9月の読書会までに、この本を読み終えて感想を共有する予定で準備をしています。
今回は、プロローグについて、気になったところを備忘記録として残しておきます。
「反知性主義―アメリカが生んだ「熱病」の正体―」(新潮選書)
森本 あんり (著)
読むきっかけ
私がこの本を読もうと思ったきっかけは、英文ニュースで世界を読む会に参加したとき、先生に勧められたからです。アメリカ人の宗教観や、差別問題について考える時に、とても参考になるとのことでした。著者の森本さんは、キリスト教神学者です。
人間と神様が対等?
この部分を理解することが、アメリカ的な論理を理解するうえで非常に重要になるようです。
著者の森本さんは、このギブアンドテイクの関係を、わかりやすい話だが、宗教的には安っぽい、と書かれていますが、確かにそうだなぁ。
旧約であろうと新約であろうと、聖書の基本的なメッセージは、繰り返される人間の罪と反逆にもかかわらず、神はあくまでも恵みの神であり続けるということである。契約とは、当事者の信頼やコミットメントを表すものだったのである。ところが、ピューリタンを通してアメリカに渡った「契約神学」は、神と人間の双方がお互いに履行すべき義務を負う、という側面を強調するようになる。いわば対等なギブアンドテイクの互恵関係である
(プロローグ「反知性主義―アメリカが生んだ「熱病」の正体―」森本 あんり (著) )
例えば、日本で神社にお参りをしてお賽銭をたくさん納めたら、自分の成功が約束される、みたいな感じってことですもんね。
私の感覚からすると、かえって罰当たりな気さえします。
神様と人間が対等に約束を取り付けられるような世界なんて、正直受け入れがたい。
でもアメリカ人は、これを信じているってこと何ですよね。
なぜ信じられるのか。。。不思議すぎる。
BLMに関するNYタイムズの記事を読んだり、13thというドキュメンタリー映画を観たときに、なぜアメリカは、こんな差別が容認される社会になってしまっているんだろう、と不思議に感じたのですが、その違和感の原因を、この本を読むことで理解してスッキリできたらいいなと思っています。
リチャード・ホーフスタッターが著書『アメリカの反知性主義』の中で明確にしたもので、知的権威やエリート主義に対して批判的な態度をとる立場。もとはキリスト教の平等主義に根差しており、ある意味では民主主義の健全性の表れと解釈することができる。この思想の影響ゆえに、アメリカでは知性を強調すると大統領になれないとまでいわれる。
“反知性主義【2019】[哲学【2019】]”, 現代用語の基礎知識, JapanKnowledge, https://japanknowledge.com , (参照 2020-09-12)