権力を手にして狂ってしまう人とそうでない人の違いってなんだろうな、と思うもんざです。
古代ローマの博物学者プリニウスを主人公にした連載漫画の最新話をオンラインで読みました。第60話では皇帝ネロの狂気が描かれています。
自分を神だと言い、現実的な判断ができなくなるほど自分を過信する皇帝と、真実を告げない臣下たち。2000年以上前から人間社会の本質的な問題は、おそろしいほど変わらないんですね。
さて、課題です。
私は「インサイト」(ターシャ・ユーリック著)を読んでいます。
現代では、厳しい真実も指摘しサポートしてくれる人を雇えるしくみがあり、そこは古代ローマよりも進歩してますよね。
「たいてい権力のある地位にいる人びとは自己認識が決して劣っていない状態からスタートしているはずなのに(そもそも人を率いるポジションに就くには相応の自己認識能力が必要とされるものなのに)、そうした人びとの盲信は、地位や社歴を重ねるにつれて増していく。キャリア初期の成功が有害なプライドとして邪魔をしてしまい、見えるはずであり見るべき真実を見えなくさせてしまうのだ。そのうえ権力が増すにつれて、評価の過大さも増していく」
(引用「インサイト」第3章「ブラインドスポット」スティーヴ病の蔓延)
著者の仕事は、社員が告げられない真実をシニア・エグゼクティブに伝えること。その目的は、彼らの盲点を示し、周囲からのフィードバックを受けとめ変化できるようサポートするためです。全ての組織で(また個人でも)このようなしくみが作れたら良いのですよね。
今日も読んでくださってありがとうございます。
また明日もよろしくお願いします。
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insight(インサイト)――いまの自分を正しく知り、仕事と人生を劇的に変える自己認識の力
「汝自身を知れ。自分自身を理解できない存在だと考え、理解しようと努め続けている人こそがプロフェッショナルだ」 仕事での成果や良好な人間関係、そのカギは「自己認識」にある。しかし、多くの人は思い込みにとらわれ、自分の可能性を狭めてしまっている...
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プリニウス 1巻 (バンチコミックス)
どうしても、この男が描きたかった! 世界史上もっとも著名な博物学者にして、ローマ艦隊の司令長官。古代ローマ一の知識人にして、風呂好きの愛すべき変人。その男の名はプリニウス――。『テルマエ・ロマエ』のヤマザキマリが、最強のパートナー“とり・み...