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「未完の資本主義」第3章 グレーバーは楽しそうに話してた

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読書会(勉強会)
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4月の読書会(第117回ZOOMで読書会)で、私はこちらの本を共有する予定です。今回は、第3章デヴィッド・グレーバー氏のお話から気になったところを共有します。

「未完の資本主義 テクノロジーが変える経済の形と未来」 (PHP新書) ポール・クルーグマン ほか(著))
[音声DL付]「英語で理解する 未完の資本主義」(アルク)大野 和基 (著)

自己犠牲的で宗教的で神学的な考え

デヴィッド・グレーバー氏(David Graeber)は、1961年ニューヨーク生まれの文化人類学者で、2020年残念ながら急逝されました。

彼の著作ブルシットジョブ(BSJ)は、資本主義社会で働くとは、どのような意味を持っているのかを私たちに考えさせる本です。インタビュアーの大野氏は、BSJの内容を基にグレーバー氏に質問を投げかけています。

特に印象深いのはこの部分でした。

私たちは、自分たちにとって労働の何が大切であるかを考え直すべきかもしれません。今の私たちの労働に対する考え方は非常にねじれているからです。(中略)私たちは一方では最大限の恩恵を受けたいと計算する、奇妙に快楽主義的な哲学を持ち、もう一方では労働とはたいてい世俗的な苦痛を強いるもので、みじめな思いに8時間耐えているおかげで、自分のための数時間は胸を張って幸せを感じることができると考える、自己犠牲的で宗教的で神学的な考えを持っているのです。これは人生に対する非常にねじれた考え方であり、生物学的にも、社会的にも破滅的です 
Maybe we should rethink what’s important to us about it now, it’s deeply perverse…So on the one hand, you have this strangely hedonistic philosophy where you’re just calculating to get your maximum benefit. On the other hand, you have this sort of self-sacrificing, religious, theological idea that work is almost your secular hair shirt—the  misery that you makes you deserving of the happiness that you have in the few hours you have to yourself. And it’s a deeply perverse way to think about life, and it’s also ecologically destructive, it’s socially destructive, and we really need to rethink these things.

[音声DL付]「英語で理解する 未完の資本主義」(アルク)大野 和基 (著) 第3章デヴィッド・グレーバー

なんていうか、BSJを読んだとき、これって日本だけの問題じゃなかったのか、っていうのが、正直な感想だったんですよね。先進国と呼ばれる資本主義の国々で発生している目に見えない病にBSJという名前をつけたグレーバー氏の功績は大きい気がします。

英語版のインタビュー音声では、ちょっと早口に楽しそうに笑いながら語っているグレーバー氏の声を聴くことができますよ。

次回は、第4章を共有しますね。

今日も読んでくださってありがとうございます。
明日もどうぞよろしくお願いします。

もくじ

  • 第1章 ポール・クルーグマン(ノーベル賞経済学者)――我々は大きな分岐点の前に立っている 
  • 第2章 トーマス・フリードマン(『フラット化する世界』著者・NYタイムズコラムニスト)――「雇用の完新世」が終わり「人新世」がはじまる
  • 第3章 デヴィッド・グレーバー(文化人類学者・ウォール街占拠運動の理論的指導者)――職業の半分がなくなり、「どうでもいい仕事」が急増する ←いまココ
  • 第4章 トーマス・セドラチェク(『善と悪の経済学』著者・チェコ共和国経済学者)――成長を追い求める経済学が世界を破壊する
  • 第5章 タイラー・コーエン(ジョージメイソン大学教授・経済学者)――テクノロジーは働く人の格差をますます広げていく
  • 第6章 ルトガー・ブレグマン(ジャーナリスト・歴史家)――ベーシックインカムと1日3時間労働が社会を救う
  • 第7章 V・M=ショーンベルガ―(オックスフォード大学教授・ビッグデータの第一人者)――「データ資本主義」が激変させる未来

デヴィッド・ロルフ・グレーバー(英: David Rolfe Graeber、1961年2月12日 – 2020年9月2日 )は、アメリカの人類学者、 アナキスト・アクティヴィスト。 ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスの人類学の教授を務めた。『負債論──貨幣と暴力の5000年』、『官僚制のユートピア──テクノロジー、構造的愚かさ、リベラリズムの鉄則』、『ブルシット・ジョブ──クソどうでもいい仕事』などの著作で知られる。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (参照 2021-04-13)

デヴィッド・グレーバーDavid Rolfe Graeber.公式サイト

https://amzn.to/327O4Tm

読書会の参加予定(3名)

  1. もんざ (主催者)「未完の資本主義 テクノロジーが変える経済の形と未来」 (PHP新書) ポール・クルーグマン ほか(著) 
  2. にしやまさん「英語独習法」 (岩波新書) 今井 むつみ  (著)  
  3. Cai Linさん「 Atomic Habits 」 James Clear 著  (ジェームズ・クリアー式 複利で伸びる1つの習慣 ジェームズ・クリアー (著)  ) 

共有予定の本

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