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トマス・アクィナス「神の存在証明」について調べてみました(神曲 天国篇)

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現在、ダンテの「神曲 天国篇」を読んでいます。地球から四番目に近い天国、太陽天に到着したダンテ。ここにでは歴史上の賢人と話すことができます。どんな賢人メンバーが揃っているのかを、トマス・アクィナスに紹介してもらう、という設定。トマス・アクィナスといえば、「神の存在証明」を理解しておかなければいけない、ってことで、今回は、それを調べてみました。

私はドミニコに従って道を進んだ 聖らかな群の羔(こひつじ)の一人だった。(中略)そして私はアクイノのトマスだ

神曲 天国篇 (河出文庫) ダンテ・アリギエーリ (著), 平川祐弘 (翻訳) 形式: Kindle版 <第十歌 94-99>

話しはじめた人はトマス・アクイナス(1225頃-1274年)である。イタリアのスコラ哲学者、神学者で、ドミニコ会修道士。『神学大全』を著わした。アリストテレスの哲学をキリスト教護教のために用い、信仰と理性との調和を考え、神学を構築した。

神曲 天国篇 (河出文庫) ダンテ・アリギエーリ (著), 平川祐弘 (翻訳) 形式: Kindle版 <訳注 第十歌 82>

神学の基礎を作った人なんですね。では「神の存在証明」の具体的な内容を見ていきましょう。

神の存在証明

ものすごく単純にいうと「この世界があるんだから、神様はいるに決まってるだろ」ってことを証明してみせようとしたってことらしい。中世以前の人は、神様はいるのが当たり前って思ってたんだけど、それを論理的に証明するって考えがなかったみたいなのね。そこでトマス・アクィナスが、アリストテレス哲学の考え取り込みつつ、それにチャレンジ!新しい取り組みだったから最初は教会から強い反発も受けたそうな。でも結果として、彼の取り組みがキリスト教をより多くの人に布教することにつながっていきました。

では本題に戻りますね。とりあえず、神の存在証明について、いつものとおり百科事典を調べました。しかし、難しいぞ。。。百科事典を読んでも、さっぱり分かんないし、英語のウィキペディアを読んでもチンプンカンプンです。続いて、五つの方法(五つの道)を調べてみます。

“神の存在証明” トマス・アクィナスは、経験論的な基盤から、世界存在の認識に基づき、世界存在を存立させている根拠として神の存立を論証しうるとした。それには五つのやり方があり、「五つの道」quinque viaeとよばれる。第一から第三の道は世界存在の運動変化の事実から出発し、運動変化の第一根拠として神の存立を論証するものであり、アリストテレスによっている。第四の道は世界内の存在事物にみられる完全性の段階の相違に基づき、この段階を成立させる根拠として最高に完全なものである神を論証する。第五の道は世界内に存する理性的秩序の根拠として神を論証する(『神学大全』第1部2の3)。これら世界存在から出発する論証は総括して「宇宙論的論証」cosmological argumentとよばれる。

“神の存在証明”, 日本大百科全書(ニッポニカ), JapanKnowledge, https://japanknowledge.com , (参照 2021-07-04)

経験から出発するア・ポステリオリ証明のうちで最も有名なのはトマス・アクイナスの〈五つの道〉であり,これは経験世界においてあきらかに認められる運動・変化,作動因の系列,存在の偶然・非必然性,完全性の段階,目的志向性などの事実から出発して,第一の動者,第一作動因,必然的存在,最高の存在,宇宙を統宰する知的存在であるところの神に到達する議論である。

“神の存在証明”, 世界大百科事典, JapanKnowledge, https://japanknowledge.com , (参照 2021-07-04)

「五つの道」quinque viae

何とか英語で五つの道について書かれているところを読みました。しかし分かんない!

The Quinque viæ (Latin for “Five Ways”) (sometimes called “five proofs”) are five logical arguments for the existence of God summarized by the 13th-century Catholic philosopher and theologian St. Thomas Aquinas in his book Summa Theologica. They are:
五つの道(ラテン語で「5つの方法」の意)(「5つの証明」と呼ばれることもある)とは、13世紀のカトリックの哲学者・神学者である聖トマス・アクィナスがその著書『神学大全』の中でまとめた、神の存在を示す5つの論理的な主張である。その内容は以下の通り。

1.the argument from “first mover”;「最初に動くもの」からの論証
2.the argument from causation; 因果関係からの論証
3.the argument from contingency; 偶発性からの論証
4.the argument from degree; 程度からの論証
5.the argument from final cause or ends (“teleological argument”). 最終的な原因や目的からの議論(「目的論的議論」)

Five Ways (Aquinas) From Wikipedia, the free encyclopedia (Redirected from Quinque viae)

でも!見つけましたよ!分かりやすく解説してくださっているサイトを!(Philosophy Guides アクィナス『神学大全』を解読する)すごいですね。まだ難しいけど、チンプンカンプンなところからは脱出できました。ありがとうございます。

アクィナスによる神の存在証明には、以下の5つの論点がある。
1.「第一の動者」が存在しなければならない
2.第一の作出因(=原因)が存在しなければならない
3.必然的に存在するものが最低一つ存在していなければならない
4.善なるものが存在する以上、基準となる最高善がなければならない
5.自然物を目的へと秩序づける知性認識者が存在しなければならない

アクィナス『神学大全』を解読する Philosophy Guides

因果律から考える

アクィナスの神の存在証明を理解するためには、アリストテレスの因果律を理解していると、分かりやすいそうですよ。その考え方というのは、こんな感じ。

なんにもないところから、「存在」は生まれないでしょ?この世界は、存在してるでしょ?ってことは、この世界を作り出した「何か」が存在していることは間違いないでしょ?それって「神」でしょ?

分かりやすいから、一瞬、信じそうになっちゃいますよね。けど、その「何か」が「神」だってどうして分かるの?これ証明じゃないですよね。。。「神は存在している」という結論ありきで論理を組み立てると、こうなっちゃうみたい。

いずれにせよ、アクィナスの神の存在証明による5つの道は、アリストテレスの思想を基礎として考えられたもので、キリスト教の神に絶大な信頼を寄せ、神を最高善とすることで、人々の迷いや不安を取り除いて、キリスト教の信仰を強化する働きをもたらしたことは間違いがなさそうです。

形而上学: 存在者の一部を対象とする特殊学に対して、存在するすべての事物にとって第一の諸原因を考究する学問は知恵(ソフィアー)、または第一哲学(プローテー・フィロソフィアー)とよばれる。特殊学が特定の存在者について、それが特定の類に属する限りにおいて、必然にもつ諸性質を尋ねるのに対して、それは、存在するすべてのものについて、それらが「ある」といわれる限りにおいて、この「ある」を成り立たせている第一諸原理、諸原因を尋ねる
 こうして、この学問は、特殊なものの根拠にある第一の諸原理を探求する普遍学(存在学)として、第一の最高の学問である。だが、それは同時に、もっとも高貴な存在者、神を取り扱う学問として神学(テオロギケー)でもある。神は第一の存在者であることによって、すべてのものの存在の原因でもあるからである。神は質料から離れて、永遠不変な観照の内にとどまる自己思惟 (しい) 者(ノエーシス・ノエーセオース)として最高の現実態であり、それ自身は不動でありながら、「愛されるもの」としていっさいのものを動かす「不動の第一動者」である。

“アリストテレス”, 日本大百科全書(ニッポニカ), JapanKnowledge, https://japanknowledge.com , (参照 2021-07-04)

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