ふとした気づきふりかえりTrial&Error

枠を超える発想

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ふとした気づき
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おいおい、そうなの?と思わず苦笑いしてしまったのは、課題のピアレビューをしていたときだ。

「入門交渉術」という無料授業をオンラインで受け始めたのは、5月5日の日曜。
2ヶ月間のプログラムで、1週間ごとに締切日が設定されている。
最初の2週間は、オンラインでテストを受ける形式だったが、3週目は、課題の内容で、パートナーを見つけて、実際に交渉し、それを5分の動画で提出し、なおかつ3名分のクラスメイトのレポートも評価しろ、というものだった。
クラスのオンライン掲示板で課題パートナーを探している人に「私も探してます」と書き込みをしてみたけれど、どう考えても分が悪い。
そこで、戦略を変えて、同じプログラムを受講している人の中から探すのではなく、いつも英会話を習っているオンラインスクールの先生に駄目もとで、依頼してみた。

同じプログラムを受講している人であれば前提条件の説明は不要だが、先生にはそこから説明する必要がある。こちらで状況説明の交渉のシナリオを作成して、相手役を演じてほしい、もちろん授業料はお支払いします、と伝えたら、「面白そう!いいよ。お金は要らない。協力してあげますよ」とのお返事がすぐにあり、やったーーと心の中でジャンプした。

簡単に課題を説明すると、新薬を開発した研究者と製薬会社の料金交渉を演じる必要があり、私は研究者、先生には製薬会社の担当者を演じてもらった。とりあえず、この課題は実際に交渉を自分で体験することが重要であり、交渉の良し悪しは評価しない、ということだったので、限られた時間と能力で自分にできる範囲のことはやった。

しかし、ピアレビュー(クラスメイトの課題評価)をしてみて、あらためて自分が「交渉するとは何か」ということを全く理解していない、という事実に気づかされた。交渉する人たちは、それぞれの利益に強く執着し、自分の利益を最大にする方法を考え、そのためのアプローチをする必要がある。
3週目の課題では、研究者(売り手)と製薬会社(買い手)の最大利益は、それぞれ異なる。そこに交渉の余地が発生するわけだが、私はビデオを撮影するために5分で決着するシナリオを書いた。両社にとって共通の利益がそこそこ確保できれば、それぞれにとって最大じゃなくてもいいじゃないか、という発想は正しかったのだが、この課題で示された5つの料金交渉プランという枠からはみ出す、という発想ができなかったのだ。

これって、けっこう致命的な問題だな、と思う。例えばマークシートだと、ひとつの問題で選択肢が5つだったとしたら、そこに6個目を作る、というのはあり得ない。でも現実社会では、最初に決められた枠からはみ出すことや、そこから離れて考えることも往々にして課題解決のためにには必要なのだ。この点に気づけたのは非常に良かった。

けれども、もうひとつ理解したのは交渉は文化だということ。
通貨、社会基盤、常識、慣例、これらが異なると、交渉の前提となる条件を理解するのにも非常に時間がかかるし、交渉相手の思考を推察することもできない。
母語である日本語ですら、まともに交渉できない自分が、日常会話レベルしか話せない英語で交渉するためには、単に語学力を強化するだけでは全くダメなのだ。なぜその交渉が必要なのかを本質的に理解して自分自身にしっかりと腹落ちさせることに加えて、枠を超える発想が必要になる。
とにかく、この講座は難しいけれど、本当に面白いので最後まで頑張って終わらて、基本の型だけでも理解できるようになりたいと思う。

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