読書感想

追撃の森

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「追撃の森」(ジェフリー・ディーヴァー/文藝春秋)
女性保安官補ブリンの知力と体力に圧倒されました。命がけの駆け引きでの瞬時の判断力に彼女の才能が発揮されており、尋常な精神力ではないのです。
ただ、彼女がその精神力を身につけるに至った経緯を知ると納得しつつも、ため息をついてしまいます。
原題のThe bodies left behindは、「置き土産の死体」という意味で深く内容を示唆するタイトルになっています。
追撃の森という邦題もぴったりなのですが、原題を知って内容との繋がりを考えるとディーヴァーがどれだけこの物語の中に伏線を用意しているのかの一端をうかがい知ることができます。
またこのミステリーの奥深さは、ブリンの私生活と警察の仕事への関わりが一体となって描かれていることにあるでしょう。
警官の夫と別れ、思春期の息子を持ち、相性の良くない自分の母を引き取って共に暮らすブリン。
読み進めるうちに造園業を営む新しい夫には浮気の疑いもあることを知ります。そんな日常から不意に引き離され、死の危険にさらされるブリン。
私はどんどん彼女に感情移入していきました。
不幸な事件に巻き込まれたブリンですが結末は日常生活の好転を予測させるもので、すっかりブリンのファンとなっている私としては、心穏やかに本を閉じることができました。
当たり前のことですが、ブリンはディーヴァーいう作家が創り上げた架空の存在です。
その架空の存在であるブリンに私はずいぶん勇気づけられました。そして私はこの物語に浸っていた数日の間に、自分の日常生活での悩みがいかに小さいものかに気づき、すっかりディーヴァーファンになった、というわけです。
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