7月31日は第120回ZOOMで読書会です。私は、「幸福な監視国家・中国」 (NHK出版新書) 梶谷 懐 (著) 、 高口 康太 (著) を紹介する予定で読み進めています。今回は第6章(幸福な監視国家のゆくえ)から気になったところを共有します。
ここもまためちゃくちゃ面白くて深い章です。でも簡潔に要点を述べると、ここでは著者が抱いている危機感が共有されているんですね。それは世界が中国化しているのに、その他の国々が他人事のように考えて対策を講じていない、という危惧です。これは、この本全体を通貫しているテーマです。
中国において進む「監視社会」化を語る際に、中国を自分たちとは完全に異質な他者として扱い、その影響力を切断してしまえば、「われわれ」の社会のおぞましいディストピア化は防ぐことができるという考え方は有効ではなく、むしろ危険だと私が考えるのも、いままで述べてきたような現状認識があるからです
「幸福な監視国家・中国」 (NHK出版新書) 梶谷 懐 (著) 、 高口 康太 (著) 第6章 幸福な監視国家のゆくえ
テクノロジーの急速な発展と、それに追いつけない法制度や社会制度のほころびは、全世界的な問題ではないでしょうか。特に日本は儒教的道徳観を持つ社会である点が中国と共通なのですから、欧米と比較してさらに学ぶべき点が多いように思います。
今日も読んでくださってありがとうございます。
明日もどうぞよろしくお願いいたします。
もくじと概略
この本の目次はこんな感じ。()は、「はじめに」で解説されていた各章の概略を私がまとめたもの。
- はじめに
- 第1章 中国はユートピアか、ディストピアか(私たちの社会と未来を考えるヒント)
- 第2章 中国IT企業はいかにデータを支配したか(個人情報や評価のやり取りの持つ意味)
- 第3章 中国に出現した「お行儀のいい社会」(「管理社会」「監視社会」を具体的に考える)
- 第4章 民主化の熱はなぜ消えたのか(ICTによって洗練された言論統制)
- 第5章 現代中国における「公」と「私」(テクノロジーを通じた統治と市民社会)
- 第6章 幸福な監視国家のゆくえ(社会秩序=公共性の実現が権威主義国家で進む意味)←いまココ
- 第7章 道具的合理性が暴走するとき(新疆ウイグル自治区で起きていること)
- おわりに
参加予定者と紹介予定本
- もんざ「幸福な監視国家・中国」 (NHK出版新書) 梶谷 懐 (著) 、 高口 康太 (著)
- Catherine Cさん 「嫌われる勇気」岸見 一郎 (著), 古賀 史健 (著) ダイヤモンド社
- にしやまさん「その幸運は偶然ではないんです! 」J.D.クランボルツ (著), A.S.レヴィン (著), John D. Krumboltz (原著)ダイヤモンド社
- りんさん「ロゴセラピーのエッセンス」ヴィクトール・フランクル (著), 赤坂桃子 (翻訳) 新教出版社
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ロゴセラピーのエッセンス
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