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「ヒストリエ(11)」岩明均著(2019年)

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読書感想
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期待せずに待っていると、ふとした瞬間に予想外の喜びがあるから楽しい。2019年7月に11巻が発売されたヒストリエ。10巻は2017年3月に発売だったから、2年ぶり。ドキドキしながらAmazonでkindle版を買って、あっという間に読み終わったが、もっと続きが読みたくて身もだえしまくった。

「ヒストリエ」は2003年3月から月刊「アフタヌーン」で連載が始まった作品だけれど、まだまだ終わりそうにない。1巻から読んでいる読者は、主人公エウメネスが、並外れた記憶力や観察力を持ち、その知性と身体能力の高さから幼少時から様々な困難を乗り越えてきたことを知っていて、彼の思考と行動から目が離せなくなる。彼は将軍や王などの権威者として誰かを支配することを目指さないから、独自の視点で歴史を切り取っていく。11巻は今後の伏線になる物語が描かれているので、主人公を取り巻く政治情勢や人間関係とかキーパーソンの性格をおさらいしたような感じだった。

私は、今年の4~5月に「キングダム」という、紀元前3世紀の中国が舞台で、秦の始皇帝と彼を支える軍人が中国統一を目指すという漫画を途中まで(26巻)夢中で読んでいたのだが、同じような戦闘場面が繰り返されるために、夢が覚めるように、だんだんと飽きがきて読むスピードが落ち、ついに手が止まってしまった。現在も連載中の作品で54巻まであるから、頑張って読もうと思っていたのだが、残念ながらもう気力がない。

これと比較すると、ヒストリエは、主人公エウメネスがアレクサンドロス大王の書記官としてどのような経験を積み重ねていくのか、読後に想像したり、 紀元前4世紀頃のマケドニアの歴史を勉強したりする楽しみが私の中にあるから、たぶん12巻が出るまで、また2年くらい待てるはず。

私にとって岩明さんの作品は時間つぶしの娯楽として消費するものじゃなくて、ドキュメンタリー映画みたいだ。自分が知らなかった世界の一面を、笑いと残酷さを絶妙な匙加減で混ぜて、びっくりするタイミングで突き付けてくれる。そこに発見があって、心が揺さぶられるから中毒性が高いのだと思う。 16年以上もワクワクしながら楽しめる作品に出合えたことが幸せ。

紀元前4世紀のギリシアと中国の比較をヒストリエの場面で説明しているので面白い
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