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リレーショナルアート「奢られる人奢る人」で発見したこと

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9月は、これまで気になっても二の足を踏んでいたイベントに参加してみて学ぶことが多かったな、と思っていたのですが、今回も興味深いイベントを発見。「奢られる人奢る人」というイベントに参加して、また色々と考えさせられました。振り返りも兼ねて学んだことを整理しておこうと思います。

これは、腫瘍内科医の西先生が美味しい珈琲を見ず知らずの他人に奢って、その人と話しをする、という、そこだけ切り取って説明されても、たぶんよく意味の分からないイベントです。

じつは、これ、リレーショナルアート、という芸術の一種であり、イベントの場だけで完結するものではなく、参加者のその後の行動までがイベントに含まれています。参加者は西先生の指定日時に指定の場所に行き、コーヒーを奢られ会話をし、帰りにミッションの書かれたメッセージカードをもらい、それを実行するというお約束になっています。しかし、そのミッションは参加者が難しいと思えば実行しなくてもOK、というゆるさです。

私が参加した理由は2つで、なぜ西先生がこのようなイベントを行っているのか、という興味と、聞いてみたい質問があった、ということです。
私は、仕事でセミナーを運営したり、プライベートで読書会をしたり、日常的に何らかのイベントに関わっているため、これまで自分の中で(1)~(3)の分類でイベントをカテゴライズしていました。
しかし、今回の「奢られる人奢る人」は、(1)~(3)の分類には当てはまらないため、私の中で(4)というあらたな分類が作ることになったのが新鮮でした。

(1)有料イベント・・・営利目的
(2)実費イベント・・・趣味・サークル系
(3)無料イベント・・・マーケティング・プロモーション
(4)奢られるイベント・・・アート?

すっかり価値基準がお金ベースになっていると、西先生の行動を理解するのは難しいかもしれません。
仏教では、施しをすることが功徳を積むことになると言われていることが一瞬あたまをよぎって、イベントの告知をみたとき、なにかの修行の一種かな?と考えたりしました。
でも、全くそういうものではなく、社会学とか心理学の実験みたい、というのが最終的な印象です。

このイベントがリレーショナルアートだ、と言われた時に、「リレーショナルアート」の意味が良く分かっていなかったので、具体的に、どういうものをリレーショナルアートと呼ぶのか、事例を教えていただき、ようやく少し理解できました。リー・ミンウェイさんの「ひろがる花園」や「マネー・フォー・アート」のお話は、森美術館やほぼ日の記事を見て詳細を確認し、なるほど目指すところは、ココだったのね、と腹落ちしました。

西先生がこのイベントを継続している理由は「面白いから」「リスクがないから」という二点だそう。「最初は誰も来なかったら止めようと考えていましたが、これまで必ず誰か来てくださるし、トラブルもありません」だいたい予想の範囲におさまっているそうです。

そして、私の質問は「例えば判断や決断に迷いが生じたとき、どのように考えるか」というものでした。
この質問に対して西先生からは「あとから考えて、やはり●●しておくべきだった、と後悔するかしないかが、ひとつの判断基準になるのでは」というアドバイスをいただきました。

「例えば、癌の患者さんに対して、自分はAの治療を薦めているが、患者さんはBの治療を試したいという場合があります。並行して2つの治療ができないケースで、Bの治療を選択すると、Aの治療を継続するよりも寿命が短くなるかもしれない。でも患者さんが、それも納得した上でBを選ぶなら、自分はその時の患者さんの選択を尊重します。患者さんに後悔して欲しくないですから。それで、もし患者さんが僕を恨むならそれでもいいと思っています。僕を恨むことで患者さん自身が苦しまなくなるなら、それを引き受けるのも医者の役目ですから」

この言葉を聞いたときに、突然に涙が出て自分でも理由が分からなくて、ちょっと焦りました。いま、この文章を書きながら振り返って少し冷静に考えると思い当たるところがあります。私の身近に、誰かを恨むことを生きる支えにしている人がいて、その人を見るのが辛いので、できるだけ会うことを避けています。状況は全然違うけれども、西先生は恨みを受けとめるとおっしゃっている。私にはそんなことできないよ、いやだ。でもどうして私にはできないの。という葛藤から、ちょっと過剰に反応してしまったようです。これまで深く考えたことがなかった、というより考えることを避けていた部分に、偶然スッと光が当てられて逃げ場がなくなっちゃった感じかなと思っています。あのとき涙が出た理由は、もしかしたらこれじゃないかもしれないけれど、こう考えるとスッキリするので、これで、とりあえずは良しとします。思いがけず自分の心の在り方を知ることができたことが収穫でした。「あとから後悔しないように考えてみる」という言葉は、現在、ちょっと迷っていることについて私の背中を押してくれました。

私がもうひとつ驚いたのは、意外と奢られたい人が少ないらしい、ということ。確かに、参加する前は、私もちょっと不安でしたが結果的に好奇心に負けました。でも私の場合は、負けて正解だったなーと思います。参加した私は実際ほとんどノーリスクで、自分の感情を言語化することに挑戦して、整理するというリターンが得られました。

1点残念だったのは、今回は西先生と1対1で会話を楽しみましたが、他の参加者がいたら、違う話題に広がったかもしれないと思えるところ。そこはちょっとだけ残念でした。現在のところ、男性よりも女性の参加者が多いと聞きましたが、これは西先生が男性だからでしょうか。もっと参加者が増えたら男女比率も変わるかもしれませんが、女性版の「奢られる人奢る人」があったら、どうなるのかも気になるところです。たぶん男女によって話題の傾向も変わるのではないかと予想しています。

Muiさんのコーヒーは、お味も美味しいけれど、カップ&ソーサーもとても上品でステキでした。今度行く時は、ぜひお菓子も食べてみたいな。(もちろん自分でお支払いします(^^))

■リレーショナルアート「奢られる人奢る人」のながれ
0. 指定の日時に指定の場所へ行く(事前に連絡しなくてもOK)
1.コーヒーを注文(種類たくさんで迷う!マスターに相談すると良い e.g 酸味少なめ、苦めが好きなど)
2.西先生と自由におしゃべり(話したくなければ無理に話さなくても良いそうです)
3.西先生にお礼をいう(ごちそうさまでした!)
4.メッセージカードをいただく(イラストが可愛い。裏面の質問は、絶対に想定外ですよ)
5.ミッションにとりくむ(ここは、あなたしだい)
6.イベント終了

 

■2014-09-03“参加するアートとは?~スペシャル対談:リー・ミンウェイ×片岡真実(1森美術館公式ブログ

■2014-11-13 The moving garden ひろがる花園 / Lee Mingweiリー・ミンウェイさんの アートのかたち

■2014-11-17Money For Art マネー・フォー・アート/Lee Mingweiリー・ミンウェイさんの アートのかたち

■2014-12-17見知らぬ誰かに1輪の花を。日本に住むフランス人女性が花を渡したある日本人のはにかんだ笑顔がまぶしかった。 @karapaiaより

■Lee Mingwei(リー・ミンウェイさん公式サイト/英語)

 

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元住吉駅の西口を出てブレーメン通りをまっすぐ進む

ブレーメンのオブジェが楽しい

八百屋さんの角を左折すると路地の右側にオシャレなカフェmuiさんがあります

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