第114回ZOOMで読書会で、私はクンデラの「存在の耐えられない軽さ」を紹介する予定です。今回は第1部「軽さと重さ」から気になったところを共有します。
第一部 軽さと重さ
第1部は、自由な暮らしを楽しむ外科医トマスが、下品で意地悪な母親との暮らしに苦しんでいた美しいテレザと出会って、結婚することになった経緯、その後に発生する問題が描かれます。
トマスは結婚しても、さまざまな女性を愛人にすることを止めないため、テレザは苦しむことになります。トマスは「軽さ」を、テレザは「重さ」を象徴する役割を与えらえているのですが、著者は、どちらに対しても読者が共感を覚えるようなキャラクターとして描いています。
つまり、ここに生じるジレンマは誰もが人生の中で感じうるものであり、どちらの存在にも意味があることを、クンデラは描こうとしているのではないでしょうか。
源氏物語
余談ですが、20代の頃に紫式部の源氏物語を読んだとき、女性の立場に感情移入しすぎて、光源氏の恋多き生き方に不快感と疑問を感じたことを懐かしく思い出しました。というのも、今の私はトマスの気持ちも、テレザの気持ちも、どちらも分かる気がするからです。
源氏物語も、再読してみるべき時期にきているのかもしれません。
今日も読んでくださってありがとうございます。
次回は第二部「心と体」について、気になったところを共有しますね。
第一部 軽さと重さ
第二部 心と体
第三部 言葉の誤解
第四部 心と体
第五部 軽さと重さ
第六部 グランドマーチ
第七部 カレーニンの笑顔
読書会の参加予定(4名)
- もんざ (主催者) 「存在の耐えられない軽さ」ミラン・クンデラ (著) (集英社文庫) ”The Unbearable Lightness of Being” Milan Kundera (著)
- じょあんなさん「国盗り物語」司馬遼太郎(著) 新潮文庫
- にしやまさん『私とは何か—「個人」から「分人」へ』平野啓一郎(著)講談社
- 兼松さん「流浪の月」凪良 ゆう (著) 東京創元社
共有予定の本
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