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ダンテの宇宙像 (中世と近代が混ざった感じ)

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現在、ダンテの「神曲 天国篇」を読んでいます。14世紀イタリアの詩人ダンテは、どのような宇宙観を持って、この作品を描いているのでしょうか。

いろいろミックス

ダンテの宇宙像は、中世的な思想が基本になっていますが、キリスト教的な思想だけではなく、グノーシス(知識があるものが救われる)やネオプラトニズム(肉体には意味がなく魂に特別な意味がある)の思想も入っているそうです。

「グノーシス」は元来ギリシア語で「知識」あるいは「認識」の意。ただし宗教学、宗教史の用語としては、グノーシスによって救済を得る宗教思想(グノーシス主義)をさす。この場合の「グノーシス」は、人間がその本来的自己を現実世界においては非本来的なもの(身体、国家、宇宙、とりわけ人間の運命を支配する星辰 (せいしん) )によって疎外されているという反宇宙的二元論の立場から、宇宙を超える至高神と人間の本来的自己との本質的同一性の「認識」を救済とみなす宗教思想の意。グノーシスは元来、初期キリスト教教父たちにより、彼らが代表する正統教会(初期カトリシズム)から排除された異端思想の一つの呼称であった。それが近代以降、たとえキリスト教と直接的関係がなくても、前記と同種の思想的特徴を有する諸宗教思想(たとえばへルメス文書やナグ・ハマディ文書の一部、マンダ教やマニ教)にも適用されるようになる。

“グノーシス”, 日本大百科全書(ニッポニカ), JapanKnowledge, https://japanknowledge.com , (参照 2021-05-10)

プラトン主義哲学に、ギリシア諸哲学と東洋宗教をとり入れた宗教哲学。→新プラトン学派。

“ネオ‐プラトニズム”, 日本国語大辞典, JapanKnowledge, https://japanknowledge.com , (参照 2021-05-10)

後3世紀にプロティノスによって実質的に創始され,6世紀まで存続した哲学思潮。その後のヨーロッパ哲学史上にプラトン主義の伝統を定着させる働きをした。(中略)古今東西の神秘哲学と同様,新プラトン主義は次の七つの理論的支柱をもっている。

“新プラトン主義”, 世界大百科事典, JapanKnowledge, https://japanknowledge.com , (参照 2021-05-10)

煉獄島の頂上から宇宙へGO

また、天文学や物理学などの知識も織り込まれた表現は近代的なため、中世と近代がミックスされた独特な形態で、ダンテの宇宙像はガリレオ、コペルニクスによる地動説が定説となるころには失われてしまいます。

具体的な宇宙像としては、南半球にある煉獄島の頂上が、天国の入り口で、そこから神が住む至高天まで光に導かれて昇っていけると考えられていたようですね。煉獄島の頂上から次の10個の星が1から順番に団子状に積み重なっているイメージです。kosmosskene-biosparodosさんのブログ記事のイラストが非常に分かりやすかったです。

でも天動説が信じられ、地球は動かないって考えられていた時代って、想像できないですよね。

  1. 月天
  2. 水星天
  3. 金星天
  4. 太陽天
  5. 火星天
  6. 木星天
  7. 土星天
  8. 恒星天
  9. 原動天
  10. 至高天(神が住むところ)

宇宙の中心に地球が静止し、その周囲で月、太陽、五惑星、諸恒星が各個別の天球上を公転するという宇宙模型。地球中心説。原始人が直観的・情緒的に、大地は固定し、大空が回転すると見立てた宇宙観といえる。古代でのエジプト・カルデアの丸天井説、インドの須弥山 (しゅみせん) 説、中国の蓋天 (がいてん) 説、ギリシアの円形軌道説などは、幾何学的ないし運動学的考察を加えた宇宙論である。とくにギリシアにおける天動説は、初め理念的に空想した宇宙模型であったが、実地に経験した天体現象に合致させるべく次々とその模型を改定していき、ついにはきわめて複雑・技巧的な構造を呈するに至った。

 天動説の原型はピタゴラスのコスモス(秩序宇宙)である。その基本理念は、完全性(球形)、尊厳性(中心)、恒常性(等速)、調和性(単純比)である。プラトンは、月および太陽の遅速運行を説明するために、その等速円運動の軌道中心から地球を外すというアポロニオスの離心円説を採用した。またアリストテレスは惑星の逆行を合理化するために、1個の惑星に数重の天球を設け、各回転を合成するというエウドクソスの同心球説を採用した。天動説の完成した形は紀元2世紀プトレマイオスの周転円説である。地球を中心とする主導円周上を転進する周転円上に惑星を置くことによって、2種の等速円運動の合成として、惑星の軌跡がループ曲線を描く仕組みである。この説には力学的考察を欠いていたが、暦推算法の有能性と、キリスト教義の権威とに支えられて16世紀まで定説化した。

“天動説”, 日本大百科全書(ニッポニカ), JapanKnowledge, https://japanknowledge.com , (参照 2021-05-11)

太陽系の惑星は、太陽の周りを公転している比較的大きな8個の天体である。太陽に近い順に、水星、金星、地球、火星、木星、土星、天王星、海王星と名づけられ、太陽を回る天体の主要メンバーをなしている。ほかに、火星と木星の間を中心に多数公転している小惑星、海王星よりも遠い軌道を多数公転している太陽系外縁天体、太陽に近づくと尾を引いて見える彗星 (すいせい) 、惑星の周りを回る衛星などが、太陽系の構成天体である。

“惑星(天体)”, 日本大百科全書(ニッポニカ), JapanKnowledge, https://japanknowledge.com , (参照 2021-05-10)

[1564~1642]イタリアの物理学者・天文学者。振り子の等時性、落体の法則などを発見。自作の望遠鏡で天体を観測し、月の凹凸、木星の4個の衛星、太陽黒点などを発見してコペルニクスの地動説を支持し、教会から異端者として幽閉された。著「天文対話」「新科学対話」など。ガリレオ=ガリレイ。

“ガリレイ【Galileo Galilei】”, デジタル大辞泉), JapanKnowledge, (参照 2021-05-10)

[1473~1543]ポーランドの天文学者・聖職者。プロシアの生まれ。神学・医学・数学・天文学を学んだ。天体観測を続け、ギリシャ思想をうけて地動説を主張。近代天文学の出発点を確立。ポーランド名、ミコワイ=コペルニク。著「天球の回転について」など。

“コペルニクス【ラテンNicolaus Copernicus】”, デジタル大辞泉), JapanKnowledge, (参照 2021-05-10)
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