ (著), 冨永 星 (翻訳) NHK出版

経緯

ABD読書会の主催者たろうさんに、珍しく私から「この本、次の課題本にどうでしょう?」と声をかけたところ、メンバーからの異議もなかったので、あっさりと採用されました。

「時間はどこから来て、なぜ流れるのか?」という本を読んでいたら、カルロさんの本もアマゾンにレコメンドされました。さっそくサンプルをダウンロードして読んだら、うわー、すてき!面白い!これは皆で読みたい!となったわけです。(ちなみに、吉田さんの本を読もうと思ったきっかけは「神曲」天国篇を読んで、中世的な時間の概念って現代人と比べてどうだったんだろう、って気になったから)

結論を先に言ってしまえば、ニュートン流の時間観(時間は外部から影響を受けることなく、宇宙全域で一様に流れるという見方)を否定し、場のアイデアに基づいて、それに代わる時間概念を提出することを試みる

時間はどこから来て、なぜ流れるのか? 最新物理学が解く時空・宇宙・意識の「謎」 (ブルーバックス) 吉田伸夫 (著) はじめに

時間について理解するには、物理と心理の間に横たわる巨大な溝を乗り越えねばならない

時間はどこから来て、なぜ流れるのか? 最新物理学が解く時空・宇宙・意識の「謎」 (ブルーバックス) 吉田伸夫 (著) 第7章 時間はなぜ流れる(ように感じられる)のか

よく見たら、「時間は存在しない」の日本語版解説者が吉田伸夫さんでした。そりゃ、アマゾンもレコメンドしますよね。

第二部では、第一部末の主張を受けて、「根源的な時間のない世界」をいかに記述すべきかが探求される。まず第六章で、こうした世界観の系譜が科学史的に検討される。

「時間は存在しない」カルロ・ロヴェッリ (著), 冨永 星 (翻訳) NHK出版  日本語版解説 吉田伸夫

常に読者によりそう姿勢

全体をザッと拾い読みしただけなのですが、本当に内容が多岐に渡っています。そして文章が本当に美しくて惹き込まれます。紙の本も買おうかなぁ。

ヒンドゥーの神話における宇宙の大河は、踊るシヴァ神の姿をしている。この神の踊り、宇宙の流れを支える踊りが時間の流れなのだ。この流れより普遍的で明白なものが、はたしてあるだろうか。
だが、事はそう単純ではない。現実は往々にして見かけとまるで違っている。地球は平らに見えるが、じつは丸い。

「時間は存在しない」カルロ・ロヴェッリ (著), 冨永 星 (翻訳) NHK出版 もっとも大きな謎、それはおそらく時間

事実、著者はこの作品で、「時間」にまつわる物理学の最近の成果だけでなく、神話や宗教者の解釈や詩や文学、さらには近代哲学や脳科学を援用してシームレスに「時間」を論じている。なぜならスタンスの差こそあれ、これらすべての営みが、「時間」とは何なのかを探り、記述しようとする人間の営みであるからだ

「時間は存在しない」カルロ・ロヴェッリ (著), 冨永 星 (翻訳) NHK出版 訳者あとがき 冨永 星

この本のもくじ

私がどこを担当するかは、現在未定です。でも、科学史から理解したいから、第六章を選ぼうかな。

第一部 時間の崩壊
    第一章 所変われば時間も変わる
    第二章 時間には方向がない
    第三章 「現在」の終わり
    第四章 時間と事物は切り離せない
    第五章 時間の最小単位

第二部 時間のない世界
    第六章 この世界は、物ではなく出来事でできている
    第七章 語法がうまく合っていない
    第八章 関係としての力学

第三部 時間の源へ
    第九章 時とは無知なり
    第一〇章 視点
    第一一章 特殊性から生じるもの
    第一二章 マドレーヌの香り
    第一三章 時の起源

眠りの姉 ← これカルロさんのあとがきみたい。非常に痺れる内容。好きすぎる。
日本語版解説  吉田伸夫
訳者あとがき 冨永 星
原注

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