第114回ZOOMで読書会で、私はクンデラの「存在の耐えられない軽さ」を紹介する予定です。今回は第2部「心と体」から気になったところを共有します。
第二部 心と体
第2部では、テレザの苦悩が強く描かれています。夫のトマスは、自分が本当に心から愛しているのはテレザだけだと語って自分の浮気を容認するようにテレザを説得します。
クンデラは、心=重さ(テレザ)、体=軽さ(トマス)として物語を組み立てていますが、この両者は正反対なものではない、という点も意図されています。
というのも、テレザとトマスがお互いに惹かれ合うのは、お互いにないものに魅力を感じるからで、双方がそれぞれお互いに影響を与え、変化を促していきます。
もう一つの読みどころは、チェコはソ連に侵攻される瞬間を生きている彼らの生き方を通じて、当時の社会状況が分かること、資本主義と社会主義の双方の負の側面が見られる点ですね。
今日も読んでくださってありがとうございます。
次回は第三部「言葉の誤解」について、気になったところを共有しますね。
もくじ
第一部 軽さと重さ
第二部 心と体 ←いまここ
第三部 言葉の誤解
第四部 心と体
第五部 軽さと重さ
第六部 グランドマーチ
第七部 カレーニンの笑顔
読書会の参加予定(4名)
- もんざ (主催者) 「存在の耐えられない軽さ」ミラン・クンデラ (著) (集英社文庫) ”The Unbearable Lightness of Being” Milan Kundera (著)
- じょあんなさん「国盗り物語」司馬遼太郎(著) 新潮文庫
- にしやまさん『私とは何か—「個人」から「分人」へ』平野啓一郎(著)講談社
- 兼松さん「流浪の月」凪良 ゆう (著) 東京創元社
共有予定の本
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存在の耐えられない軽さ (集英社文庫)
苦悩する恋人たち。不思議な三角関係。男は、ひとりの男に特別な感情を抱いた。鮮烈でエロチック…。プラハの悲劇的政治状況下での男と女のかぎりない愛と転落を、美しく描きだす哲学的恋愛小説。フィリップ・カウフマン監督、主人公トマシュにダニエル・デイ...
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The Unbearable Lightness of Being: 'A dark and brilliant achievement' (Ian McEwan) (English Edition)
The Unbearable Lightness of Being: 'A dark and brilliant achievement' (Ian McEwan) (English Edition)
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国盗り物語(一~四) 合本版(新潮文庫)
世は戦国の初頭。松波庄九郎は妙覚寺で「知恵第一の法蓮房」と呼ばれたが、発心して還俗した。京の油商奈良屋の莫大な身代を乗っ取り、精力的かつ緻密な踏査によって、美濃ノ国を〈国盗り〉の拠点と定めた! 戦国の革命児斎藤道三が、一介の牢人から美濃国守...
Amazon.co.jp: 私とは何か 「個人」から「分人」へ (講談社現代新書) 電子書籍: 平野啓一郎: Kindleストア
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流浪の月
あなたと共にいることを、世界中の誰もが反対し、批判するはずだ。わたしを心配するからこそ、誰もがわたしの話に耳を傾けないだろう。それでも文、わたしはあなたのそばにいたい――。再会すべきではなかったかもしれない男女がもう一度出会ったとき、運命は...