これは何だろうなと思うもんざです。
祖母が商店を営んでいた地域を最近ふと思い出しました。
お向かいにはお肉屋さん、小道をはさんだ左隣はお寿司やさん、右隣は洋服の仕立て屋さん、裏手には八百屋さんや、お好み焼き屋さん、駅のほうへ向かっていくと右側には大きな蔵のお醤油屋さんがあり、そのもうちょっと先には内科もあったような気がします。
いまは、もうほとんどのお店が閉店しているか、空き地か、駐車場になっており、すっかり寂れてしまいました。
若い人が親と暮らした地域を出ていき、小さな商店で世代交代が行われないと、ほんの四半世紀で小さな町はお年寄りばかりになります。
なぜか最近ふと、当時の景色や、お醤油屋さんの蔵から漂う醤油の強いにおいをふっと思い出すんですよね。たしか同級生の実家だったけど彼はいまどうしてるんだろう、とか。記憶って不思議ですね。
進捗報告
今月みなさんと共有するのは、こちらです。
「向谷地さん、幻覚妄想ってどうやって聞いたらいいんですか?」 (シリーズ ケアをひらく) 白石正明・向谷地生良 (著) 医学書院 https://amzn.to/41yhnhB
今回は、第3章「いつも土手の上から眺めていたーーー向谷地家の秘密」から印象に残ったところを共有します。
向谷地さんは1955年青森県生まれ。お父さんは中学校の校長先生で、4人兄弟の次男。
二つ年上に兄(弘さん)、四歳下に弟、十歳下に妹(加奈子さん)がいる家族構成です。
お母さんがプロテスタント系のクリスチャンで、向谷地さんもクリスチャンです。
この章では、向谷地生良さんとお兄さん、妹さんの3人が登場し、向谷地一家の過去の出来事を回想していくのですが、これがなかなか読み応えがあるんですよ。
お父さんに個人的な恨みがあったらしい中学校の先生から弘さん、生良さんは目を付けられて理不尽な理由で殴られ大けがするなどの事件が起こります。
以下引用
生良:今だったら、大変な話だよね。
弘:あぁ、もう信じられないですよ。女の子の流血事件なんかも。
ーーーその女の子の親も抗議とか…。
弘:いやぁ、もう先生がもうやることはすべて正しいみたいな時代だったから。田舎の人だし、とても無理ですね。人権感覚ないですから。そのなかで子どもたちが1クラスまとまって先生と闘ってたのは、なかなかおもしろかったですね
(第3章「いつも土手の上から眺めていたーーー向谷地家の秘密」)
生良さんは自分が被害にあっているにも関わらず、当時の先生たちは軍隊を経験しており、戦争のトラウマを抱えていて、その不安定な精神状態が生徒に理不尽な暴力をふるわせたのではないか、という分析をしています。
自分もトラウマになりそうな体験をしていながら、俯瞰した位置から分析していることに驚かされました。
今日も読んでくださってありがとうございます。また明日もよろしくお願いします。
参加者(2名)
- もんざ「向谷地さん、幻覚妄想ってどうやって聞いたらいいんですか?」 (シリーズ ケアをひらく) 白石正明・向谷地生良 (著) 医学書院 https://amzn.to/41yhnhB
- にしやまさん「サイロ・エフェクト 高度専門化社会の罠」(文藝春秋) ジリアン・テット (著), 土方 奈美 (翻訳) https://amzn.to/4kEz8TY
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共有予定の本
へぇー」がひらくアナザーワールド!!精神医療の常識を溶かし、対人支援の枠組みを更新しつづける「べてるの家」の向谷地生良氏。当事者がどんな話をしても彼は「へぇー」と興味津々だ。その「へぇー」こそがアナザーワールドの扉をひらく鍵だったのだ!大澤真幸氏の特別寄稿「〈知〉はいかにして〈真実〉の地位に就くのか?」は“良心的兵役拒否者”である向谷地氏に言語論から迫る必読論文。
「向谷地さん、幻覚妄想ってどうやって聞いたらいいんですか?」 (シリーズ ケアをひらく) 白石正明・向谷地生良 (著) 医学書院 https://amzn.to/41yhnhB
世界の金融システムがメルトダウンし、デジタル版ウォークマンの覇権をめぐる戦いでソニーがアップルに完敗し、ニューヨーク市役所が効率的に市民サービスを提供できない背景には、共通の原因がある。それは何か――。謎かけのようなこの問いに、文化人類学者という特異な経歴を持つ、FT紙きってのジャーナリストが挑む。
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