1月のABD読書会の課題本(ユーリックの「インサイト」)を再読しました。実は2019年8月に一度読み、2020年7月にも軽く読んでいるので、再々読ってことになるのかな?ご縁のある本ですね。
私は、第1章「二一世紀のメタスキル」と第10章「思い込みにとらわれた世界で生き抜き成長する」のふたつだけ、内容紹介をしました。担当パートの分だけでも、ブログにも備忘記録を残しておきます。
今回は、第一章「21世紀のメタスキル」についてです。
■「insight(インサイト)――いまの自分を正しく知り、仕事と人生を劇的に変える自己認識の力」ターシャ・ユーリック (著), 中竹竜二 (著), 樋口武志 (翻訳) 英治出版
1章 21世紀のメタスキル
まず、メタスキルって、いったい何なのでしょうか?百科事典で調べても、項目が発見できなかったのでネット検索したところ、参考になる記事を見つけました。[1][2][3]
それによると、ハードスキル(体系だった知識)とソフトスキル(ヒューマンスキル)を繋ぐものが、メタスキル(応用スキル)らしいです。
この本の著者は、【自己認識】が重要なメタスキルなのだけれど、ほとんどの人が、ラクだから【自己欺瞞】(自己認識の反対)を選んでる、と読者に対して警鐘を鳴らしています。
どれだけ知識があっても、リーダーシップがあっても、正しく自己認識する、というメタスキルが欠けていては、自分も周囲も幸せになることは難しいのです。
最も恐ろしいこと
ほとんどの人が、自分の能力は平均以上だと考えている、という調査結果があります。
著者の調査では95%の人が、自分は自己認識力があり、自分自身のことを良く分かっていると回答したとか。
しかし実際のところ、周囲の人間は分かっているのに、本人だけが分かっていない、という状況はよくあることなのです。
その結果、最も能力のない人が、最も自信を持っているようにふるまい、周囲が疲弊するという恐ろしい状況が発生します。
では、いったいどうしたら良いのでしょうか。
内的自己認識+外的自己認識
多くの人が、「自己認識」について考える時、内的な自己認識についてイメージしています。
自分の価値観や、行動パターン、そして他者への影響に対する、内的な理解ができているか、どうか。
この能力が高い人は、自分らしい選択と決断ができ、幸せで満足度の高い生活を送れる可能性が高いです。
一方で、忘れられがちなのが、外的な自己認識です。これは、周囲が自分をどのように見ているかを知る力です。
これができていない人に対して、どのような対策をとれるかを学ぶことができるのも、この本の大きな魅力です。
このスキルが低い人は、自分を客観視できず、自分への否定的な意見を受け入れられないため、外部との信頼関係を築くことが難しくなるなど、困難な状況に直面する可能性が高まります。
注意が必要なのは、内的な自己認識ができる人が、外的な自己認識もできると考えてはいけないという点です。(外的な自己認識のほうが難しいから)
とはいえ、著者はどちらも伸ばすことができるスキルだし、困難であっても、その努力をする価値は十分にあるから、それを伝えるために、この本を書いたのだ、と説明しています。
参考
[1]できるだけ若いうちから「メタスキル」を身につける事に時間を費やす重要性
[2]スキルを使いこなすスキル:メタスキルを得た感覚
[3]メタスキル(Meta Skills)
insight(インサイト)もくじ
第1章 二一世紀のメタスキル ←ここ
<第1部 基礎と障壁>
第2章 自己認識の解剖学―インサイトを支える七つの柱
第3章 ブラインドスポット―インサイトを妨げる目に見えない心のなかの障壁
第4章 自分教というカルト―インサイトを阻む恐ろしい社会的障壁
<第2部 内的自己認識―迷信と真実>
第5章 「考える」=「知る」ではない―内省をめぐる四つの間違った考え
第6章 本当に活用可能な内的自己認識ツール
<第3部 外的自己認識―迷信と真実>
第7章 めったに耳にしない真実―鏡からプリズムへ
第8章 予想外の厳しいフィードバックを受け止め、向き合い、行動に移す
<第4部 より広い視点>
第9章 リーダーがチームと組織の自己認識を高める方法
第10章 思い込みにとらわれた世界で生き抜き成長する