8.1. ふとした気づき8.2. ふりかえり Retrospective8. Trial&Error

刹那的になる理由

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インターネットがつながらない。つながったと思っても接続速度が遅く不安定だ。そういう状況が続くと、安定的に接続できている状態は非常に貴重な時間になる。いつまた不安定な状況になるのか分からないのだから、どうしても必要なことは、安定している状況で進めておくべきなのだ。しかし、これは予測不可能な不安定な状況が発生することを経験したことのある人にしかイメージしにくい。一日のスケジュールを決めて、そのとおりに行動しようと思っても、安定したインターネット環境に接続できているという前提のもとに立てられた予定は、環境が異なれば、変更を余儀なくされる。やるべきこと、予定したことが緊急を要するものでなければ、スケジュール変更など問題ではない。これが緊急を要すると思われるものである場合に、混乱が生じるのだ。

東京で働いていると、時刻表とおりに電車が発着するのは当然だったし、大銀行のATMや主要なコンビニエンスストアの店内端末が回線不良になるなど、想像することもできなかった。一日のスケジュールが思い通りにならないのは、だいたいにおいて外部的な要因ではなく、自分の時間管理と意志の甘さということになる。

マニラで働きはじめて、自分のそういった価値観が大きく変化することになった。交通機関を利用した場合の移動時間を見積もるのは、日時やルートによって大きく変化するため熟練を要する。徒歩で移動できる範囲であっても、エレベータを利用する場合は想像以上に時間がかかることを想定する必要がある。ATMやコンビニのシステムで済ませられる用件でも、システムが不調の場合は、有人窓口で並ぶ必要がある。しくみが分かってしまえば、そういうものか、と対策が立てられるのだが、最初は自分の想定外の出来事が起こるので面食らってばかりいた。

とにかく最も重要なことは、ゆとりを失わないことなのだ。優先順位の高いことを見極めて、ゆとりのあるうちに、それらを片づけておく。そして代替手段も検討しておく。以前、時間やお金や睡眠などにおいて、ゆとりを失うと様々な不具合が発生するという事実を書籍から学んだ。(いつも「時間がない」あなたに 欠乏の行動経済学

だから私にはわかる。刹那的になってしまう人には、「ゆとり」が欠乏しているのだ。それが、時間なのか、お金なのか、睡眠なのかは、分からない。もっとも確率が高いのはお金かもしれない。お金がなければ、たくさん働く必要があり、そのため、考える時間と睡眠が奪われる。肉体と精神の健康を保持するための良質の食物も入手が難しくなるだろう。そして悪循環が始まってしまうのだ。富める者は益々富み栄えるのは良いとしても、貧しい者は益々貧しくなるという状況の発生を防ぐためには、組織的に系統だてられた手助けが必要なのだと思う。社会に多様性と平和と平等をもたらすために、富の再配分を行う税制が存在すると考えていたのだけれど、先日Amazonの法人所得税がゼロというニュースを読んで、世界はそろそろ別の方法を編み出さなければならない時期になっているんだろうなという気がした。

Amazon will pay $0 in federal taxes on $11.2 billion profits… for the second year in a row

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