課題図書Zoom読書会

19/03/15 (金)読書会まで8日

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正確な情報をいかに入手するか、それが問題だと思うもんざです。
いや、違いますね。というよりも、入手した情報をつなぎ合わせて、それが現実にどのように作用するのかを予想して、必要な行動がタイムリーにできるか、それが重要なんですね。

情報の正確さに拘泥しすぎると判断速度が遅れてしまいそうです。
こんなことを考えたのは、突然始まった断水で色々と考えさせられたからです。

マニラは11月~3月頃までが年間で最も寒い時期にあたり、乾季です。
今年の状況は少し異常で雨がほとんど降らないことに加えて、エルニーニョ現象で気温も上昇して、ダム湖の水位が想定以上に低下したことにより、給水制限が行われるようになったとか。

この給水制限ですが、何の告知もなく突然水道から水が出なくなり、マニラの一部地域で混乱が発生しています。
テレビニュースや新聞、インターネット上での情報をチェックしているのですが、私が居住している地域でも一部断水が始まっているようで、最近お気に入りのカフェに行ったらお店の人に、「このビル、昨日から断水してるの。あなたの会社は大丈夫?」と聞かれました。

幸い、私の会社も住まいも今のところ大丈夫なのですが、想定外の事態に備えなければいけないなぁと思っています。
私のこれまでの常識から考えると、予告もなく、いきなり断水するという事態は、水道管が破裂したとか、そういう不測の事態でない限り、ありえないと思ってしまうのですけれど、ここは日本の常識で考えてはいけないのですよね。
(それがなかなか大変なのですが)

でも、フィリピンの水道管理のしくみが分かっていないので、判断材料に乏しいのですよね。
首都圏は水道会社2社で行われているようで、私の勤務地周辺はマニラウォーターという会社の管理になるようです。
会社内での噂話によると、同じ地域でも突然断水が始まったビルもあれば、そうでないビルもあり、その違いはビルオーナーがどれだけ権力を持っているかだとか。

本当かどうか確認するすべはありません。
とりあえず7Lのボトルのお水を3本ほどストックするようにしようかな。足りない?

さて。課題です。
私は米原真理さんのエッセイ集「偉くない私が一番自由」を読んでいます。
題名にもなっている自由に関する記述ですが、これは19世紀ロシアの国民的詩人ネクラソフを引き合いに出して、現代日本のテレビや新聞報道の在り方に疑問を呈している短いエッセイです。
 
 これを読みながら、先月、先々月の読書会で「自己の弱みを開示すること」がコミュニケーションのコツという話が出たことを改めて思い出しました。
ネクラソフは2年間、癌を患って56歳で他界するのですが、その病の苦しみも詩作に投影しています。

『被害妄想じみていて愚痴っぽくてみっともない自分をさらけ出しているところが、哀れにも滑稽にも映る』

『偉くない私が一番自由』米原真理著(初出『終生ヒトのオスは飼わず』文春文庫)

米原さんは、このように書きつつも、ネクラソフが等身大の自分をさらけ出していたからこそ、彼の作品は自由であり、同時代を生きるロシアの人々の心を捉えたと考えています。

そして自分の弱さもありのままに見せるという姿勢は、米原さん自身の作品にも通じる姿勢だよなぁと気づきます。
彼女の作品が、いまでも多くの人に愛されている理由でもありますね。
今日も読んでくださってありがとうございます。
また明日もよろしくお願いします。

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