第114回ZOOMで読書会で、私はクンデラの「存在の耐えられない軽さ」を紹介する予定です。今回は第2部「誤解された言葉」から気になったところを共有します。
第三部 誤解された言葉
第3部では、もう一組のカップル、サビーナとフランツの交際が描かれます。テレザとトマスの場合は、テレザが「重さ」でトマスが「軽さ」でした。サビーナとフランツの場合は、サビーナが「軽さ」でフランツが「重さ」を象徴しています。
「誤解された言葉」というタイトルが示すように、ここでは、ひとつの言葉に対する登場人物の考え方や印象の違いが著者によって解説されているので、読者は著者の創作ノートを覗き見ているような気持ちになります。
個人的に面白いなと思ったのは、墓地に対する考え方です。フランツは墓地を石と骨のある場所としか考えていませんが、サビーナは平和な心安らぐ庭園だとみなしています。
以前、ポーランドのワルシャワを訪れたとき、墓地を案内してもらったのですが、有名な人のお墓は彫刻や照明ランプや献花などで飾られており、公園のような雰囲気があったので、読みながら、なんとなく、サビーナの気持ちが分かったのも嬉しかったです。
著者は、この二組のカップルを使って、軽さと重さの実験をしているようです。一組は分かれ、もう一組は死ぬまで共に生きる運命が示されます。
今日も読んでくださってありがとうございます。
次回は第四部「心と体」について、気になったところを共有しますね。
もくじ
第一部 軽さと重さ
第二部 心と体
第三部 誤解された言葉 ←いまここ
第四部 心と体
第五部 軽さと重さ
第六部 グランドマーチ
第七部 カレーニンの笑顔
読書会の参加予定(4名)
- もんざ (主催者) 「存在の耐えられない軽さ」ミラン・クンデラ (著) (集英社文庫) ”The Unbearable Lightness of Being” Milan Kundera (著)
- じょあんなさん「国盗り物語」司馬遼太郎(著) 新潮文庫
- にしやまさん『私とは何か—「個人」から「分人」へ』平野啓一郎(著)講談社
- 兼松さん「流浪の月」凪良 ゆう (著) 東京創元社
共有予定の本
存在の耐えられない軽さ (集英社文庫) | ミラン・クンデラ, 千野 栄一 |本 | 通販 | Amazon
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