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映画「ミーナーについてのお話」(2015)

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7. 哀 Sad
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「 A Report About Mina 」(邦題「 ミーナーについてのお話 」)というイラン映画を見たので、感想を記録しておきます。

DIRECTER TITLEYEARGENRETIMESCORE(IMDb)
Kaveh Mazaheri
カウェー・マザーヘリー
A Report About Mina(ミーナーについてのお話 )2015Documentary,Biography, Crime0:54

イランを描いたドキュメンタリー映画を観るのは、これで2作目。
この映画の主人公のミーナーは、イランの首都テヘランで暮らすホームレスの中年女性です。

以前に見た、ドキュメンタリー映画「禁断の向こうへ イラン人の秘密」では、普通に暮らす人々が、理不尽な罰則に怯えながら暮らす様子が描かれていて、あまりにも信じられないルールに驚いたのですが、この作品で描かれるホームレスの暮らしは、観客の予想を裏切るような、特別な事件が起こるわけではありません。

撮影者はミーナーと一定の距離感を保ち、タバコを吸う彼女、口論をする彼女、犬に餌をやる彼女、金魚を値切る彼女、眠る彼女を撮影しています。

彼女はホームレス生活をしているけれど、動物を愛し、仲間を思いやり、人を信じる気持ちを失っていません。どこにも出口がないような生活をしていても、新年を迎えるために、自分の居場所を掃き清め、持っている食器類をすべて磨き上げる。

持っていた1000リヤル(0.02USD 約2.5円)が盗まれたことを話すとき「あの子は1000リヤルの価値もない子だよ」といいつつも、必要だと言ってくれれば渡すのに、なぜ盗むのか、とミーナーは言うのです。

ひっきりなしにタバコを吸い、クスリも常用しているらしい路上生活でも、彼女は人間の尊厳を失っていません。

つぎは、イランの死刑制度の関するドキュメンタリー(「裁判官 4000人を死刑にした男」)を見る予定です。

疑問

  • ミーナーは、どのように収入を得ているのだろうか
  • イランは、喫煙、犬の飼育などで罰則があったはずだが、ホームレスの人は対象外なのだろうか

高評価

  • ドキュメンタリーらしいドキュメンタリーだと思う
  • ミーナーという人物を見つけ、彼女を撮影できたことが素晴らしい
  • よけいな効果音や不自然なBGMがなく、ラジオの音や焚火の燃える音、風の音や犬の鳴き声などの音が主人公の感情を観客に伝える役割を十分に果たしている
  • 余計な説明、製作者の介入がなく、見ていると、まるで自分がテヘランでミーナーの隣にいるかのような感覚を味わえる
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