読書会まで残り9日。前回に引き続き「パチンコ」のパート前の引用からご紹介します。
第一部:英国作家チャールズ・ディケンズ(1812年生)
第二部:韓国作家朴婉緒(パク・ワンソ)(1931年生)←いまここ
第三部:米国人政治学者ベネディクト・アンダーソン(1936年生)
第二部はパク・ワンソ
「パチンコ」第二部の前置きは、この言葉が引用されています。
I thought that no matter how many hills and brooks you crossed, the whole world was Korea and everyone in it was Korean. Park Wan-suh
いくつ丘や小川を渡っても、全世界が韓国で、その中のみんなが韓国人だと思いました。朴婉緒
韓国を代表する人気作家朴婉緒パク・ワンソ(1931-2011)の作品は英語や日本語など各国語に翻訳されており、彼女の訃報はウォールストリートジャーナル、The Timesにも掲載されていました。
家が持つ力
彼女は小さな村で生まれ、そこが世界のすべてであると感じる牧歌的な暮らしをしていたそうです。その平和な村の暮らしを思い出してパクはこの文章を書いたのでしょう。
その後、朝鮮戦争で親族を失くした辛い体験が彼女の作品に強い影響を与えているそうです。彼女の作品の特徴は、魅力的な母親像にあるとのこと。
おそらく著者リーがパクの言葉を引用したのは、「パチンコ」にも様々な母親像を描いたからでしょう。登場人物のひとりであるサンジャという女性も、第二次大戦中、大戦後の辛く苦しい時に故郷の美しい海を思い出して心の支えにしていることが描かれています。
せっかくのご縁なのでパクの作品サンプルをkindleでダウンロードしてみました。
参考
日本語版だとkindle化されているものがない。。。
韓国文学の重鎮パク・ワンソに見る 女性たちの体験した朝鮮戦争/斎藤真理子の韓国現代文学入門【4】
参加者(3名)
- もんざ (主催者) 「パチンコ 」ミン・ジン・リー (著), 池田 真紀子 (翻訳) (文春e-book)
- 兼松さん「星の王子さま」サン=テグジュペリ(著) 新潮文庫
- maru(まる)さん「つながり 社会的ネットワークの驚くべき力」ニコラス・A・クリスタキス (著) 講談社
今日も読んでくださってありがとうございます。
明日もどうぞよろしくお願いします。