読書感想8. Trial&Error

「反知性主義」第1章 反知性主義の前提

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読書感想
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今回は、第1章「ハーバード大学 反知性主義の前提」について、気になったところと学習ノートを備忘記録として残しておきます。(9月の読書会までに、この本を読み終えて感想を共有する予定で準備をしています)

「反知性主義―アメリカが生んだ「熱病」の正体―」(新潮選書)
森本 あんり (著)

第1章では、「反知性主義」がどのような土壌から芽生えてきたのか、アメリカ独立以前から存在している、ハーバード大学の成り立ちが解説されています。

高校の世界史で習ったような気もするけれど、ピューリタンって何だっけ?と思ったので、まずは各用語の確認から始めました。この本を読み進めて、アメリカの現状を理解するためには、ここがスタート地点みたいです。そんなわけで、「ピューリタン」「カルビニズム」「預定」などの用語と、重要なキーワード「反知性主義」「リバイバリズム」の意味も調べました。これらの用語の意味が分かったので、2章以降は、もう少しラクに読めるかな。

用語

ピューリタン

“ピューリタン”, 16~17世紀のイングランド,およびニューイングランドにおける改革的プロテスタント・キリスト者の総称。通常〈清教徒〉と訳される。ニューイングランドでは祖国イングランドで達成できなかった改革の理想を〈神政政治〉として実現しようとした。

“ピューリタン”, 世界大百科事典, JapanKnowledge, , (参照 2020-08-26)

“ピューリタン”, ピューリタンの思想は広くはカルビニズムの流れに属するが,〈契約神学〉と呼ばれる独自なもので,神人関係も社会関係(家庭や国家)も契約で考え,聖書にのっとって地上に理想社会(〈神の国〉〈キリストの王国〉〈新しいエルサレム〉などと呼ばれる)を実現し,神に対し責任をもつ生活をすることを目標とした。ここには厳格な律法主義を生み出す危険があったが,ピューリタン革命の中から近代憲法の社会的自由や人権や寛容の思想が生み出されたことは注目されねばならない。

“ピューリタン”, 世界大百科事典, JapanKnowledge, , (参照 2020-08-26)

カルビニズム

広義においてはカルバンの思想,あるいはカルバンの影響を受けた思想を意味し,したがって改革派教会の信仰と思想をさすが,しばしば狭義において17世紀に特にイギリスで厳格な〈預定論〉を奉じた神学思想をいう。

カルビニズム”, 世界大百科事典, JapanKnowledge, https://japanknowledge.com , (参照 2020-08-26)

アメリカ開拓のピルグリム・ファーザーズおよびアメリカ独立宣言の背景も共通している。これらの権利主張は自己自身に対する純潔と規律の厳格な要求と結びついており,抵抗の姿勢は良心および教会の規律の厳しさ(たとえば聖日厳守)と関連している。17世紀カルビニズムの神学が預定論を主軸として体系化されたのは必ずしもカルバンの考えに即したものではないが,思想的状況の中で預定論が先鋭化したのである。

カルビニズム”, 世界大百科事典, JapanKnowledge, https://japanknowledge.com , (参照 2020-08-26)

預定論が人々の心理に大きな緊張を生み,自分が選ばれているかどうかを確かめるために信仰と実践に精進せざるをえない状況を作り出し,こうしてカルビニズムが社会とのかかわりを持ったとする解釈があるが,社会に対する積極的態度は預定論よりも聖化論に基づく。また,カルビニズムの信奉者が勤勉と節約によって資本蓄積をしたことは事実であるが,資本主義とカルビニズムの内的関連はない。

カルビニズム”, 世界大百科事典, JapanKnowledge, https://japanknowledge.com , (参照 2020-08-26)

カルビニズム:多くの場合、カルバン神学の中心教義は何かという形で論じられる。カルバンのジュネーブにおける直接の後継者T・ベザ(ド・ベーズThéodore de Bèze。1519―1605)を含めて、これを予定論、すなわち、ある者は救いに、ある者は滅びに予定されているという主張にこれを求めることが少なくない。他方、カルバンの著述の多くが「ただ神にのみ栄光あれ」Soli Deo Gloriaという賛辞で終わることに暗示されるように、中心教義を「神の主権性」とみる立場も説得力があることになる。

” 日本大百科全書(ニッポニカ), JapanKnowledge, https://japanknowledge.com , (参照 2020-08-26)

聖化

せい‐か【聖化】:キリスト教で、聖霊の働きによって人間が罪から救われ、神の聖性にあずかり、聖なるものとされること。カトリックでは成聖という。

デジタル大辞泉, JapanKnowledge, https://japanknowledge.com , (参照 2020-08-26)

預定/予定

救いは神があらかじめ定めた恩恵(恩寵)の選びによるというキリスト教の教え。〈予定〉とも書く。この語はパウロの《ローマ人への手紙》8章29節〈神はあらかじめ知っている者たちを,さらに御子のかたちに似たものにしようとしてあらかじめ定めた〉に由来する。

“預定”, 世界大百科事典, JapanKnowledge, https://japanknowledge.com , (参照 2020-08-26)

キーワード

リバイバル運動

反知性主義の根っこにあるのが、信仰の復興したいというリバイバル運動。

信仰復興[覚醒(かくせい)]運動,リバイバル運動:信仰の復興を主眼とする宣教活動の一形態.

“re・viv・al・ism”, 小学館 ランダムハウス英和大辞典, JapanKnowledge, https://japanknowledge.com , (参照 2020-08-26)

反知性主義

反知性主義の根っこにあるのは、キリスト教の平等主義。

反知性主義:リチャード・ホーフスタッターが著書『アメリカの反知性主義』の中で明確にしたもので、知的権威やエリート主義に対して批判的な態度をとる立場。もとはキリスト教の平等主義に根差しており、ある意味では民主主義の健全性の表れと解釈することができる。この思想の影響ゆえに、アメリカでは知性を強調すると大統領になれないとまでいわれる。

“反知性主義【2019】[哲学【2019】]”, 現代用語の基礎知識, JapanKnowledge, https://japanknowledge.com , (参照 2020-08-26)

Anti-Intellectualism in American Life by Richard Hofstadter 1964年にピューリッツァー賞を受賞したノンフィクション。

高度に知性的な社会

植民地時代のアメリカは、イギリスからピューリタンが入植して社会を作っているのですが、人口あたりの大学卒業者が異常なほど多く、教会の牧師もめちゃくちゃ多かったそうです。

子どもも大人と同じ説教を聞いて理解することを求められた。日曜の夕食の席では、父親などの家長が「今日の礼拝説教の要点は何だったか」と尋ねることになっているので、きちんと聞いて内容を答えられるようにしておかなければならない。(中略)ピューリタン社会はきわめて高度に知的な社会であった。だが、老若男女を含む社会全体がいつまでもそのように高度な知的統制に服したままである、ということはあり得ない。そこに「反知性主義」の芽生えがある

(第1章ハーバード大学 反知性主義の前提「反知性主義―アメリカが生んだ「熱病」の正体―」森本 あんり (著) )

著者の森本さんは、あとがきで、反知性主義の正体は、私たちが思いもよらない肯定的で正当な要素が含まれていると書いています。どんな結論が待っているのか、楽しみながら読み進めます。

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