読書会(勉強会)カウントダウンコラム

読書会まで3日「社会契約論」第三篇第1章 注意深く読め

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読書会(勉強会)
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第112回ZOOMで読書会で共有予定の本を読み進めています。
今回は第三篇第18章「 政府の越権を防止する方法」などから、気になった点と学習記録のメモです。

■社会契約論/ジュネーヴ草稿 (光文社古典新訳文庫) ルソー (著), 中山 元 (翻訳)

どんな政府が良いのかな

第三篇も、現代社会の状況と比較しながら読むと面白いです。ちなみに第三篇の目次はこんな感じになっています。政府って何なの?どんな政府があるの?良い政府と悪い政府ってどんなの?っていう内容ですね。

  1. 政府一般について
  2. さまざまな形態の政府が作られる原理について
  3. 政府の分類
  4. 民主政について
  5. 貴族政について
  6. 君主政について
  7. 混合政体について
  8. すべての国にすべての政治形態がふさわしいものではないこと
  9. 善き政府の特徴について
  10. 政府の悪弊と堕落の傾向
  11. 政治体の死について
  12. 主権を維持する方法
  13. 主権を維持する方法(続き)
  14. 主権を維持する方法(続き)
  15. 代議士または代表者
  16. 政府の設立は決して契約ではない
  17. 政府の設立について
  18. 政府の越権を防止する方法

第1章の最初から、クスって笑っちゃいました。

最初に断っておきたいのだが、この章は時間をかけて読んでいただきたい。注意深く読もうとしない読者にわからせる術を知らないからである

第三篇第1章「 政府一般について」 「社会契約論/ジュネーヴ草稿」 (光文社古典新訳文庫) ルソー (著), 中山 元 (翻訳) 

笑っちゃったのは、この章に限らず、いえ、ルソーの本だけじゃなくて、どんな本でも注意深く読もうとしない読者は、著者の意図を理解できないんじゃないかって思ったからです。でも、こうやって「ここ試験に出るよ」って教えてくれる先生みたいに、作者が読者に注意喚起してくれるのはありがたいですね。

同じ文章を読んでいても、受け取り方は人によって驚くほど変わってくるから、びっくりです。

代議制に対する批判

第15章の代議制についての記述は、特に私の心に突き刺さりました。とりあえず選挙権を手に入れてから、欠かさず選挙には行っていましたが、確かに心のどこかで他人事のように感じている自分がいたからです。

国事について、誰かが「それがわたしに何の関係があるのか」と言いだすようになったら、すでに国は滅んだと考えるべきなのである

第三篇第15章 「代議士または代表者」 「社会契約論/ジュネーヴ草稿」 (光文社古典新訳文庫) ルソー (著), 中山 元 (翻訳) 

政府のやりくち

18章でルソーはローマの十大官が自分たちの任期を継続させようとして、不正なことを行った事例を挙げて、世界中のすべての政府は、以下のような手段によって主権を奪おうとするから注意してね、と読者に訴えかけます。

与えられた権利しか行使していないような見せかけを作りだしながら権利を拡大すること、そして治安の維持という名目のもとで、善き秩序を回復しようとする人民の集会を妨げることは、統治者にはきわめてたやすいことだからである。こうした統治者は沈黙をやぶることを禁じておいて、その沈黙を利用する。あるいは不法行為を犯すように故意に導いておいて、この不法行為を利用する。そして人々が恐怖のために沈黙していると、政府を指示しているのだと勝手に思い込み、あえて口を開く者は罰するのである

第三篇第18章「 政府の越権を防止する方法」 「社会契約論/ジュネーヴ草稿」 (光文社古典新訳文庫) ルソー (著), 中山 元 (翻訳) 

だから、人民の定期集会が政府の越権を防ぐ最適な方法になるんだよ、とルソーは提案しています。でも、私はこの部分を読んで、香港のデモや、アメリカのBLMの様子が頭をよぎったので、ルソーの提案には納得できないのです。

その方法は、258年前は理想だったかもしれませんが、2020年の社会情勢をみる限り、ちょっと現実的な方法じゃなさそう。

第三篇全18章まで読了。残りは第四篇全9章、ジュネーヴ草稿が全三篇。駆け足で読んで、気になるところを抜き出すこと。

参加者の紹介予定本

社会契約論/ジュネーヴ草稿 (光文社古典新訳文庫)
「ぼくたちはルソーの語る意味での主権者なのだろうか、それともルソーが嘲笑したように、選挙のあいだだけ自由になり、そのあとは唯々諾々として鎖につながれている奴隷のような国民なのだろうか」(訳者あとがき)。自由とは、平等とは、そして民主主義って...
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