9. 読書会(勉強会)カウントダウンコラム

誤解された言葉 著者の創作ノートを覗き見

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9. 読書会(勉強会)
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第114回ZOOMで読書会で、私はクンデラの「存在の耐えられない軽さ」を紹介する予定です。今回は第2部「誤解された言葉」から気になったところを共有します。

第三部 誤解された言葉

第3部では、もう一組のカップル、サビーナとフランツの交際が描かれます。テレザとトマスの場合は、テレザが「重さ」でトマスが「軽さ」でした。サビーナとフランツの場合は、サビーナが「軽さ」でフランツが「重さ」を象徴しています。

「誤解された言葉」というタイトルが示すように、ここでは、ひとつの言葉に対する登場人物の考え方や印象の違いが著者によって解説されているので、読者は著者の創作ノートを覗き見ているような気持ちになります。

個人的に面白いなと思ったのは、墓地に対する考え方です。フランツは墓地を石と骨のある場所としか考えていませんが、サビーナは平和な心安らぐ庭園だとみなしています。

以前、ポーランドのワルシャワを訪れたとき、墓地を案内してもらったのですが、有名な人のお墓は彫刻や照明ランプや献花などで飾られており、公園のような雰囲気があったので、読みながら、なんとなく、サビーナの気持ちが分かったのも嬉しかったです。

著者は、この二組のカップルを使って、軽さと重さの実験をしているようです。一組は分かれ、もう一組は死ぬまで共に生きる運命が示されます。

今日も読んでくださってありがとうございます。

次回は第四部「心と体」について、気になったところを共有しますね。

もくじ

第一部 軽さと重さ
第二部 心と体 
第三部 誤解された言葉 ←いまここ
第四部 心と体
第五部 軽さと重さ
第六部 グランドマーチ
第七部 カレーニンの笑顔

参考:spark notesの読書ガイド

読書会の参加予定(4名)

  1. もんざ (主催者) 「存在の耐えられない軽さ」ミラン・クンデラ  (著) (集英社文庫)  ”The Unbearable Lightness of Being” Milan Kundera (著) 
  2. じょあんなさん「国盗り物語」司馬遼太郎(著) 新潮文庫
  3. にしやまさん『私とは何か—「個人」から「分人」へ』平野啓一郎(著)講談社
  4. 兼松さん「流浪の月」凪良 ゆう  (著) 東京創元社 

共有予定の本

存在の耐えられない軽さ (集英社文庫)
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The Unbearable Lightness of Being: 'A dark and brilliant achievement' (Ian McEwan) (English Edition)
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国盗り物語(一~四) 合本版(新潮文庫)
世は戦国の初頭。松波庄九郎は妙覚寺で「知恵第一の法蓮房」と呼ばれたが、発心して還俗した。京の油商奈良屋の莫大な身代を乗っ取り、精力的かつ緻密な踏査によって、美濃ノ国を〈国盗り〉の拠点と定めた! 戦国の革命児斎藤道三が、一介の牢人から美濃国守...
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あなたと共にいることを、世界中の誰もが反対し、批判するはずだ。わたしを心配するからこそ、誰もがわたしの話に耳を傾けないだろう。それでも文、わたしはあなたのそばにいたい――。再会すべきではなかったかもしれない男女がもう一度出会ったとき、運命は...
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