自分の感情を他人に伝わるように言語化するには訓練が必要だと思うもんざです。
「ティール組織」第III部第3章は、進化(ティール)型の組織に変革するために考えるべきことの解説です。
ここでは、変革を行うための具体的な事例が紹介されています。
そのひとつは、全社員が研修を受けて、価値観の共有を図るというもの。参加者は「職場で自分が本当に自分らしくあると感じたときは、いつか。また、その時、どのように感じたか」などを2人1組で質問しあうのです。
このワークをとても面白いと感じる反面、そこで本音を語れる人はどのくらい存在するだろうか、という疑問も持ちました。
なぜなら、自分の感情や、状況を的確に言語化できるスキルは、けっこう高度だと思うからです。
私自身に苦手意識があるからかもしれません。
例えば、よく私が受けている英会話のレッスンでは、時事的なニュースや話題についての記事を読み、それに対して自分の意見を述べるという形式のものがあります。
「あなたは●●についてどう思いますか。それはなぜですか」
最初の頃は、このようなYes、Noで答えられない質問が苦痛でした。
賛成とか、反対とかは何とか答えられても、じゃぁ、どうしてそう思うの?という質問に対して、的確な答えが見つからないことは、しょっちゅうです。最近は訓練のおかげで少しはマシになりましたが、私は、どれだけ自分のアタマで考えるということを怠けているんだろう?と悲しくなります。
「指揮と統制におびえる生活をあまりに長く送ったため、上司がいないと生活をうまく調整できない人々がいる。(中略)自主経営(セルフマネジメント)の自由に伴う責任を背負いきれない人は、従来型の階層的組織へ去ることを選ぶことが多い」(引用p.448)
これは会社組織の問題点として挙げられていますが、読んだ瞬間に、日本の教育政策との共通項に気づきます。
学校という組織の中で、生徒は黙ってルールに従う。規定から外れる独創性は許されない。
私は仕事でビジネス研修などの運営をしており、受講者からの質問を受けることもあるのですが、ときどき、びっくりするぐらい稚拙な質問を受けることがあります。
内容は、少し自分のアタマで考えるか、インターネットで検索しても、すぐに分かるようなことなのですが、ずっと誰かの統制下に置かれていたタイプは、こんなふうに自分の想定外が発生すると思考停止しちゃうんだろうなぁと驚いてしまいます。
こういった点から考えると、個人的には、日本でティール組織が根付くには、フランスやオランダに比べると相当時間がかかるだろうと思っています。
しかし結局のところ、著者は、CEOなり、変革を進める人物が社内で尊敬されており、言動が信頼できると思われていれば、困難であっても、改革は可能と結論づけています。ほんとうに、日本の学校や介護施設が全てティール型の組織で運営されていれば、どれだけ日本の社会が幸福に変わるでしょう!(政府や、行政機関がティール型に適応できるなら、社会変革にもっとも効果的でしょうが…)
悲観せず希望と信頼を保ち続けることも重要ですね。
今日も読んでくださってありがとうございます。
明日もどうぞよろしくお願いいたします。